第26話 迷子の姫子

段々と日が暮れて、夕方に近づいてきた。

これからどんなアトラクションに

行こうか?皆で悩む。


「そうだ!夕方だから、パレードが始まるわよ♪夜になるとまた盛り上がるのよ♪」

ネズミーパレードは着ぐるみのキャスト達が

お客さんの前を横断して、色々なダンスやアクションを披露する。ネズミーワンダーランドの人気な秘訣の一つです。


「そうですわね!楽しみ。行きましょう♪」

皆でいざ!ネズミーパレードへ!

その前にお土産屋さんへ。沢山のお土産が

売っている。ぬいぐるみやらキーホルダー沢山売っている。女の子二人はキャッキャッ!しながら物色している。


「これお揃いにしない??姫ー?」

「一緒のにしましょ!」

黒崎は暇潰しにハラケンにお土産でも

買おうかと探索する。


「これアイツなら似合いそうだなぁ?」

ネズミの耳が付いたカチューシャが気に入りました。黒崎も本当に友達思いである。

段々と人混みが凄くなってきた。込み合ってきて、動きにくくなってくる。


「これは外に出ないとまずいな…」

黒崎は直ぐに外へ。外も凄い人混みだった。

(何でなんだ??パレードが始まるからその前にお土産を買おうって事か!皆考えることは一緒かぁ…)

黒崎は外で身動き取れない…

光と姫も買い物を済ませると、人混みに

飲まれる。凄い量で、二人は離ればなれになってしまう。


(はぁ…離ればなれになっちゃった。光と黒崎くんは何処かしら?)

姫は適当に動き回ってしまう。はぐれないコツは、無駄に動かない!その一言です。

光は人混みに慣れていて、冷静に立ち回る。

外に出て、見渡しの良いところへ…

皆に電話をかける。黒崎に繋がった。


「光?大丈夫?人混み凄いから外に出たら、外も混雑してるね…」

「黒崎くん。近くのネズミーパンプキンに来てくれる?ここ人気無いから人全然居ないから!姫は一緒??」

光は電話の繋がらない事に焦りが隠せない。


「白鳥さん?一緒じゃないよ?はぐれちゃったなぁ…まずは合流しよう!それから考えよう。」

まずは合流することに。二人は合流すると

姫のスマホに電話が繋がらない事に気付く。


「姫。もしかして電源切れてるのかも…

まずいわね…。多分焦ってるだろうし。」

「まいったね。早く探そう!僕はこっちを探すから、光はパレードの方探してくれる?」

二人は別々に探す事に。一番焦ってるのは

SP達でした。


「こちらB班。お嬢様の姿が見えません。どうぞ!」

「こちらD班。こちらも姿が見えません。どうぞ!」

焦りまくるSP。隊長は姫のスマホのGPSで

探す事にする。


「ん?もしかしてお嬢様のスマホは、電源が切れてる可能性がある。これはまずい…」

白鳥家の一人娘が行方不明とは、主に何と言われるか考えただけでも恐ろしい…


「お前達。全力で探すのだ!!良いなぁ?どうぞ!」

「了解です!!」

隊員は凄いスピードで探し始める。

自分達のこれからの運命の為にも…

光も必死に探す。心の中によぎるのは、もしものときに使ってくれと渡された謎の番号。でもこれを使えば、大変な事になりそう…そんな気がして使えない。光は

ボンクラなハラケンに電話する。

プルプルルー。ガチャっ!


「…もし、もし…。」

死にかけなハラケンの声がする。


「バカっ!!……姫が迷子になって大変なのに、あんたいつまで休んでんのよ!!」

光の魂の叫びにハラケンの心に火をつけた。

むくっ!!急に立ち上がり走り出す。

その電話の声がもう一人のボンクラにも

聞こえていた。


「……姫。今行くからな…待ってろよ。」

健もいきなり立ち上がり、走り出す!!

使えない男二人が参戦だ。


迷子の姫は、夜になり周りがあまり暗くて

見えない園内を歩き続ける…

(皆何処かしら?…全然会えない。スマホの充電こんなときに切れちゃうなんて。

誰か助けてぇ…)

迷いながら歩き続ける。姫はある所に

到着して、歩き疲れて座ってしまう。

ここなら明るくなるし怖くないから。

一体何処なのでしょうか??


黒崎も一生懸命になり探す。目立つ所や

楽しい所。着ぐるみの居るところや可愛い物があるところ…

(本当に白鳥さんは迷子になりやすいな…はぁはぁ…初めて会ったときもそうだったなぁ…。頭を使えば絶対に見つけられる筈だ。ん??もしかして、怖くてあそこに行ってるんじゃないのか?)

