第13話 マスタードマンの過ち
次の日になりみんな登校してくる。
すると、でかいベンツが校門前に止まった。
出てきたのはやっぱり健!
「みんなおはよう!今日も弾けようぜ♪」
また内容のない挨拶をしている。
イケメンでお金持ちじゃなければ
即いじめられてるだろう。
光と姫子が校門前で会うと
「昨日は光ちゃんごめんね。焦ってると
周りが見えなくなるんだよね!許してくれ
ないかい?」
光はもう何とも思っていないので
「話かけないでないでくれる?
マスタードマン。じゃあね!」
二人は教室へ!
「なんだあれ?謝ってんのに。よぉし。
もっと姫子を嫉妬させてやるよ!」
凄い勘違いをしてる。自分が誰かとイチャイチャしてれば、嫉妬して振り向くと勘違い
しているのだ。
授業が始まり、先生が黒板に授業内容を
書きまくる。ノート取るのが大変。
姫子は隣の健を見ると何も書いてない。
ポケットに手を入れてかっこつけている。
(あんた。なんでノート取ってないのよ?)
かっこつけながらゆっくり口を開く。
「ノートなら女子に後で書いてもらうから
大丈夫さ!そんな事より板前に作らせた
お寿司食べない?一口だけほら??」
美味しいそうだけどノートを取らなければ。
先生が近づいてくる。
「こら!!転校生。なにしてんだ?
ワシの授業が聞けないのか!?」
歴史の先生は怖い。健だけど少し心配に
なる。
「聞いてますよ!お寿司を食べながら。
先生も食べます?」
あまりにもふざけた態度に頭にきた歴史の
先生。歴史の先生は今は
熱血教師。なのでこの対応で頭にくる。
「てめぇ!!舐めやがって!!ウラァ!
ちょっとこいや!!」
襟を捕まれ指導室に連れてかれる。
「やめて!ちょっと…冗談じゃないですか?いやぁあーー!」
段々みんなもカッコいいと言うより
「ダサイ」が頭に浮かぶようになってきた。
噂話が聞こえる。
「なんか健くんて頭悪すぎじゃない?」
「ナルシスト過ぎて引くわ。」
「昨日のマスタードかかってるの見てから
ちょっとないかな。」
人気がた落ち。補正が無くなってきた。
帰って来ると、かっこつけてふざけた
制服を着ていたが全部直され、髪は坊主に
なり帰ってきた。
みんなは爆笑する。
「なにあれ??」
「坊主ダサすぎ!」
みんなにボロクソ言われる。
「あの教師終わったな。俺様をこんな姿に
するとはな…パパに言いつけたら終わりだよ。もう電話したから直ぐに来るさ!」
大きなベンツが学校に入ってくる。
みんなざわつき始める。
健のパパが歴史の先生の元に向かう。
「歴史の先生がウチの息子の髪を
バリカンで剃ったみたいだね?体罰
じゃないか?」
これはさすがの歴史の先生も終わりか??
健はパパの後ろで笑っている。
歴史の先生は顔を上げて口を開く。
「久しぶりじゃな。九条!」
ん??どんな展開!?
「あれ?おじさんじゃないですか?
ここで働いていたんですか?」
なんと健のパパのおじさんだったのだ。
なんと言う偶然。健は嫌な予感がする。
「お前の息子の教育どうなってんだ?
授業中に寿司食ってたぞ?しかも服装も
髪型もふざけてて。九条。甘やかし
過ぎだぞ!!」
このおじさんは親戚の中で一番怖いのだ。
パパも頭が上がらない。
「実は薄々感じておりました。今日より
息子を甘やかすのを辞めます。ウチの
財力や権限は一切使わせません。
申し訳ございません!」
えっ??えーーー!
「パパ!何言ってるんだよ!このおじさん
に言われたからってそこまでしなくても…」
くっつき始める健。
「じゃかしぃーー!離れなさい!」
ぶっ飛ばされる健。
「うわぁ!パパ…酷いよ…。」
「今日よりお前の指導をおじさんに
お任せします。おこづかいも無し。
今まで買った物も没収です。家にも入れません。お前が成長するまで1人で暮らせる
場所を用意する。覚悟しておけ!」
パパさんは別人になっていた。おじさんに
怒られたくないから息子にその矛先を
向けるのだった。
絶望する。健…。
「終わった…。全てが。お金もないし
メイドも執事もいない。終わりだ。」
絶望して
あのときなぜ授業をちゃんと受けなかったのか?
