トラック41

 「テメエ等、何してやがる!」


 ゆらさんの怒声が会場の外に響く。


 会場横に設置された大きな駐車場には、スピーカーが積まれ、パイロンで囲まれた、ステージと呼ぶにはお粗末すぎる、ちょっとした舞台が出来上がっていた。


 『ここで、ライブします』


 くっぴーがそう書いたボードを示す。


 「ええええ!」


 他の誰よりもオレが奇声を上げていた。


 「ななななな、何言ってんだよ! ここ、外だぜ!?」


 くっぴーとゆらさんの睨み合いがしばらく続くと、


 「ガッハッハッハ!」


 ゆらさんの景気のいい笑い声が響いた。


 「おい、百合、このバカどう思う?」


 「……わたしは、こういうの、スキ……」


 「クク、ウチも好きだな」


 そう言うと、ゆらさんはオレの背中を勢い良く叩き、


 「好きにしろ」


 と、中指を立てた。

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