黒崎は又走り出す。

皆が姫を探すのに一生懸命になる。お金の

力で手に入れた物では無くて、本当こ友情により皆は一生懸命になって探してくれている。セバスも実は来ていた。


「お嬢様ぁぁ!!」

セバスチャンは園内をしらみ潰しに探す。

セバスチャンは何でも出来るので、凄い足の速さで駆け巡る。どんなに苦しくても止まらない弾丸のように!!


その頃、姫は一人疲れ果ててポツンと

座っていた。そこは「ネズミー城」でした。

そこは、どんな所よりも大きく目立つし何よりも行きたい所であり、夜は花火が打ち上げるので一番明るくなるので避難していた。


(本当は皆と来たかったなぁ…花火も打ち上がっちゃうし…。どうしようかしら。)

ぴゅ~~~ん!ドゴーーーン!!

花火が打ち上がり城が光で照らされる。

その光景は迷子なのを忘れてしまうくらい

綺麗なものでした。


「お嬢さん。又一人で居るのかい?探したよ!」

姫が振り替えるとそこには黒崎の姿が。

息を切らしながら立って居ました。


「えっ??何で場所分かったの??」


「初めて迷子になったときも、座って動けなくなるくらい適当に歩くし、一番目立つネズミー城に行くかなぁ?って思って。一番行きたかったって言ってたの思い出して!

絶対ココしかないかなぁって思ってね♪」

まさに、姫の事が良く分からないと見つけられなかったのです。姫は嬉しくなり、我慢していた肩の荷が下りて泣き出してしまう。


「ごめんなさい…ウグっごめんなさい。」

「何言ってるんだい?キミのせいじゃないだろ??あんまり泣いちゃうと、折角のテーマパークが台無しになっちゃうよ笑。」

姫は咄嗟とっさに抱きついていた。

黒崎が一生懸命走って来たのが分かるくらい

胸の鼓動が高まっていた。


「光には連絡したからもう来るよ!そうだ!途中で見つけた、美味しいそうなホットドッグ買ってきたから二人で食べよう♪行き付けの店のホットドッグと食べ比べだぁ笑。」

姫は泣き止み、椅子に二人で座りながら

ホットドッグを食べるのでした。そのホットドッグはやっぱり行き付けの店の美味しいホットドッグ程は美味しいくありませんでしたが、やっぱり誰と食べるかが一番重要なのです。黒崎と城の中で花火が鳴り、笑いながら食べるホットドッグは、今までで一番美味しく心に残る思い出の味になりました。

(やっぱり、わたくしの事を見つけ出せるのは白馬の王子だけ。やっぱり、黒崎くんが大好きですわ♪)

心の中で深く感じるのでした。

それを見守るSP軍団とセバスチャン。

少しの差で黒崎より遅かったのです。


「これ以上見るのは野暮と言うものでしょうか?離れて監視しましょう!」

セバスチャンがSP軍団を引き連れて下がって行く。流石はセバスチャンでした。

すれ違い様に光が通る。


「姫ぇ~~~!探したのよ?何処行ってたのよ!二人して美味しいそうなの食べて!!

ウチにも頂戴♪」

「ごめんなさい光!!はい!あ~ん?」

ホットドッグを光に一口あげる。


「やっぱり、ここのホットドッグは冷凍品ぽいわよね笑。でも美味しいね♪」

3人で花火を見ながら食べるホットドッグは、いつもより3割増しくらい美味しかったのです。光も二人きりになっていたのに

お構い無しに入ってきてしまい、恋のキューピッド失格ですね。3人はネズミーワンダーランドを楽しんだのでした…。


実はその頃、光は忘れてしまっていたハラケンはネズミーマウンテンに登っていた。


「待ってろよ!!白鳥さん今見つけるからなぁ!そして、光の評価を取り戻すんだ!」

光も連絡し忘れていたので、ハラケンと

合流したのはもう少し後でした。

健も必死に探していた。


「……はぁ…はぁ。姫。待ってろよ?キミを見つけられるのは俺様だけなんだからな?

見つけて惚れさせてやるんだ…。」

ボロボロになりながら鏡の迷宮ラビリンスを探す健。健が探していたのは誰も知らなかったので、姫が見つかったのはもっと先になりました。


楽しい楽しいネズミーワンダーランドを

楽しんだ5人なのでした…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る