人物紹介

 ※ #97 までに出て来たキャラクターの人物紹介です。#97までのネタバレを含みます。

 ※年齢は因果編終了時点のもの


【ICTO 東京第一中隊】

 管区は東京東部。6班に分かれている。


神崎かんざき真悟しんご

 19歳。東京都三鷹市生まれ・江戸川区育ち。異能犯罪者に襲われたところを崎森さきもり(後述)に助けられてピリオドを表出し、ICTO入りした。東京本部第一中隊所属。

 一人につき1つというピリオドの原則から外れ、「優れた第6感」と「白い刀」を武器に戦う。襲撃された際の名残で、左目の下に横に伸びる傷が残っている。

 日本史上最も多くの人間を手に掛けたとされる志賀しが新助しんすけの前世記憶を持つが、遡臓検査では前世無しと診断されている。幼少期に失踪した実父は神崎の前世について何か知っているようだが、父はいまなお生死すら不明。

 級付けで国見くにみ小平おだいらを下すも河野こうのにはまるで歯が立たず、前世を鑑み現状は等級なしで6班を臨機応変に立ち回っている。幼少から剣道を学んでおり、腕が立つ。近接格闘を得意とする反面で射撃は苦手。ただし、動く的への命中率はそれなりに高い。

 真面目で礼儀正しいが表情が顔に出やすく、逆に表情が分かりづらいタイプを苦手としている。人の善性を信じたいと思うあまりに盲目的になりがちだと評価されている。

 豆苗は買ったあと一度は再生栽培するタイプ。一人暮らしだが「行ってきます」「ただいま」「いただきます」「ごちそうさま」は律儀に言う。


志賀しが新助しんすけ

 神崎の前世と目される人物。記録上は2020年生まれとされているが学校に通った形跡はない。浄前教という新興カルト宗教の教祖であり、強い戒律で教徒を縛る裏で違法薬物の製造を行っていた。

 脱会や裏切りを目論んだ者を刀で斬首しており、その数は125人に及ぶ。日本有史史上最も多くの人間を殺した殺人犯として名高いが、逮捕前に姿をくらませており行方不明となっていた。


犬束いぬつかあきら

 東京本部第一中隊長。どこにでもいるおばさんに見え、新入隊員からはしばしば職員と勘違いされる。おかっぱの髪にフチなしの丸眼鏡をかけている。隊員は下の名で呼び、常に気にかけていて神崎の悩み相談に乗ったこともある。朝ドラは毎回録画して見ている。


【崎森班】

 

崎森さきもりカナメ

 第1中隊副隊長と崎森班班長を兼務する特級隊員。29歳。異能犯罪者に殺されかけた神崎を救出した。針を自在に具現化するピリオドの持ち主で、松川まつかわからはその武器から連想する一寸法師を略し「法師ほうし」と呼ばれている。精鋭揃いの本部・祓川隊に5年ほど在籍し、河野がピリオドを表出した瞬間にも立ち会っている。

 前世を思いだしたことで精神的に不安定となった同僚を多く見てきており、部下の精神状態を注視している。しかしそれを表面に出すことはなく、愛想も良くはない。神崎は崎森にやや苦手意識を抱いている。

 犬には必ずと言っていいほど懐かれるが、猫には必ずと言っていいほどうなられる。


中村なかむら一閃いっせん

 崎森班所属の1級隊員。26歳。やや色黒で営業マンのような爽やかさがありノリが軽い。誰とでも気兼ねなく接するが人への興味は薄い。前世は医師で、今世でも医師免許を取得している。法医学の知識も豊富で検視や司法解剖にも対応可能。

 手で触れた相手の感情に紐づいた人間の顔に変化する変異型ピリオドを有する。河野班の国見とは同期。ICTO加入までに問題を引き起こしており、本部の井沢いさわに目をつけられている。

