第19話 お・も・て・な・し
二人はリムジンで光の家へ向かう。
家に着いて光は直ぐに家に入って行った。
靴を脱ぎ捨てて、走って母親の元へ!
「ただいま!お母さん。今日ね!姫のお家にお呼ばれしたの♪」
喜ぶ光。お母さんも喜ぶが気になる事が…
「良かったわね。光?お金持ちのお家にお呼ばれして、恥ずかしいことしちゃ駄目よ?
口の悪い言動とか、大声出すのも駄目。
分かったわね?」
お母さんは光を心配して注意してくれる。
姫は絶対に許してくれるが、恥ずかしい
事をしないか心配になっていたのです。
「大丈夫よ!マナーぐらいしっかりしてる
から安心してよ♪」
逆に心配になってしまう。お母さんは
つまらない物でも何か持たせようと
考えた!!
「何かおみあげを持っていきなさい!
えーっと…これよ!お父さんのヘソクリで
こっそり買った、高級チョコ。少しは口に合うかもしれないから。」
お母さんは、たまにお父さんのヘソクリから
おやつを買うのが隠れた楽しみでした。
大切に取って置いた高級チョコだけど、
光の為にも仕方なく持たせるのだった。
「別に良いのに!姫は気にしないから。
外で待ってるからもう行くよ?」
お母さんは焦る。
「外に居るの!?挨拶だけでもしなければ!!」
猛スピードで綺麗な服に着替えて、髪を整えて玄関へ向かう。お母さんも光そっくりでした。
玄関を開けると、見たことないくらい大きな
リムジンが止まっていた。お母さんは呆然としてしまう。すると、リムジンから姫と
セバスが降りてくる。
「光のお母様。お久しぶりです。今日は光を
「め…
日本語がもう滅茶苦茶でした。テンパり
まくりなお母さん。
「うふふ。全然気にしないで下さいね。
私たち友達なので、何にも気にしませんから♪」
そこへセバスが話しに割って入ってきた。
「この度はお嬢様の御友人を我がお城に
御招待致します。絶対に安全に運転をして
無事に光お嬢様を家にお返ししますので、どうか安心していてください!」
セバスなりに気にして対応してくれた。
「いえいえ!全然構わないのでどうかウチの娘を宜しくお願いします。」
汗だくになるお母さん。当然です。
テレビや雑誌、ネットとかでも「白鳥家」を
大金持ちだと載っているので緊張しても
仕方ありません。有名人に会ったような気持ちなのでしょうか?
「かしこまりました。少しだけ光お嬢様を
お借り致しますね!良ければこちらをどうぞ!我が家のパティシエが作りました洋菓子で御座います。お口に合いましたら御賞味下さい。」
洋菓子を光のお母さんに渡すとお母さんは
震え上がりながら受け取る。
「あわわわっ…ありがとうございます。
つまらない物ですが、この高…おチョコレートを受け取り下さいませ!!」
セバスは丁寧に受け取る。
「ありがとうございます。後で皆で美味しく
頂きます!それでは失礼致します。」
リムジンに乗るセバス。二人もリムジンに
乗るのだった。
「お母さん!!行ってくるね♪」
光は能天気に窓から手を振る。
「光!!はしたない真似しないの!
ちゃんとするのよ??」
お母さんは心配そうに見送る。
大きなリムジンで家から去って行った…
「本当に大丈夫かしらあの
心配だわ…。あんなにお金持ちだと思わ
なかったわ。」
ゆっくり家に入り、リビングに行きソファーに座る。そしてさっき貰った洋菓子を確認
してみる。それは見たことないような、
綺麗な
放っているケーキだった…光のお母さんは
コンビニの少し高いケーキでも
ばかりです。ケーキを一口食べると…
凄く美味しいかった。コンビニなんかとは
桁が違っていた。流石は三ツ星のパティシエ
の実力!!
