その願いは(SF、デストピア、少年)
らんさんの本日のお題は「植物」、ハチャメチャな作品を創作しましょう。補助要素は「大人」です。
・あんまりハチャメチャ感はないかもです。世界がハチャメチャになってるだけという……。
*
「大人になんかなりたくない……」
ぽつりと呟いた僕の言葉は、無機質なシェルターの中に小さく響いた。
『大人』はズルイ。
『大人』はキタナイ。
『大人』はウソツキ。
最低だ。どうして、大人になると人間はダメになってしまうのか?
本当に、目も当てられない。
子供の僕が考えたって、こんな結末はあっさり想像できる。
土の上に毒を撒く。
植物が枯れる。
植物が育たない。
食べるものが無くなる。
人間が死ぬ。
……。
…………。
ふつー、誰でもわかることじゃないか?
なのに、どうしてやってしまったのか……。
人間は成長すると馬鹿になる生き物だったのか??
もう『大人』というものが存在しない今となってはわからない。
大人どころか、もう僕たち10人の子供しか人間は存在しない。
ここは地下1000メートルの居住施設シェルター。
空気は合成。水は循環水。光は電灯。
全部、模造品。偽物。紛い物。
でも、それが俺たちにとっては本物。
地上にある本物なんて夢物語だ。
知ったこっちゃない。
一生お目にかかることもないだろう。
僕が大人になったら、なにか取り返せるのだろうか?
無理に決まっている。
力のない愚かしい生き物になるなら、このままでいい。
―――― 絶対、大人になんかなりたくない。
そして、その願いは叶え……。
* E N D *
______________________
希望も残したかったので、最後まで言い切りませんでした。
叶えられたか、叶えられなかったかはご想像にお任せします。
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