 仕事への熱意は前世に置いてきた。仕事をサボろうとしては崎森に見つかってペナルティを課されている。心理戦や騙し合いに重きを置くゲーム全般が得意。


木島きじま飛鳥あすか

 崎森班所属の1級隊員。肩までの髪の毛先はゆるくパーマがかっていてエキゾチックな顔立ちをしている。崎森の10歳上だが見目は同い年くらいに見える。竹を割ったような性格で、誰にでも気軽に接する。酔うと絡み酒だともっぱらの噂。


玉池たまいけ一輝かずき

 崎森班所属の2級隊員。荒天や夜間といった悪条件でも明瞭な視界を有する感覚型ピリオドの持ち主。グラインの操作能力に秀で、神崎の指導役も引き受けた。14歳ながら大人びた性格をしているが都合が悪いと子どものフリをする。

 歴史好きで、愛読書は司馬遼太郎作品。大河ドラマは毎週見ている。好きな時代は平安末期。


岡崎おかざき辰哉たつや

 崎森班所属の3級隊員。射撃手を務める。40代後半。「~ですぞ」という語尾を頻繁に用い、松川はからは「ムック」と呼ばれている。


新山にいやまみさき

 崎森班所属の3級隊員。神崎の2歳年下。


絹川きぬがわ灯子とうこ

 崎森班管制担当。神崎と同い年。前世を有するがピリオドは出ていない。松川に助けられ、勧誘されてICTO入りした。あだ名は「トコ」。

 ヘアセットが好きではなく、中学生以降は維持とケアが一番楽に思えるショートボブの髪型を維持している。


【須賀班】


須賀すが丈児じょうじ

 須賀班班長の特級隊員。視界に映る範囲内での瞬間移動ができる変異型ピリオド保有者。元消防士。第一中隊の総合指導官として新人育成を担う。

 明朗な性格で声が大きく、デスクを散らかしがち。松川からは同名の俳優になぞらえ「ハリスン」と呼ばれる。30代半ば。

 膂力りょりょくが強く、アボカドを切るときは3回に1回の割合で種ごと真っ二つに切ってしまう。


三澤みさわじゅん

 須賀班所属の1級隊員。近接格闘に秀で、中倉とともに神崎に近接格闘を指導した。黒いライダースジャケットをよく着ており、ショートカットも相まってマニッシュな印象がある女性。須賀と年齢が近い。勤務中、たまに門脇かどわきの犬を散歩させている。


中倉なかぐら正親まさちか

 須賀班所属の1級隊員。三澤と同じく神崎に近接格闘を教えた。50代だが加齢による衰えを感じさせない俊敏な動きを見せる。一定範囲内にいる人間の視界を反転させる変異型ピリオドを持つ。ストレス解消法はたき火を見ながら酒を飲むこと。


駒場こまば和沙かずさ

 須賀班所属の2級隊員。25歳。射撃手を担う。


門脇かどわきみやこ

 須賀班所属の3級隊員。神崎と同い年の19歳。腰までのロングヘアをその日のメイクに合わせてアレンジしていて、日によって髪型が違う。さまざまな種類の犬を具現化する能力を持つ。隊員を犬種にたとえるのが好き。神崎はゴールデンレトリーバーっぽいと思っている。


小平おだいら将平しょうへい

 須賀班所属の3級隊員。神崎・門脇・絹川の1歳上。色白で垂れ目と人のよさそうな顔をしている。自らの気配を消す変異型ピリオド保有者。級付けで神崎と戦った際は動きの止まった国見をかばって神崎に撃たれ失格となり、昇級見送りとなっている。人に道を聞かれた回数の最多は1日4回。すべて違う人から聞かれた。


永田ながたはやて

 須賀班管制担当。駒場・国見と同い年の25歳。短めのアッシュグレーの髪に左耳に2連ピアスと若者らしい見た目をしている。中村とともに仕事をサボろうとしては崎森にペナルティを課されがち。サボり癖があるものの仕事ぶりは優秀。好きな言葉は定時退勤。


