第29話 お金の力
ランニング開始した。暑い中走らされて皆ヘロヘロ。同じ校庭を何周もさせられる。意思を保つのも一苦労…光は腹痛でトイレへ。
「
また酷い事を考えていた。すると、姫が疲れてきて立ち止まる。
「はぁ…はぁ。限界ですわ…。みんなと比べると体力がありませんわ。」
ここぞとばかりに源次郎が走って来る。
この時を待っていたのだ。
「白鳥!何やってんだぁ?サボりやがって。何考えてんだぁ!?あぁっん!?」
これが生徒イビりの鉄板戦法!出来ない事をさせて、出来ないときに沢山叱る。これが汚いが、イビり教師の必殺技なのだ。
「ごめんなさい。…はぁ。はぁ…、疲れてもう走れなくて…。」
姫も限界でやられたい放題。言い返す気力もない。これが鬼教師の恐れられている理由なのが、初めて分かったのだった。
その頃、光はトイレでは無くて校長室に
来ていた。何の為に校長室に来たのか?
トントントン!
「失礼します!今野です。」
「ん?何のようだね。今野さん。授業中ではないのかな?」
当然の返し。どうするのか?
「そうなんですけど、体育教師の
講義しに来たのでした。光なりの対応手段でした。度々、このクレームは来ていたので
校長も困っていました。
「ごめんね。今野さん。後で私の方から注意しておくね!」
この返答が来ると、8割方は適当に終わってしまう。光もそれは充分理解していた。
なので対応策を持ってきていた。
「校長先生。いつもそのセリフを言えば許される特効薬と勘違いしていませんか?
みんな苦しんでいるのに、一人の先生が横暴な授業をしていていても止められないんですか?おかしくないですか??」
「だからね。絶対に直すから大丈夫だから。早く授業に戻りなさい!」
絶対に今は止めようと思わない。大人の
後では絶対やらないセリフなのです。
「白鳥さんの事は知ってますよね?校長先生なんですから。」
ドキッ!!校長がいきなり冷や汗をかく。
「白鳥くん!?それがどうしたのだね??」
「ウチは白鳥さんの家柄は存じ上げております。そして、どれだけ偉大なのかも…ウチの予想によりますと、ここの善人高校は生徒が年々減っていて金銭面的に困っていましたよね?白鳥家に投資してもらったんじゃないですか?これは予想ですけど…」
的中!!まさに全てバレていました。
「…だ、だからと言って君に何が関係しているんだね?」
「実はウチは白鳥さんと大の親友なんですよ!両親とも交流するくらいに。予想によると、今の本田先生の標的は白鳥さんです。沢山酷い仕打ちを受けている可能性があります。もしもですよ?白鳥さんがこの事を両親に言いつけたらどうなりますかね?それか今ウチがこのスマホで謎の番号にかけたらどうなるか…校長先生が一番ご存知何じゃないですか?」
校長は焦りまくる…でもここで取り乱せば、弱味を握られてしまう。それだけは、絶対に避けなければいけない。でも…この話が本当で、今まさに姫子が酷い仕打ちをされていたとしたら?不安が高まるだけでした。
「校長!!まずいですよ!!この話が本当なら、白鳥家に我が高校は潰されてしまいます。早く止めに行かなければ!!」
教頭が先に吐いてしまいました。
それなら隠す理由もありませんでした。
「教頭!行くぞぉ!!早く止めに。」
「了解です!!」
凄いスピードで走っていってしまいました。
光の大勝利でした。でも光はまだ知りませんでした。ここから大変な事になることを…
後で光はこの行動を後悔するのでした。
その頃女子達は走り終わり倒れている。
皆ギリギリクリアしていた。男子も同じでした。姫はヘロヘロになりながら走らされていました。水も飲ませて貰えずに…
「あっはっは!白鳥。速く走れぇ!」
そのとき、凄いスピードで校長達が校庭に
怒鳴り込んできた。
「コラぁっ!!本田!何だこの授業は!?
