アフターストーリー2 -やきもち-
<小春視点>
年の瀬。
あと少しで今年も終わる。
お義母さんは近所に住んでいるお友達と温泉旅行に出かけているので家には私と開成君の2人だけだ。
そして、そんな私達はコタツに入ってノートパソコンを広げ表示されたリストと睨めっこをしていた。
「悩むよなぁ~」
「だね。あんまり派手にやらないにしてもお世話になった先輩とかは声掛けたいし」
結婚式・披露宴の招待客。
式自体は4月に市内の式場で予約をしてるんだけど準備諸々はもう始めてる。
というより私も開成君も働いているし今から少しずつやらないと間に合わないんだよね。
「小春はバスケ部の先輩方に声掛けるんだろ?」
「うん。でも人数多いしどうしようかなって。楓先輩や綾子先輩、美玖先輩、それに瑞樹や幸は最近も会ってるし声掛けるつもりだけど、旦那さんまで声掛けると人数が・・・」
「そうだよなぁ~ バスケ部ってみんな仲良かったもんな」
「開成君は有坂君と鶴間君は呼ぶんだよね?」
「そうだな。あいつらは相方さん含め呼ぶつもりだよ」
有坂君と山下さん、それに鶴間君と春姫ちゃんは私も繋がりがあるし当然呼ばなきゃね。
「後は・・・大学時代の人と・・・高校時代は開成君って文芸部だよね。仲良かった人とか結構いるの?」
そういえば聞いたことなかったのよね。
お義母さんから開成君って有坂君や鶴間君以外の友達があんまりいないって聞いてたし聞いたら悪いのかなって・・・星野君は仲良かったみたいけど。
「う~ん。文芸部って部員数は多かったけど部活に出てきてる人少なかったからな。仲が良かったと言えば星野と1つ上の早瀬先輩くらいかな」
「早瀬先輩?」
「あぁ。僕が2年の時には部長もやってた人だけど入部当時から色々と世話妬いてくれてな。部活以外でも一緒に昼食べたりもしてたなぁ~」
「そうなんだ~」
いい先輩だったんだね。
「あ、でも結構濃い人でな。BL系の同人誌とかも書いてたぞ。
後はコスプレとかもやってて結構その界隈では人気もあったみたいだよ」
ん?同人誌?コスプレ?って・・・
「もしかして・・・その先輩って女性?」
「え?あぁ早瀬由香さん。女性だよ」
「・・・・・そう なんだ」
幾ら面倒見がいい先輩だからって、部活以外でお昼食べに行ったりしないよね。
「結構、可愛い感じの人だったんだけど、僕や星野の顔見ると"彼氏欲しい~なぁ"とか良く言ってきてな面白い人だったよ。
星野と吉岡さんが付き合い始めてからなんて"このリア充めが!”とかよくからかってたし」
「へ へぇ~」
いや・・・開成君それって・・・
「でさぁ、先輩が卒業する時も部室に集まって送別会とか開いたんだけど、ずっと僕に"彼氏欲しいなぁ~"とか言っててな」
「そ そうなの?」
「あぁ その時は"先輩って美人だからすぐにいい人現れますって"って慰めてあげたんだけど何だか悲しそうな顔してたな。そんなに彼氏欲しかったのかな?」
「そ そっか・・・」
早瀬先輩には申し訳ないけど開成君が鈍感で助かったのかも。
多分、早瀬先輩って開成君の事が・・・・
「卒業してからは連絡とってないけど、今なにしてるのかな先輩」
「最近やり取りが無いなら招待は星野君だけでいいんじゃないかな?
あ、もちろん奥さんの南ちゃんもね」
「ま そうだな。声掛けだしたらきりが無いし」
早瀬先輩のその後は知らないけど・・・流石に招待するのは不安だよ。
何年も前の話だけど、もしかしたら私って独占欲強いのかな?
「あ、カウントダウンが始まった。もうそろそろ日付が変わるぞ」
「ほんとだ。結構時間経ってたんだね。
あ、結果見てなかったけど歌合戦どっちが勝ったんだろ?」
「う~ん。僕も見てなかったなぁ~」
テレビは付けてたけど話に夢中でほとんど見てなかった。
毎年見てたんだけど・・・
でも、こういう開成君と2人での年末っていうのもいいな。
「小春。初詣行くだろ?」
「今年も川野神社?」
「だな。毎年行ってるしな。その後は小春の実家にご挨拶だな。
あ、外寒いみたいだから厚着してかなきゃな」
「うん。そうだね。さっきから風も強いし外寒そうだよ」
そして、コタツを出て立ち上がったところでテレビの中で行われていたカウントダウンが終わり新しい年を迎えた。
「小春。あけましておめでとう。今年もよろしく」
「こちらこそ!今年も、そしてこれからもよろしくね開成君♡」
・・・今は私の開成君だもんね♪
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年内の更新は以上となります。
本編終了と言いつつまだもう少し続きます。
更新は不定期となりますが今後ともよろしくお願いします。
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