なせお寿司なんて食べてしまったのか?
後悔しかなかった。
クラスに戻ってくると静かになり
1人悲しく席に着くのだった。
お昼になりいつものように光と
姫は一緒に食べることに。健を見ると
何も食べずに空を眺めていた。
優しい光は声をかける。
「ちょっとマスタードマン大丈夫?
お昼食べないの?」
マスタードマンはゆっくり口を開く
「…お昼?じいやが本当は持ってくる筈
だったから、もう何もないからね…。」
ぐぅーーっ!お腹も鳴り響く。
少し涙目になっている。
「九条君大丈夫かい?良かったら僕の
作ったおにぎり食べる?貧乏で悪いけど…」
黒崎が話をかけてきた。見ててあまりにも
おにぎりなんて誰が食べるんだ??
何故なら九条家の長男。何でも思い通りだったのに…お腹が減って死にそうだから
仕方なくもらう。
「仕方ねぇからもらう。中身は?」
「明太子だよ。」
安いやつかな?文句ばかり考えてしまう。
「イクラとかにしろよ!まぁいいか。
いただきます。あむっ!……美味いっ。しくっ!、」
本当に美味しいかった。それと同じ男に
優しくされたことはあまりなかったから
凄い嬉しいかったのだ。涙が止まらない…
沢山食べてしまう。
「キミ。…ありがとう。名前は?」
「いいえ!黒崎 翼だよ。宜しくね!」
顔を見るとイケメンで、優しい。
得もないのになぜ助けてくれるかわからなかった。
「翼かぁ。髪型もイケてるし顔も格好いい
し、貧乏学校に居るのが勿体ないな笑。」
健なりの褒め言葉だった。
「そんなことないよ!貧乏なのは仕方ないよ。お金持ちとか貧乏は子供にはどうにも
できないからね…生まれたときに決まって
しまうから。本当不平等だよね!」
健は今理解した。貧乏はなりたくてなって
いるわけではないことを…
健は小さい声で呟く
「お前は俺より格好いいから安心しろ…。」
本当にそう思ってしまったからだ。
遠くから見てる二人。
光も少しは気にしていた。
「本当。情けないなぁ笑。」
「本当にね!」
光と姫は健を見つめながらご飯を食べた。
放課後、健の元にじいやが伝言を
言いに来ていた。
「坊っちゃん。お痛わしいお姿です。今日からここのアパートに住んで頂きます。」
住所とアパートの名前が書いてある。
「じいや。ありがとう。団地双子荘かぁ…」
重い足を運び家に着く。
とても綺麗とは言えない、団地は
初めてで凄い嫌だった。なにより1人なの
が嫌なのだ。
「はぁ…嫌だなぁ。じいや。助けてよ…」
寂しいくて死にそうになりながら部屋に
入る。あまりに狭い。ここはまるで
倉庫のよう。息苦しくて外に出る。
「1人でご飯とか無理だよ。食費は支給されるけど全然足りないよ…」
近くの安そうなスーパーに足をのばす。
色々な食材や野菜がある。値段も安い。
(クレジットカードさえあればなんでも
出来るんだけどなぁ…。)
と考えながら探索してゆく。
お弁当が沢山ある。これを毎日買うお金は
ないけど、何もできない。仕方ないから
このステーキ弁当を買うしか…
「今は
お金使いすぎてないかい?」
そこに現れたのは黒崎だった。
「翼!!どうしてここに!?」
「家から近いからね。良ければなにか
手伝うよ?嫌じゃなければね♪」
本当に黒崎は優しいかった。色々な
材料を買っても1000円ぐらい。いざ
家についてきてもらおう!
団地に着くと、黒崎が
「ここ…僕の家もここなんだ笑。」
なんて言う偶然。ここから二人の関係は
急接近してゆく!!
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