生徒は軍人じゃないんだぞ!わかんてんのか!?」
凄いパワフルな表情で怒鳴る。
教頭も負けじと、
「白鳥さんに何しとんじゃ!?コラ!」
皆もヘロヘロでしたが、ちゃんとこの話を聞いていました。
「えっ?白鳥さんって何か特別なの?」
「何で名指しで注意したのかなぁ?」
色々な予想で話されてしまう。姫は気付いて校長達を注意する。
「校長先生。教頭先生。
特別扱いはしないでもらえますか?」
凄い
「申し訳…ごめんね。白鳥さん。さっきから見ててあまりにも酷くて注意しちゃったんだ!特別扱いではないんだよ。」
校長もしどろもどろ反応する。
「なら良かったですわ。じゃあ、走って来ますね♪」
そのまま姫は走りに行きました。
校長と教頭の怒りは収まりませんでした。
「本田君。明日からは和恵先生に男女の指導を任せます!さらに、今回の事を反省させる為に減給だぁあ!!」
「えーっ!!なんで…分かりました…。すみませんでした。」
源次郎はションボリしてしまいました。
自分の生き甲斐がなくなったのですから。
そのまま姫はヘロヘロになりながら走りきり、授業は終わりました。
(ヤバい…ウチのせいで姫が目立っちゃった。特別扱いされたくないのに、無駄に利用しちゃった…。特別扱いしてたのはウチじゃん。バカみたい…ごめん。)
光は深く反省し、二度とこんな事しないことを誓うのでした。
黒崎とハラケンは姫について話していた。
「さっきのなんだろ?」
「分からないね。姫が関係無いって言って
るんだからあまり
二人の中にも疑惑が芽生えてしまいました。
教室に戻ると光が待っていた。
姫はトイレに行っていた光の身を案じる。
「…あっ光。体はもう大丈夫?体育大変だったよぉ!甘く見てましたわ笑。もっと特訓だね♪」
光には罪悪感しかなかったのです。
こんなに一生懸命に頑張っているのに、自分
のせいでその
「姫…。ごめんね。ウチが校長にチクったの。姫の扱いを見てられなくて…本当ごめんね。」
涙目な光をみて笑顔で返答する。
「怒る訳ないでしょ?だって私の為にしてくれたんだもん!凄い嬉しいよ♪でもバレたくないから絶対内緒だよ~?」
光はそんな姫を見て嬉しく思う半分、自分を恥ずかしく思うのでした。
「うん!本当にごめんね。絶対もうしないよ!二人であの鬼教師と戦おう♪」
「うん!絶対負けませんわ!」
その後、何事も無く授業が終わり帰宅する。
姫は帰宅後に専属美容師を呼び出しました。
「ごめんなさいね。いきなり。学校生活にはこの髪色では目立っちゃうの…風紀を見出しちゃいますしね!黒髪にしてもらえる?」
「お嬢様!?そうですね。似合っていましたが、仕方ありません。染めて行きましょうか?」
そしてカラーリングをしました。
ロングの髪を一本一本染まる様に、
次の日、クラスの中では姫の話で噂話しされていました。やっぱりお金持ちなのでは?
権力とか何が絡んでいるんではないのか?
特に言われていたのは、(髪色)でした。
あんな色で許されるのは不自然だと話題に。
すると、姫が登校してきました。
それはそれは、美しいまでに輝き目立つくら
いのロングの黒髪。周りと同じ黒髪になって
来たのでした。みんなは動揺しつつ、やっぱり勘違いなのでは?と思うのでした。
何より美しい♪みんな近づいて来る。
「白鳥さん染めたの?」
「姫子さん!凄い似合うね♪」
「好きだぁ♪」
みんなの注目の的になる。こんな瞬間も
あっても良いなぁっと姫は思うのでした♪
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