投稿その26
「匂わせ彼氏の設定が甘ーい!」
これは「文字が小さすぎて読めなーい!」よりも切実な問題だ。
ちょっとここは彼氏の設定が固まるまで別の角度からアプローチしてみよう!
漫画とかでも作者が今後の展開に困った時は新キャラを投入してくるもんね!(決めつけはよくない)
しかも!真純くんに他の男子の存在を匂わせることで
「早くアプローチしなきゃ!」って思わせることができるかも!
これは意外と、絶妙な一手じゃないですかね。
よーし!手始めに軽くジャブ程度の匂わせをしてみよっか。
今回使うのは前に一人でコメダ珈琲に行った時に撮ったシロノワールの写真。
授業中にどうしても食べたくなっちゃったんだよね。耐えきれなくて放課後に寄り道しちゃった。
んで、この写真にコメントを添えて、インスタに“匂わせ投稿”!
「今日はコメダでシロノワール!先輩はソッコー完食(驚き顔)#さすが男子」
【匂わせポイントその26】先輩は男子!男子とコメダデートでモテ匂わせ!
少し前の写真だし、あの時はお金が無くて一人分しか頼めなかったけど、コメントでいろいろ匂わせているからOKだよね。
これを読んだら真純くんも
「香織さんは彼氏さん以外の男子からもモテるノワール!
ボクも急いで告白するノワール!」って
慌ててアプローチするノワールしてくるかもしれない!(しつこい)
さっそく翌朝、教室で真純くんにインスタを見たか聞いてみた。
「ねえ、インスタ見てくれた?」
「見た見た。コメダ行ったんだね。シロノワール食べたの?」
「食べた食べた!大変だったけど完食したよ!」
「すごいね!ボクも昨日行ったけど、ミニしか完食できなかったよ」
「……えっ!?」
「そういえば香織さんも昨日行ったんだよね?何時頃行ったの」
「えっと……夕方ぐらい……的な?」
「あれ?ボクも夕方だったんだけど……寛太!!」
えっ!?なんで急に寛太くん?
ほら!呼ぶから来ちゃったじゃない!(そりゃ呼んだら来るでしょ)
「なーに、真純」
「昨日の夕方さ、コメダに香織さん来てたんだって」
「えっそうなの?オレ、店内の女子をチェックしてたけど気付かなかったなぁ」
「な、なんでそんなことしてるの?」
もしかして寛太くんってナンパな人?そんな人が真純くんの友達だなんて……
「いや、今さ、姉ちゃんからファッションの相談を受けててさ、若い子に人気の服を教えて欲しいって言われたんだよ」
「あ、そうなんだ……お姉さんと仲いいんだね」
「それがさ、姉ちゃんは、その……いわゆる自宅警備と言うか……友達がいない系なんで、オレが面倒見てあげないとなんだよね……」
し、しまった!変なところでシリアス展開に踏み込んでしまった!
……って、待てよ。これはこのまま話題を逸らすチャンスかも!
だって私には、アリバイがないのですから!!
「……私でよければ相談にのるよ」
「えっ?ホントに!?それは心強いよ。学校一の人気インスタグラマーが相談に乗ってくれたら姉ちゃんも喜ぶよ!」
「寛太、良かったな!」
「ああ、真純のおかげだよ!香織さん!よろしくね!」
「…………よろしく」(消えそうな声で)
話題逸らせ度100%!……真純くん、先輩には興味なし!
【反省点】アリバイ工作は匂わせの基本!手を抜いちゃダメ!
そういえば前に「寛太くんにはお姉さんがいる(投稿その17)」って予想したけど、本当にいたとは……
しかも私が相談にのる展開になるとは……人生とはわからんもんですね。
それにしても真純くんって、寛太くんとコメダ珈琲に行くんだぁ。いいなぁ。
仲良し美少年が2人でスイーツ食べてる場面なんて見ちゃったら、
尊死してたかも!
これぞまさに「尊シロノワール」だね!!(いいかげんにしろ)
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