【松川班】


松川まつかわあかり

 松川班班長と第一中隊副隊長補佐官を兼務する特級隊員。毛先がブルーブラックの髪をポニーテールにした長身の美人。人に独自のあだ名をつけて呼ぶ癖がある。触れた人体をコンクリート化させる変異型ピリオドの持ち主。自ら助け勧誘したこともあり絹川に特に目をかけている。中村と同い年の26歳。出身である長野県でピリオドを表出し、当時同県にいた祓川隊の井沢に保護されている。彼への憎まれ口は容赦ないが模擬練では勝ったためしがない。炭酸飲料を好み、訓練中の水分補給でも少し凍らせた炭酸水を愛飲している。


結城ゆうき久尚ひさなお

 松川班所属の1級隊員。50代中半ば。スキンヘッドで強面だが落語家のような話し方をする。自分や対象者の位置を入れ替える変異型ピリオドの持ち主。級付けで神崎が河野相手に暴走しかけたときには冷静に止めに入った。1級隊員の中でもキャリアが長く、指揮側に回ることが多い。花札と麻雀においては第一中隊最強。


遠山とおやま真生まさき

 松川班所属の2級隊員。距離を測る感覚型ピリオドの持ち主であり、ミリタリーマニアも相まって射撃手を務める。40代前半。神崎の射撃教官でもある。がっちりした体型で眼鏡をかけている。各国の軍事情報にも詳しく、世界史の教員免許を持っている。


佐久間さくま千佳ちか

 松川班所属の2級隊員。30代前半。市松人形が好きで、髪型をショートボブにして見目を寄せている。隊員を愛称で呼ぶ。関西出身で訛りがあり、穏やかな話し方に神崎は安心感を覚えている。市松人形を怖いものとする世間の風潮に納得がいっていない。


嶋田しまだ健人けんと

 松川班所属の3級隊員。他人の注目を自身に集めるという稀少な特殊型ピリオド保有者。前世はラジオパーソナリティをしており、賑やかな性格で人懐こく話が上手い。言動やテンションから年若く見られがちだが井沢と同じ36歳。得意なモノマネは吹き替え版海外ドラマの警察官と説教するときの井沢。1日に一度は誰かから「うるさい」と言われる。


西牧にしまき侑里ゆうり

 松川班所属の3級隊員。20代前半。


田中たなかれん

 松川班所属の3級隊員。20代前半。


中谷なかたにあや

 松川班管制担当。明るめの茶髪とやや派手めのメイクの姉御肌。20代前半。他人にメイクを施すのが好き。


【矢代班】


矢代やしろあかね

 矢代班班長の特級隊員。35歳。配属以来ずっと第一中隊に属している。須賀や三澤、嶋田と年齢が近い。ワンレンボブのダークブラウンの髪にすらりとした体型で、きりりとした印象があるが内面は世話焼きで面倒見が良い。二児の母。面倒見の良さから松川は彼女を「おかあさん」と呼んでいる。たいがいの料理はめんつゆとツナ缶があればどうにかなると思っている。


東條とうじょう大介だいすけ

 矢代班所属の1級隊員。矢代と年齢が近い。やや小柄で中肉中背、ボリュームのある黒髪を8:2にセットしている。今世は大阪出身だが、前世は第1管区に住んでいた。紙に書いたものを具現化するピリオドを有し、神崎にピリオドを用いた戦い方を指南した。たこ焼きは焦がすがお好み焼きはプロ級の腕前。


島名しまなひろし

 矢代班所属の2級隊員。還暦手前。


谷田部やたべ亮子りょうこ

 矢代班所属の2級隊員。40代後半。


春日かすが美晴みはる

 矢代班所属の2級隊員。17歳。


柳橋やなぎばし桃香ももか

 矢代班所属の3級隊員。27歳。


吉沼よしぬま太朗たろう

 矢代班所属の3級隊員。狙撃手を務める。松川班・佐久間と同い年の32歳。車好きで運転や車の点検作業を買って出る。


高崎たかさき優弥ゆうや

 矢代班管制担当。ナチュラルショートの黒髪に穏やかな物腰で、永田いわく「カフェの店員っぽい」。30歳。作家はヘミングウェイが好き。


【笹岡班】


笹岡ささおか深徳みのり

 笹岡班長の特級隊員。43歳。長身痩躯で猫背気味。メタルフレームの丸眼鏡に白衣といういでたちで、記憶研職員にしばしば間違われる。実地では眼鏡をゴーグルに替えている。語尾をのばす特徴的な話し方をし、松川からは「先生」と呼ばれている。20歳を過ぎてから入隊している。前職で旅行業に就いていた影響で日本全国の観光地に詳しい。


