第10話 光の家にお泊まり

ホテルを出た4人。


「 姫~ありがとう♪ 本当あんた最高よ。

大好きぃ♪ 」


抱きつく光。


「 思ったこと言っただけだよ。」


「 白鳥さん凄いね。あんなに言い返すとは

思わなかったよ。」


黒崎はびっくりしていた。

ハラケンも同じだった。


「 本当にありがとう。キャンペーン画像と

かいつまでかとか、今度からはもっと確認

するよ……。」


ハラケンは落ち込んでいた。


「 本当にそれよ。でも姫が頑張ったから、

ご招待券と無料にしてもらえたし、本当

姫に感謝しなよ?? 」


ハラケンを叱る光。

でもそんなに怒っていなかった。

相手が悪い部分も多かったから。


「 結構遅くなっちゃったし帰ろうか? 」


色々あったから解散することに。

不満そうな光……。

今日の一件で姫のことがもっと大好きに

なり、まだまだ話したりしたかった。

そのとき閃いた。


「 姫。一度家に帰ってウチに泊まりおいで

よ♪ 沢山お話とか色々しましょ。」


なんと、光からのお泊まりのお誘いが。

姫は友達の家にお泊まりしたことはあり

ませんでした。

テレビドラマの中では何度か見たことがあった。


「良いの?? 迷惑じゃなければ行きたいで

すわ。」


姫も大喜び。 初めての体験がいっぱい。

姫も優しい光が大好き♪

早く帰って準備することに。

ハラケンと黒崎がお互いを見合う。


「 俺たちも泊まりあう? 」


ハラケンが言うと


「 気持ち悪いから帰るわ。」


黒崎は拒絶した。

男同士はやっぱりお泊まりは、あまり

しないのであった。

みんなは解散して、セバスのリムジンで

家に帰る。


「 セバス。バイキングって美味しい物が

沢山あって楽しいのよ。 後ね、お腹いっ

ぱいになりすぎないようにしないと大変な

のよ。」


毎日セバスは、お嬢様の学校の話を聞かされている。


「そうなんですか。バイキングは楽しいです

よね♪ 」


セバスは、楽しいそうに話す姫を見るのが

大好きでした。

前までは愚痴とか、悪口。

理不尽な命令、色々あったのだ。

それが今では、何処にでも居る女子高生なのだから。

セバスは姫と同じく毎日が、楽しくなっていた。

でもセバスは姫の安全の為にいつも、近くから監視しているので全て知っていました。


家に到着し、直ぐにカバンを下ろして両親達の元へ。


「 お父様。お母様。只今帰りました。

今日はバイキングに行って凄い沢山食べま

したわ♪」


興奮して1日のお話をする。


「 そうか、そうか。楽しいかったら

また行けると良いのぉ。」


父も遠くから監視していたので、全て

知っていました。


遅くなりましたがお父様の自己紹介を。


白鳥龍平しらとりりゅうべい

自分の父から受け継いできた会社があり

基本お金には困らない。誰にも優しく

メイドや執事にも好かれている。

娘の事になると、直ぐに怒ってしまうのが悪いとこだ。


白鳥百合しらとり ゆり

龍平が百合に一目惚れして猛アタックにより

両思いになり、直ぐに結婚。積極的な一途な龍平が大好き。

家が元々金持ちで、パーティーで出会い

恋に堕ちたのだ。

いつも優しく、笑顔がまるで天使。

直ぐにパニックになり倒れてしまう。

メイド達も毎日大変……。


「 姫ちゃん。毎日楽しそうで良いわね。

今度友達紹介してね? 」


お母様は姫の友達に興味津々だった。

むしろ、お母様も友達になりたかったのだ。


「 今度会わせますわ。それより友達の光の

家で、お泊まり会をするの。

行ってきて良いですか?」


二人はニッコリスマイル。


「 行ってきなさい。親御さんには私の

方から連絡しようか? 」


ダメダメダメ! 電話したら直ぐにお金持ち

なのがバレてしまいそう……。


「 大丈夫ですわ。わたくしの方から宜しく

言っておきますわ♪」


落ち込む父。

本当に姫が、可愛くて仕方ないのだ。

部屋に走って戻り、準備を始めた。

そのとき裏では、もう1つの準備も始まって

いたのは姫は知らない……


SPを50人集められていた。

要人警護専門の傭兵軍団。

動く壁である。


「 お主らに集まってもらったのは、他でも

ない。

私の姫がお泊まりすることになった。」


ざわつきが起こる。


「 今日の夜から明日の朝まで、何が起こる

かわからん。怪しい者は全て排除しろ。

手段を選ぶな。」


みんなうなずいている。

そして了解の掛け声を一斉にする。


「 YES BOSS!」


これが了解のときのお決まり。

NOは言わせないのが、白鳥龍平である……

お気に入りの絵本。

パジャマ、オヤツに枕。

他に何を持って行くか悩む。


「 ん~っ。メイドに聞こう。メイリィー!

