第18話 姫子の運命

何と家の前で待っていたのは光だったのだ。

どうすればいいか…何故ここにいるのか?

色々考えるが、光が大きい声でリムジンに

呼び掛ける。


「おい!姫子!!出てこい。」

やっぱりバレているようだ。仕方ないので

リムジンがら降りる。


「…光。あの、これはね。…いつかは言わないといけなかったんだけど、…あの。」

「気にする訳ないじゃん!ウチと姫は

親友なんだから!!本当のこと言ってよ?

絶対受け止めるんだから☆」

姫子のずっと抱えていた重荷が下りた

気がした。姫子は我慢出来ずに泣き、

うなずくのだった。光が真実を知っても何も変わらないのが、本当に嬉しいかったのだ。光もやせ我慢しているが泣いてしまっていた。光も姫子の事を知れて嬉しいかった

のだ。


「本当泣き虫なんだから!姫は…。グスッ。」泣くのをこらえながら話すのは

凄いキツかった。


「…うん!。うん!!」

二人は手を握りしめ改めて友達なのだと

再確認するのだった。でも皆さん、一番泣いていたのは姫子?それとも光?

いえ、違います。セバスチャンでした。

リムジンの中で声を殺しながら、大号泣

するセバス。セバスも姫子を凄い心配して

いたのです。姫子と同じで全然眠れなかった

のです。


「お嬢様…お嬢様!!良かった…良かったぁぁぁぁ!!!」

セバスは姫子が大好きで自分の娘同然!

心配して当たり前なのです。


「にしても、姫の家大きいね??この車も

凄いねぇ!」

「全然ですわ。登下校専用車なので、派手過ぎない車にしてるの♪」

ん??まぁ、お金持ちだから金銭感覚が

やっぱり全然違うのが良く分かる光でした。


「まぁ、姫にはそんな感じよねぇ笑。」

肩の荷が下りた姫は元気になっていた。


「紹介しますわ!わたくしの執事、セバスチャンですわ。セバス!!降りて来なさい。」

リムジンから降りて来て自己紹介する

セバス。


「えっぐ。…わたくしがお嬢様の執事。セバスチャンで御座います。…グスッ。宜しくお願い…しますっ!!」

まだ大泣きしているセバス。


「執事さん初めまして!姫。執事さんはなんで泣いてるの?」

「いつもこんな感じなんです笑。」

自己紹介を終えて、二人はリムジンに乗る。


「すごぉい!!この車、お部屋みたいに

広いわね♪」

感激している光。少し嬉しくて自慢する

姫子。


「飲み物も椅子に備え付けされてますわ。

テレビもありますし、スイーツも朝に

パティシエが作ったのがここにありますわ♪」

本当に大富豪なんだと再確認する光。


「本当に…凄いわね!いっぱい食べちゃお♪」

二人は仲良くスイーツを食べたりお話

しながら学校へ向かうのだった。


「光…お願いがありますの。」

姫から光にどうしても約束してほしいことが

あったのです。


「わかってるわよ!お金持ちなの黙ってて欲しいってことでしょ??当たり前でしょ!