福山ふくやま香織かおり

 笹岡班所属の1級隊員。佐久間・吉沼と同じ32歳。


岡副おかぞえ亜季あき

 笹岡班所属の2級隊員。37歳。


手塚てづか幸太郎こうたろう

 笹岡班所属の2級隊員。中谷と同い年。


伊東いとう翔太しょうた

 笹岡班所属の2級隊員。27歳。実地で神崎をフォローしアドバイスをするなど面倒見が良い。中村から適当さを抜いて世話焼きを入れた感じだと神崎は思っている。性格はやや短気で運転中は気性が荒くなるたち。それを抑えるため嶋田のアドバイスでお嬢様言葉を使うようにしているが周囲には不評。飴を3分以上舐めていられない(すぐに噛んでしまう)。


三角みすみ文乃あやの

 笹岡班所属の3級隊員。第一中隊実働最年長の64歳。


本田ほんだ光里みつり

 笹岡班所属の3級隊員。狙撃手。玉池の1歳下で第一中隊実働最年少。須賀班の三澤を尊敬しており、彼女と同じショートカットにしている。前世は廃人と呼ばれるほどにFPS系ゲームに打ち込んでおり、それが今世での射撃の腕に直結している。狙撃の腕前は河野班・清水しみずに次いで中隊NO.2。年若いが戦闘には慣れており、河野相手に暴走した神崎に人質とされてもいっさい動揺を見せなかった胆力の持ち主。注射で針が刺さる瞬間は目を背けるが、液が注入されたり血液が抜かれたりするところはガン見する派。


吉岡よしおか玲那れいな

 笹岡班管制担当。崎森と同い年の29歳。第1中隊の管制担当6名の中で最古参であり、入隊したばかりの絹川の面倒をよく見ていた。調理では計量器具の類を一切使わず味見もしない主義だが、失敗する確率は低い。


【河野班】


河野こうの聡史さとし

 河野班班長の特級隊員。22歳。元祓川隊隊員。ピリオドを表出した際は崎森に保護され、指導を受けた経緯もあり崎森を「先輩」と呼んでいる。前世の記憶を取り戻すまでは明朗な性格だったが、記憶を思い出すにつれ表情が乏しくなった。

 サバイバルナイフとアイスピックを具現し、切りつけるたびに相手の体温を上昇/下降させる能力を有する。猪瀬いのせの一件を経て能力が深化し、刺した状態でいると発火/凍結させるまでになった。

 前世は女性で誘拐され暴行を加えられたのちに惨殺されており、自身が男に生まれ変わった事実に複雑な感情を抱いている。自らを追って自殺した前世の母親といつか再会することを願いICTO入りした。実家は世田谷区で内科医院を営んでいる。桃が好物。

 数独とマインスイーパを解くのがべらぼうに早く、永田から「早すぎてキモい」と引かれたことがある。


宮沢みやざわくるみ

 河野班所属の1級隊員。時期班長候補ともくされており、河野の代理で指揮を執ることも多い。崎森・吉岡と同い年。


土佐とさまこと

 河野班所属の1級隊員。38歳。無精ひげがワイルドな風貌を醸している。木島や嶋田と年齢が近い。その名字から連想して松川には「龍馬」と呼ばれているが、本人の出身は島根県である。