来て頂戴♪」


遠くから声がする。


「 かしこまりました。」


凄い速さで駆け付ける。


「 メイド名=メイリィ。」


22歳。メイドの中で一番若い。

なので 姫と話が合うので、基本的なことは

メイリィがお世話している。


「 お嬢様どうなさいました? 」


「 わたくしにはお泊まり経験がないので

す。なにか良い持ち物はありませんの?」


困り果ててメイリィにすがりつく。


「 そうですね。基本的にはこの持ち物で

良いのです。何故なら女の子同士は

女子トークする為にお泊まりするもので

す。

だから、荷物なんかはお菓子とか飲み物ぐ

らいで良いのです。」


目を輝かせ聞き入る姫。

メィリィは、姫にとってはお姉さん的な存在でした。


「 それはそれは。パティシエに伝えて。

簡単なオヤツを適当に用意してと。」


楽しみで張り切ってしまう。

喜ばしたくて、お土産も準備。


「 了解しました。」


直ぐに行動する。

内線通話を使い、パティシエに連絡する。


「 こちらメイドのメイリィ。どうぞ。」


内線通話は基本最後の語尾に、どうぞをつけて同時に話さないようにしている。


「 こちらパティシエダンカン。どうぞ。」


パティシエのダンカン。

ここのお城専属のパティシエ。

彼の腕も世界レベル。


「 お嬢様がお出かけの為、お菓子を適当に

用意して欲しいと指示が入りました。どう

ぞ。」


この時間に?

どんな難題も受付するのが専属パティシエの義務。


「 自信作のレアチーズケーキとクッキー、

シュークリームを直ぐに準備致します。

どうぞ。」


さすがはパティシエ。

食べたくなるときはいつかは分からない。

だから下準備はかかさないのだ。


準備が整い、玄関前に行く。

沢山のメイドと執事、パティシエ達。

セバスも待っていた。


「 みんなありがとう。行って来ますわ。」


すると、駆け寄るダンカン。


「 お嬢様。オヤツを派手過ぎない程度に

適当に準備し、バスケットに入れてありま

す。二人で食べますように。

私の自信作です。」


「 うむ。ありがとう。

感想は後程のちほど聞かせるので楽し

みにしておいてね♪ 」


大きなバスケットを持ちリムジンへ。


「 了解しました。楽しんで来て下さい。」


「 行ってらっしゃいませ!! 」


みんなで送り出すのだった。

玄関を出ると夫婦揃って待っていた。

鉄板のお見送りだ。


「 楽しんで来なさい。ご両親に宜しく

の。」


「 姫ちゃん。迷惑かけちゃダメよ? 」


心配性な二人。


「 大丈夫大丈夫。行って来ますわ♪ 」


リムジンに乗り、城を出ていった。

手をふり見送ると、直ぐに通信機でSPに

連絡する。


「 作戦名=光邸外泊警備開始じゃ!! 」


SPは一斉に動きだす。

リムジンの後ろに沢山の黒い車がついていった。

姫は無事に普通なお泊まり会はできるのか?


光邸に到着。

普通な一軒家。2階建て。

セバスを帰らせ、チャイムを鳴らす。

ピンポーーン!

直ぐに光が玄関に来る。


「 遅いよ。早く入って♪ 」


「 お邪魔しまぁす。」


光の家に入って行った。


「 ○対。玄関から家に入りました。」


○対とは、守る対象を意味するSP用語で

ある。外でこっそりSP達が監視している。

本当に大丈夫なのか?


キレイな家。一階は両親達の部屋と居間。

2階は光と兄の部屋。

居間に行って両親に挨拶。


「初めまして。白鳥姫子しらとりひめこです。今日はお泊まりさせて頂きありがとうございます。宜しくお願い致しますわ。」


びっくりする両親二人。


「 いえいえ。姫子さんはお嬢様かなにかで

すか?」


あまりの風格にちょっと怪しむ。


「 全然何処と変わらない一般人ですわ。」


「 ちょっと、パパ。ママ!

姫をあまりからかわないの。

じゃあ2階に行くね。」


すると姫子は龍平から渡された差し入れを両親に渡す。


「 つまらない物ですがどうぞ! 」


「 全然気にしないで。ゆっくりしていって

ね!」


二人は2階に。


「 パパ? あの子お嬢様みたいよね? 」


「 そうだなぁ。なんか違うよな。」


お土産を開けると上等なワインと

高級チーズが入っていた。

メッセージカードも一緒に。

メッセージには


(娘を宜しくお願い致します。白鳥 龍平。)


「 ママ…お金持ちさんだね笑。」


「 そうみたいね笑。」


二人はお金持ちなのを隠したいのが分かり

知らないフリをしてあげる事にしたのです。

お泊まり会はどうなるのでしょうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る