第33話 仕事終わりの大阪で
「それじゃ!お疲れ様~!!」
「「お疲れ様~!!」」
「いや~本当大室君と渋沢君が来てくれて助かったよ。何とか締め切りに間に合わせることが出来たからね」
「いえ。並木さんや鳴海君が仕事を上手く取り仕切ってくれてたからですよ。私達は雑用していただけですし」
「いやいや!それでも十分だよ。本当助かった!!」
大阪出張3日目。
予定していた仕事も無事に終わり、何とか期日までに原稿を印刷会社に送ることが出来た。つまり僕と小春の大阪出張での仕事もこれで終わりなわけだ。
そして今は送別会も兼ねての慰労会ということで支局近くの居酒屋に来ている。初日は歓迎会も兼ねた親睦会も開いてもらったし気を使わなくていいですよとは言ったんだけどね。というより中1日で飲み会ってのも中々ハードだ。
「それで、2人は明日の新幹線で帰るのか?今更聞くのも何だけど今日は泊りだよな?」
「はい。今日はもう1泊して明日少し大阪観光してから帰るつもりです」
「おお!そうか。折角なんだから大阪の町を楽しんでってくれ。若い恋人同士それに丁度土日だし何ならもう1泊してもいいだろうしな♪」
「はは そうですね。楽しんで帰ります」
実はU○Jの近くに既にホテルを予約したりしてるんだけど、これ言うとまたネタにされちゃうからここは内密に・・・などと思ってると。
「あれ~ 開成君明日の宿泊先予約してくれたんじゃなかったっけ~♡
私U○J楽しみにしてるんだけどなぁ~」
え~と・・・小春さんや・・・言っちゃうの・・・それ
「ほほぉ~ 遊園地デートかね。いいねぇ若いって」
いつの間にかいい感じに酔っ払った小春が余計な一言を・・・
でも本当に嬉しそうな笑顔で話してるよな。
・・・まぁ小春が楽しみにしててくれるならいっか。
その後しばらくU○Jや大阪観光の話を皆でしていたんだけど、小春は疲れもあったのかいつのまにか壁に寄りかかり寝てしまった。
立場的には僕より上だし難易度の高い仕事もしていた。納期に関しての責任も余計に感じてたんだろうな。
本当お疲れ様。
と小春を見つめているとご機嫌な局長に話しかけられた。
「渋沢く~ん 2人の馴れ初めとかをだね?」
「え、や、そのこの間小春が話してたかと・・・」
「まぁそれはそれということで渋沢君視点の話も聞きたいんだよねぇ」
並木さんならともかく田崎局長もこの手の話好きなのか?
「渋沢さん。諦めた方がいいですよ。局長って趣味で恋愛小説とか書いてるからこの手の話し大好物なんですよ。多分渋沢さんの話を肴に呑むつもりです」
「並木さん・・・そ そうなんだ」
「そういうことです。僕も局長の小説のネタになりましたから・・・ここは諦めて新作のネタになってあげてください!」
「マジっすか・・・鳴海君」
何?僕と小春の馴れ初めが小説のネタにされちゃうの?
・・・でもそれはそれでちょっと見てみたい気もするな。
という感じで上機嫌な局長に何故か取材を受けるような形で絡まれつつ3日目の夜も過ぎていった。
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「おっはよ!開成君」
「ん?小春?もう朝?ってここホテルの部屋?」
「うん。昨日はちゃんと自分の部屋で寝たよ。
あ、昨日は色々とありがとうね。疲れてたのかすぐ寝ちゃって」
「仕方ないよ。ほんと小春はよく頑張ってたもんな」
そっか。確か小春を起こして肩を貸しながらホテルまで帰ってきたんだよな。
その後は・・・シャワー浴びてベッドに寝ころんだところまでは覚えてるけど・・・僕も疲れてたんだな。
「ねぇお腹空いたし朝食行こうよ」
「そうだな。まだ食べてないメニューもあるし全品制覇しないとな」
「開成君もいつの間にか食いしん坊さんだね」
「小春のがうつったかな♪」
「酷いなぁ~ 早くレストランに行こ!」
やっぱり食いしん坊じゃん♪
着替えをして僕らが1Fのレストランに着くと既にレストランは賑わいを見せていた。このホテルは駅にも近いし早めに朝食をとって仕事や観光で1日使う人も多いんだろうな。
僕達も他の宿泊客に習い入り口で朝食券を渡し窓際の席に座った。
「今日は後の予定も時間に融通利くしゆっくり食べようね」
「だな。昨日も一昨日も出社時間ギリギリで慌てて食べたもんな」
「うん。今日こそは全品食べないと!」
「ただ食べ過ぎは注意な」
「は~い」
ビッフェって元を取ろうとか考えだして盛り付けるとつい食べ過ぎちゃうんだよな。この後観光もするわけだしほどほどに食べないと。
・・・・・
「もうダメ。食べれない」
「僕もだ。美味しいからってちょっと食べ過ぎた」
「う~ でもデザートの抹茶アイスも食べたい気が・・・」
"ほどほどに食べないとな"とか言ってたはずなのについ色々と目移りして食べ過ぎてしまった・・・まぁ美味しかったけどこの後って遊園地だよな。
あ、小春がアイス取りに行った。まだ食べるのか!?
その後、チェックアウトギリギリの時間までそれぞれの部屋で休んだ僕たちは、荷物を持って今夜宿泊するホテルまで電車で移動した。
都心部からU○Jの最寄り駅までは電車で30分も掛からない。
「U○Jって小春も行ったこと無いんだよね?」
「うん。まだ行ったこと無いのよね。大阪は何度も来てるんだけど中々行く機会無くて。開成君もだよね」
「僕も初めてだよ。だから結構楽しみなんだ」
「私もだよ。それに・・・今日は開成君も一緒だしね♪」
ちなみに今日の宿泊先はU○Jと直結の提携ホテルということで閉園までたっぷりと遊ぶ予定だ。
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