手のひらにこんこんと、音楽の泉が

私はiPhoneユーザーだ。

この外出自粛期間中、やっぱり前と比べてスマホを触っている時間が増えた。巣ごもりに向けて本を買い込んだり、ちょっといい感じのお菓子を買ってみたり、色々やってみたけど暇な時間はやってきてしまう。

あとは何を充実させようか、と思った時に、iPhoneユーザーのくせしてApple Musicを全く利用していないことに気がついた。

ここ何年かですっかり定着したサブスクリプションというやつで、月額課金することで音楽が聞き放題、アーティストによってはPVなんかも見れちゃうのだ。

「そんなん知ってるわい、何をいまさら」という人がほとんどだと思うのだけど、いやほんとに想像していた以上にアーティストやジャンル、プレイリストが年代関係なく無限に湧き出てくるのだ。


特に私が感動したのは、あるアーティストを選択すると、その下に関連性のある、もしくはジャンル的に比較的近いアーティストが出てくることだ。自分が好きなアーティストを選ぶと、お初にお目にかかるアーティストが目に入る。で、その人たちをタップしてひとまずトップソングにあがってる曲を聞いて「あ、これ好きだわぁ」ってなる。他のも聞いてみてさらに「あ、もうこれは好きな人たちだ」って開拓する。そんな「あ、これ好きだわぁ」が数珠つなぎになっていってあの人も、この人も、とスマホのメモが増えていく。

新しくお気に入りになったその人たちの曲を聞きながらアーティスト名をツイッターで調べて、「ほほう、普段はこんな人たちなんだな、でこういう人が彼らの音楽を聞いているんだな」とどこかで同じく巣ごもりしている人たちになんとなく思いを馳せたりする。


個人的に嬉しかったのは、気になったアーティストをツイッターでフォローした時、「○○さんがフォローしています」と、元々追っかけている人がその人をフォローしていたのが分かった時だ。「やっぱりそうだよね?この人すごくいいよね?あの人とこんな素敵な音楽共有できてるなんて最高!いやっほー!」と1人で勝手にガッツポーズ決めてひと暴れしてしまった。


今は家からあんまり出られないし、前のように好きな場所に行くのだって難しい。だけど、好きなもの、楽しいものをこうして自分から探しに行けるのはすごく素敵なことだ。手のひらの上では、こんこんと音楽の泉が湧き出ているんだから。


今は夜の11時すぎ。RCサクセションのスローバラードを聞きながらこれを書いています。一瞬で連れ去られるピアノ、サックス、ストリングスの音の重なり、忌野清志郎の焦がれるようなボーカル。今日はいい夢が見られそうです。




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