第384話 どけ! 俺様こそ最恐のラスボスに相応しい!!!
洞窟の中は一本道で迷う事はない。
ここは生産職のような城攻略や工場攻略が少数だと難しいプレイヤー達のために、報酬ランクが低い代わり倒しやすい中ボスが存在する場所。全速力で飛んでいく蓮見はそんなボス部屋の扉を全身砲弾の頭突きで突き破り入っていく。
「シュルル、ブルルル!!!」
だけど神災戦隊にとっては目の前のボスよりヤバイボスが後ろから来ているのでそんなちっぽけなボスを相手にしている暇はない。ボス戦開始と同時に三体で襲い掛かり巨大なイノシシを抑え付け、Killヒットと言う名の捕食を始めた。幾ら巨大と言っても所詮はイノシシ。ドラゴンと比べれば背丈はその半分程度しかないので走る前に巨大な牙を両サイドから二体の化物(ドラゴン)、そして全体重を乗せた化物(ドラゴン)が背中に飛び乗って来れば抵抗はかなり厳しい。ましてや動きが止まったタイミングでテクニカルヒットポイントに大きな口を開け鋭い牙を強引に刺していくブルーとイエロー蓮見に怯んだ一瞬で脳天に鋭い牙を突き立てKillしてきたレッドに五秒とは言え耐えたのだ。誇れる……と思う。
あまりの瞬殺に空中にはまだ『READY FIGHT』という文字が残っている。
そこへボス部屋攻略組の十人もやってくる。
違う、ボスよりボスにしか見えない神災戦隊を倒しに美紀達がやってきた。
これで洞窟にいる全員が入ったとシステムが認識し、ボス部屋の扉が自動的に閉まる。
だが、もうボスはいない。
いるはいるが、もう神災戦隊の口と胃袋の中に半分以上入っている。
食事をしている化物の光景に後から入ってきた者たちは言葉を失い目を点にしている。それはこの中でゲーム歴が一番長い朱音も例外ではない。
しばらく訪れた静寂を持ってして、
『READY FIGHT』 という文字が空中から消えていく。
そしてなぜか蓮見のHPとMPゲージが洞窟の上部に拡大されて映し出される。
それもレッド、ブルー、イエロー蓮見それぞれの分。
いわゆるバグである。
運営の予想斜め上の結果にシステムがまだボスは生きていると勘違いしてしまったのだ。
なので、この部屋のボスは巨大なイノシシ改め最恐化物三体に変更となった。
まさに混沌(カオス)の名を与えられた洞窟に相応しい展開である。
人間を止めた化物三体もしくはトッププレイヤーと呼ばれる十人。
どちらかが全員倒れない限り、もうこの部屋からは誰も出る事はできない。
当然逃げる事も――。
運が良い事に十三の生命体が大暴れしても巨大イノシシが飛んで跳ねて走るができるぐらいには広いボスステージ。横も縦もかなり広い。思う存分戦うことができるだろう。そして、戦いが不向き人用のボス戦部屋。つまりは新しいボスを含めた全員のHPとMPゲージ全回復のおまけ付きとなってしまった。
同時刻――運営室では、、、
「ついにバグりやがったーーーー!!!」
と責任者が叫び、
「これは一体どういうことだ!?」
と社長も本社で叫んだらしい。
そして観客席では、、、
「お前がボスになるんかい!!!」
と多くの者が一席に叫び、観客席にいる全員の視線を釘付けにした。
さらに、エリカ絶叫。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
まぁ、そうなるだろう。
だって、うん……、バグったから……ゲームが……。
そして、なんか、皆、やる気、だから……。
こうして不夜城に眠る将軍は不夜城と工場を爆発した正にリアルに影響を及ぼす神災イベントとして最後の盛り上げを見せる事になった。まさか誰も思わなっただろう、悪夢のイベントが本当に悪夢のイベントになるとは……。
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