第42話 悪夢
何か意味不明な声をあげながらジュリエットは目を覚ました。視線の先にあるのは自宅の見慣れた天井と照明器具。
「夢…」
右手で自分の顔に触れる。感覚がある。
ベット脇の時計に目をやると朝の四時過ぎであった。顔を触れる右手指に額の汗がべとついてくる。
「…怯えている」
深夜番組の影響でいままで心に蓄積されていたものが夢の形で現れたのだ。しかしこういう夢は今回が初めてではない。
「夢…」
憲兵隊長と高等弁務官の存在が迫真のように感じられたのだ。おそらくこれからも同じような夢を見ることになるだろう。
超能力者が大手を振って歩ける時代が来るその日まで、ジュリエットは孤独のなかで逃げ続け、そして怯えなければなけならない。だが本当に希望の日は来るのだろうか。
『ミスティアルに帰りたい』
ジュリエットの願いはただその一つにつきた。
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