山口やまぐち穂波ほなみ

 河野班所属の2級隊員。20代後半。


村上むらかみ涼太りょうた

 河野班所属の3級隊員。20代後半。


国見くにみ航大こうだい

 河野班所属の3級隊員。25歳。元は2級だったが、怪我とそれに伴うPTSDにより降格した。中村の同期。目元にクマが目立ち、やや色白で細身。

 被虐待児の過去を持ち、記憶を明瞭に思いだすにつれ、かつての父親同様に威圧感の強い男性へ恐怖心が芽生えるようになりイップスに悩む。級付けで神崎が見せた志賀の片鱗にそれを感じ身体がすくみ、小平に庇われる。その後奮起し、自らの過去を払拭し肯定するために全力を尽くした結果、敗北したものの能力が深化した。

 ゲームコントローラを具現し、他者あるいは自らの足を自在に操る。実地の経験が長く、先輩として神崎によくアドバイスを送る。上官である河野に全幅の信頼を寄せており、彼には常に正しくあってほしいと願ってもいる。

 5人兄弟の長男で、年の離れた弟妹のために毎年サンタクロース役を演じている。


清水しみずあずさ

 河野班所属の3級隊員。射撃手。60代ながら射撃の腕は第一中隊随一。腕前を買われて本部の応援に回ることもある。前世で従軍経験がある。自在に銃を出す具現型ピリオドの保有者で、具現中は視力も向上する。グラインには苦手意識があり、ほぼ自動操縦にしている。孫とのシューティングゲーム対戦で無敗。孫の友達からも一目置かれている。


内堀うちぼりつよし

 河野班管制担当。第3中隊から異動してまだ日が浅い。元実働隊だったが管制担当に転向している。転向前は狙撃手を務めていた。元実働ならではの視座で隊員を観察し、分析する。柔らかな物言いで、神崎はどこか父親に似ていると親近感を抱いている。

 永田や中村のサボりがバレてペナルティを課される場に居合わせることが多く、よく助けを求められる。40代後半。



【ICTO東京本部】


兵藤ひょうどうあらた

 ICTO日本総裁。30代後半。短い黒髪はワックスで整えられ、清潔感がある。普段は制服ではなくスーツを着用。穏やかだが好奇心旺盛な性格。神崎に興味を引かれ、その処遇はわりと寛大。ピリオドを有するが実働向きのものではない。


祓川はらいかわあさひ

 ICTO東京本部長 兼 祓川隊隊長。戦闘能力は実働隊員のトップ。黒髪を一つ縛りにしており、和風の組紐を髪飾りにしている。29歳。


井沢いさわ黎明 れいめい

 長野県出身の36歳。ICTO東京本部副本部長 兼 祓川隊副隊長 兼 本部長護衛官。

 ピリオドを表出した松川を保護した張本人。祓川を尊敬しており、護衛官から副隊長に昇格する際も護衛官の座を譲らなかった。性格は傲岸不遜で嫌味っぽく、1言うと100で返ってくるタイプ。

 前世は長野県警の刑事であり、志賀の犯した浄前教信者大量殺人事件を担当していた。第1中隊班長陣に模擬練で無敗であり、松川に対しては600戦以上して一度も負けたことがない。話が長く厭味ったらしいので大半の隊員から敬遠されている。神崎のことを青二才のポンコツ呼ばわりしており、神崎も井沢を苦手としている。中村は彼をその間隙を許さない話し方から彼を「句読点無し」と呼んでいる。歯医者では割と早めに左手を上げるタイプ。


藤村ふじむらはる

 東京本部医療専門官。負傷した隊員の治療や異能犯罪者の遡臓摘出、時には司法解剖まで手掛ける。中村と同い年の26歳。仕事の腕は確かだが、中村同様に積極的に仕事をする気概は持ち合わせていない。部下であり助手の塩原しおばらからは「顔と腕と字だけはいい」と評されている。たびたび仕事をサボっては塩原に連れ戻されている。普段は誰にでもそつなく接するが、寝起きは死ぬほど愛想が悪い。


塩原しおばら代助だいすけ

 東京本部医療専門官補佐(医療専門科長)。藤村の助手兼お目付け役。「違和感を視覚化する」という感覚型ピリオドの持ち主。河野の同期で、年齢は河野の1つ下。大学生ふうの見目をしている。奢る本人の目の前で「人の金で食べる飯は美味い」と平気で言えるタイプ。


