アフターストーリー1 -1つ屋根の下で-

「開成君 朝ごはん出来たよ~」

「ありがとう。今行くよ」


リバーランドでのプロポーズの後、僕たちはあらためてお互いの両親に結婚することを報告した。

お互いの家族にも知られた仲だったし良く顔を出していたこともあり皆に祝福され結婚に向けての話はトントン拍子に進んだ。


そして年末も近くなった先週末に小春が僕と母さんが住むこの家に引っ越してきた。まぁ家具の類は年明けということで着替えや身の回りの品を持ってきただけだからまだ泊りに来ているような感じではあるんだけどね。

でも、小春が"年末はお義母さんも一緒に過ごしたい"って言ってくれて・・・


正直僕としては実家の近所に部屋を借りて2人で住むつもりだったんだけど、小春が母さんに"一緒に住みませんか?"と話しをしてくれたたらしい。

今住んでいる家は余ってる部屋もあるし母さんと仲良くしてくれるのは嬉しい。


リビングのソファに座った僕はそれとなく小春に聞いてみた。


「でもさ、良かったのか?母さんと同居で。僕としては嬉しいけど、姑と一緒って大変じゃないのか?」


良く週刊誌とかワイドショーで嫁姑問題とかやってるけど・・・

僕にとって小春が第一ではあるけど母さんも大事だから。


「うん。お義母さんとは話も合うし凄く優しくしてくれてるよ。今朝も一緒に朝食作ったし。心配しなくても大丈夫だよ♪」

「そっか。それならいいんだけど何かあったらすぐに言ってくれよ」

「ありがと♪」


・・・小春の家に挨拶に行ったときお父さんから言われたしな

"君なら大丈夫だと思うが、小春を泣かせるようなことだけはしないでくれ。娘を・・・小春をよろしく頼む"

って。

普段、明るく失礼ながら少し軽い感じの印象だっただけに身が引き締まるような思いがした。

小春を幸せに・・・もちろんそのつもりだけど頑張らないとな。


「ほら開成、小春ちゃん。食事が冷めちゃうわよ」

「あ、はい!いただきます!」


キッチンから戻った母さんが僕と小春に声を掛けてきた。


「あ、この煮物美味しいです!後でレシピ教えて下さい。

 本当お義母さんの料理美味しいから凄く勉強になります」


何だか小春も母さんと自然に話しできてるよな。

それに・・・母さんも何だか楽しそうにしてくれてるし一緒に住むことになってよかったのかも。


「小春ちゃんたら褒めるの上手なんだから♪夕飯も一緒に作りましょうね。

 開成!こんないい子そう居ないんだから大切にするんだよ」

「わ わかってるよ」


っていうか仲良すぎだろ2人とも。。。





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朝食を食べた後、僕と小春は部屋に戻り今後のスケジュールを決めていた。


結婚式と披露宴、それに新婚旅行。

それに年明け早々には小春の荷物も届く。

こっちに住むのにマンション借りたままってのはもったいないしね。

やることは沢山あるんだよな。

年末は普通に休み取れたけど仕事は相変わらず忙しいし上手くスケジュールを組まないと終わらないなコレ。


「とりあえず私が使っていた洗濯機は処分でいいよね」

「そうだね。この家にもあるし。あ、でも弟さんも今度1人暮らし始めるんだよね?」

「うん。だからプレゼントしようかなって。どうせ春樹の事だから貯金とかそんなにしてないだろうしね♪」


小春の弟の春樹君も4月には高校を卒業する。

そして、専門学校への進学とあわせて市内で1人暮らしを始めるらしい。

まぁ春樹君はしっかりしてそうだし大丈夫だろうけど大室家も春奈ちゃんだけになるしお義父さん達も寂しくなるだろうな。


「冷蔵庫や食器は使えるよね?」

「そうだな。僕たちが住む2階にも小さなキッチンが作るしそこで使おう」


今いる僕の部屋は2階にあるわけだけど、使ってない部屋を含め一部リフォームして僕と小春の新居にする。

そして、母さんの勧めもあり水回りを一部増築し僕達用のキッチンも作られる。"生活のリズムも違うし自分に気兼ねなくキッチンを使えるように"とは言ってたけど母さんなりに2人きりの時間を過ごしやすい様にと気を使ってくれたんだろうな。リフォーム代も良いって言ったのに結構出してくれたし。


ちなみにリフォームは小春が相良不動産に相談して特別割引で対応してくれることが決まった。

持つべきものは可愛い後輩とのこと。ありがとう相良さん。


「ベッドは・・・その・・・新しいの買うよね?」

「場所を取るだろうし買うのはリフォーム終わってからになると思うけど・・・買いたいよな」

「うん。・・・寝るのは開成君と一緒が良いから・・・やっぱりダ ダブルベッドがいいかな?」

「そ そうだね。ははは」


そっか。そうだよな。これからは毎晩小春と一緒に寝るんだよな。

結婚するんだから当たり前なんだろうけど慣れるまでは大変だな。


「あ~開成君 何だかイヤらしい顔してるよぉ~」

「え!?そ ソンナコトナイヨ」


からかう様に小春が笑いかけてきた。

にしても鋭いな小春。。。。


「照れちゃって♪ あ、今度2人で使う家具とか雑貨も買いに行こうね♪」

「そうだな。一緒に買いに行こう♪ 何だか楽しみだ」


本当、こういうのを2人で考えるのは楽しいな。

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