言わないわよ♪」

光には何でもお見通しでした。


「ありがとう!特別扱いされるのに嫌悪感があって…ごめんね。」

姫は今までのワガママぶりや、横柄な態度を

していた事を反省して一からやり直したかったのです。お金や権力に頼らずに…

本当の友達が欲しかったのです。

最終的な目標は黒崎くんとお付き合い

する事を夢見て。


学校に到着して人が居ないところで

降りる二人。


「姫は毎回こんなコソコソしてたのね。

なんか可笑しい笑。」

「笑わないでよ!!」

それにしても何故素性がバレたのか

気になり始める姫。


「光。そう言えばどうやって私の家とか

お金持ちってわかったの?」

「生徒手帳忘れて住所載ってたからそれでね。後、健が詳しい気がしたから問い詰めたの♪」

やっぱり健か。後でお仕置きしないと…

二人で教室に入りお喋りする。

どんだけ金持ちかとか、車の数や使用人の人数沢山聞かれた。みんなにバレないように

小声で答えるのだった。


「本当凄いねぇ。姫ん家は♪今日遊びに

行っても良いかなぁ??」

「勿の論ですわ!凄いおもてなし致しますわ♪」

姫は大はしゃぎしていた。何故なら初めての

友達なのだから☆

直ぐにセバスに電話をかける。


「セバス!光がね、今日遊びに来るの。だから、みんなにおもてなしの準備してもらっておいてね♪わたくしの初めての友達なんだから特大のね♪」

「了解致しました。わたくし達に任せて下さい!!」

電話が終わり、セバスは猛スピードで

家に向かうセバス。直ぐに車を止めて家に

入り門をけてみんなを集める。


「皆のもの集まりなさい!!コードレッド発令です。」

〈コードレッド〉

それはお嬢様のピンチ度を色で示している。

ブルーはやや大変な出来事。

イエローは大変な出来事。

レッドはものごっつ大変な出来事の意味なのだ。

その緊急速報のサイレンが鳴り響くと

城の使用人が、凄い速さで集合する。

ちなみに、前回のコードレッドは腹痛を

起こしたときでした。

今回は何事か!?

皆も不安になる。セバスが高いところに

上がり、皆に指令を伝える。


「先程、お嬢様に初めての御友人が出来ました!」

それを聞くと歓声が上がる!!

(うぉおーー!!お嬢様!!万歳!!)


「それで、なんと今日御友人がいらっしゃる。」

ざわつきが起こる。


「そしてお嬢様からおもてなしを頼むと

伝えられてきたのだ!!」

皆は焦り始める。


「お嬢様の最初の御友人を、最高のおもてなしをするのだ!!」

「了解しまし!!」

大勢の使用人の声が一つになり、行動を

開始する。大パーティーが行われそうな

予感がするのだった…


学校では休み時間に二人は放課後の

話をしていた。


「姫ー。そう言えばさっき執事さんに電話はしてたけど、あんまり派手におもてなししなくて良いわよ??恥ずかしいし。」

「大丈夫。セバスも常識の範囲で動くに決まってますわ♪」

姫は知らなかった…セバスは姫の事に

なると常識の範囲など通じないくらいに

焦る事を…。


「なら良いんだけどね!スイーツは楽しみ♪前食べたのも凄い美味しいかったもん!」

光も楽しみにしていた。

そこへ、健が近寄って来る。


「へい!ガールズ達。俺も行ってもいいかい??白鳥家に行くの久しぶりだなぁ!!

おじさんとおばさん元気かなぁ♪」

勝手に行く気になっている。すると、姫から

健のお父さんから伝言を預かっていて

それをつたえる。


「健のお父さんから連絡来て、絶対に家に居れないでくれって笑。」

相変わらずの父親からの仕打ちに、落胆する

健。


「…パパ。酷いよ。早く仲直り出来ないかなぁ…」

「アンタは独り立ちできない限りダメっぽいわよね笑を。」

健を笑う二人でした。遠くで見守るハラケンと黒崎。


「なんか楽しそうだなぁ…混ぜてもらう??」

「白鳥さんの家に初めて行くんだから、

光に楽しませてあげようよ!それにしても楽しそうにしてるなぁ…まるで遊園地にでも行くみたいに。」

黒崎は勘が鋭かった。

授業を真面目に受けて、あっという間に

放課後になり下校することに。


「やっと終わったわ♪姫のウチ楽しみ!授業長すぎよ!!」

光はウキウキ!すると、ハラケンが来て

話しかけてくる。


「黒崎はダメって言ってたけど、楽しそう

だから俺も行ってもいい??」

「ハラケン…消えて?」

光はハラケンなんて眼中になかったのです。

ハラケンは一言も話さずに帰って行きました…


「姫!!帰ろうか。」

「そうだね!門の裏でセバスが来てると

思うから、車で一緒に行きましょ。

一回光の家に寄ってもらうから準備して

良いよ?」


「ありがとう。家に寄って準備させて

もらうね!!」

二人はセバスの元へ向かうのだった。

門の裏に向かうと既にセバスがスタンバイ済み。


「お帰りなさいませ。お嬢様。おもてなしの準備完了しております。」

「ありがとう。その前に光のおうちに寄ってもらえる?鞄置いたり準備するから。」

「かしこまりました。」

リムジン乗り、二人は光の家に向かうの

だった…一体どうなる!?

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