大垣おおがき大海ひろうみ

 東京本部管制担当。元は実働隊員だったがピリオドの適性から管制担当に異動した。パーマのかかった明るい茶髪にヘッドホンがトレードマーク。実働隊員としてかなり腕が立ち、特に射撃が得意。岐阜出身で訛りが抜けない。年齢は矢代班・高崎と同じ30歳。ロックが好きそうと言われるが一番好きなのはクラシック。


樋高ひだか穂高ほだか

 東京本部管制担当。大垣の後輩。顔認証の感覚型ピリオドを有する。神崎ら第一中隊員とはモニター越しの対面だったが、ずっとアライグマのぬいぐるみを映していたため神崎は彼の素顔を知らない。21歳。年の近い塩原と仲が良く、よく藤村のサボりをリークしている。



【国立記憶科学研究所】


大村おおむら禄郎ろくろう

 国立記憶科学研究所探査室長。33歳。白衣を羽織り、いつもどこかしらに寝癖がついている。黒ぶち眼鏡を通して相手の感情を読む具現型ピリオドを有する。「知ってる?」と他人に問いかける癖があり、「知らない」と返ってくると嬉々として長話をする。

 井沢と同期。崎森とは何かと一緒になることが多く下の名前で呼んでいる。

 多くの人々の前世映像を見ているため命を狙われやすい傾向にある。外出時は必ず隊員の護衛がつく。前世はクレイウイルス感染症により死去している。カップ麺は表示の時間より2分ほど時間を置いてから食べる派。


村越むらこし椿つばき

 探査室長補佐。ストレートヘアの黒髪は長く、きれいに手入れされている。「石油王と結婚したい」「不労所得を得たい」と安寧な人生への願望をよく口にする。高所得層に入るが季節ごとの宝くじは毎回買っている。


楢橋ならはし康二こうじ

 国立記憶科学研究所所長。大村の上司にあたり、日本の記憶科学研究の権威。今やどこの学校にも置いてある「遡臓そぞうのすべて~未解明の新臓器のなぞ~」の著者。


宗像むなかた悦志えつし

 国立記憶科学研究所解析室長。第二中隊の管区に位置する第2支所の長。長髪を束ねずにいるせいで女性に間違われることも多々ある。神崎の級付けを見て兵藤同様に興味を抱く。



【警察組織】


沖野おきの伊織いおり

 19歳。湾岸警察署第1機動捜査隊所属の巡査部長。神崎と同じ地区の高校に通っており、剣道部で何度か試合でも対戦した。前世は同級生を惨殺された経験から警察官の道に進み、今世でも同じ道を選んだ。神崎がICTO入りするきっかけとなった熊岡くまおかの凶行を止められなかったことを悔やんでおり、神崎にも負い目を感じている。たい焼きはあんこ派、クリームは邪道だと思っている。


三吉みよし和孝かずたか

 湾岸警察署第1機動捜査隊所属の警部補。沖野の先輩。崎森や中村とも既知の仲で、彼らの仕事ぶりを評価している。威圧感がある見た目で一般市民から怖がられることがあり、優し気な雰囲気を醸す沖野と組んでいる。沖野の仕事ぶりもまた認めており、信頼している。



【その他】


神崎かんざき琴美ことみ

 神崎真悟の母。弁護士事務所勤務。企業法務を中心に扱う。夫が蒸発して以降は神崎を女手一つで育て上げた。ICTOへ入るか迷う神崎へは自分の意思で決めるよう告げ、その選択を支援している。アメコミ映画が好きで、自宅のAIを「ジャーヴィス」と呼んでいる。前世は寝坊が遠因となり事故に巻き込まれて命を落としている。今世では目覚まし時計なしで起きられるという感覚型ピリオドを有する。


皆川みながわ惣次そうじ

 神崎琴美の元夫で神崎真悟の実父。真悟が幼少のころに姿を消し、公的には死亡扱いとなっている。姿を晦ませるまでは高校の教師をしていた。行方不明になるまでの経緯に謎が多く、神崎の前世についても何か知っていると思われる。




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