「これは…とんでもない友達が出来たわね…。光大丈夫かしら。」
心配になる光のお母さんでした…。
リムジンに乗り少し走ると白鳥家が
見えてきた。家と言うにはあまりにも
大きく、気品に
言う方が
「すごーーい!!ネズミーランドのお城みたいよね。凄いわ♪」
表現力は
「全然!大した事ありませんわ。そろそろ
着くよ♪」
大きな門が開いて、門を抜けたらそこは
白鳥家である。大きな玄関前にリムジンが
止まる。玄関には、総勢300人は居そうなくらいの使用人達がお出迎えする為に待っていた。
「えっ??これ、どうなってるの!?」
(やり過ぎよ!セバス。アイツ一般常識もわからないのかしら。)
やり過ぎな行動に少し焦る姫。でも、おもてなししたい気持ちは本当にこれぐらいの
気持ちでした。
「全然気にせず。行きましょ♪」
リムジンを降りると皆からの挨拶が
行われる。
「お嬢様。お帰りなさいませ!!」
皆が一斉に声を揃えて出迎える。
「御友人の光様どうぞいらっしゃいました!!」
凄い光景。圧巻してしまう程に…
すると、大きな扉が開くとそこには姫の
両親二人の姿があったのだ。
友達が遊びに来てくれるのは初めてで、
嬉しくて嬉しくて仕方なくてずっと待って
いたのです。このおもてなしの派手さも
もしかしたら、この親バカ二人の仕業なの
かもしれなかった。
「おっほっほい!ようこそ光ちゃん。私がここの主の姫子の父親。
その姿はまるで、「王」と言う言葉が相応しいくらいだった。
「光ちゃん。ようこそ我が白鳥家へ!
今日は楽しんで行ってね♪私は母親の
本当に綺麗で優雅。お姫様の様だった…
おどおどしながらも挨拶しなければと
焦る光。
「あの…初めまして!ウチ…じゃなくて私は姫子さんの友達の光です。宜しくお願いします。」
慣れない敬語で応対する。
「おっほっほい!もう知っているよ。良く
暇なときに、セバスとママで監視してたから詳しいんだよね♪だから初対面ではないんだ!」
まさにストーカーである。恐怖を覚えるくらいな話だ。何故なら、今まで遊んだときやバイキングのときも全部離れた所から見られて居たのだから…
(えっ!?監視されてたの??なんか姫に
悪いことしてないかな?冗談でも叩いたりとかしてないかな?してたらヤバい…)
「姫のお父様は見ておられたのですか?」
「堅苦しいのは嫌いだよ!おじちゃんと呼んでおくれ♪ずっとね!光ちゃんは本当に良い子で早く会いたかったんだぁ☆」
その姿は無邪気な子供にも見える。
「私の事はおばちゃんって呼んでね!
敬語も無しよ?姫ちゃんの友達は私達の友達なんだから☆」
ある意味地獄であった。この二人にタメ口は
普通なら絶対にありえない…光は特別待遇になっていた。それは「姫の友達」だからである。光も頑張り口を開く。
「わかりました。おじさんとおばさんって呼ばせてもらいます!宜しくお願いします。」
精一杯の対応だった。
「やったぁぞい!!姫の友達と知り合いに
なれたぁ!!どうぞ!中へ☆」
「本当に嬉しいわ♪光ちゃん宜しくね!」
遂にお城の中へ…
中へ入るとそれはまさにお城。
ドラマや映画で見るような突き抜けた
広々とした玄関。階段も
「凄い…。姫。腰が抜けそう…。」
「またまた
案内されたのは本当に大きく広いリビング。
リビングと言うより大広間。ソファーや
何か動物のカーペットが敷かれている。
大きなテーブルや壺があったり、花や
シャンデリアもある。
何処に座ればわからないくらい全てにおいて
完璧である。
「どうぞ!光ちゃん。好きな所に座って♪」
カーペットに座る。まるで大きな動物の背中乗ったような気持ちだった。
「凄いね姫。このカーペットも椅子も
ソファーも…。」
「ちょっと知り合いが多くて、オーダーメイドで作ってくれただけですわ♪」
それが凄いのだった。やっと光は理解した。
姫の桁違いなお金持ちを…
「お前達!!光ちゃんに美味しいスイーツを御出ししろ!なにしているんだぁ!?」
まだまだ「白鳥家」のおもてなしは始まったばかりである。
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