片想い

私には高校一年生に好きになった男の子がいた。

好きになったきっかけを正確に覚えてるわけではない。

ただ周りの男の子と違って社交的では無いけれど、男友達が沢山いて信頼も厚く笑顔がすごく可愛かったのが印象深くて。話しかけてみると素っ気ない。ただ、聞いた事には答えてくれるし遅刻も欠席もせずに真面目な性格なのかなって。最初はただそれだけ。

同じクラスだと顔を合わせる回数も増え、グループで仲良くなって知ってることが増えていくうちに気づいたら好きになって気持ちが大きくなった。

それから告白するまでに時間はかからなかったと思う。


それから3年間一途に思い続けて何回も思いを伝えてその度に玉砕したのはいい思い出話だと思う。

振られても嫌いにはなれなくて、むしろ日に日に好きが大きく重くなっていた。


その頃には身の回りの全ての出来事をあなたに結びつけるようになった。


身長は184センチ、小顔。鼻が小さくて綺麗で滑らかな曲線。あまり笑わないけど笑うと綺麗な歯並びに少し歯茎が見えて幼く見える。制服は着崩さずにボタンも一つだけ外している。連絡は短文でしか返ってこないし、既読無視は当たり前。サッカー部部長で勉強も出来て欠席もせず皆勤賞取っちゃうくらい真面目。挨拶したら表情崩さずに少しお辞儀してすぐ通り過ぎて行くし、勉強教えてってお願いしたら少し嫌な顔するけど最終的にはわかりやすく教えてくれて意外と面倒見が良いところ。

あなたの好きなところなんてもっとあるよ。


それを聞いて呆れながら相槌を打つ仕草をするあなたを見て、また私は恋に堕ちるの。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る