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「いったい何なんだよ!」
そして頭の中では、
この
説明すると言いながら食べられたということは、
そして、それに対し素直に従ってしまった自分も悪い、だが騙すことないじゃないかと文句を言う。
情けないやら腹が立つやら、とにかく複雑な気持ちで居ればあたりに先ほどの
「説明をしないとは言っておらん。それに状況が状況だからとはいえ、何も知らぬ貴様が何事もわかっている友を責めるのはちと了見違いじゃな。言うておくが我の喰い物は人ではない」
「食べておきながら違うっていうのか?」
「違うのだから仕方なかろう。まず貴様は己がどのような者なのかを知らねばならぬ。己の体をよく見よ、それこそが貴様の不調の原因であり、貴様が持っておる力でもある」
白い壁は一瞬吸い込んだ玉の色に染まって、鮮やかな水玉模様が出来上がるがすぐに元通りとなり、再び
煌めくネオンの町中に居る様に鮮やかなあたりの景色に見とれ、時間が経つほどに
「あれ? 体が」
「貴様の不調の原因であり、
「まさか、この光の粒を喰っているのか?」
「さよう、我が喰らうのは貴様が集めているこのような連中だ」
「集めているって、こんなのを集めた覚えはないぞ」
「貴様の意思があろうとなかろうとそれが貴様の力なのだから仕方なかろう。貴様の力は
「貴様、体ばかりが立派で頭は伴っておらぬのか」
「う、うるさいな。わからないから仕方ないだろ」
「もう少し考えてもよかろうに。まぁいい、それは己以外の他者に認識されるか否かだ。己一人がどんなに自らの存在を主張しようとも同調してくれるものが居なくては、それがそこに存在しているとは言い難い。ただ名前を呼ばれるだけでもそれがそこに存在していると証明してくれいている。存在を他者に認めてもらう事、それは人間よりも神仏の方がずっと難しい事だ。目に見えて『そこ』にあるわけではないからな。あるのは人間が創りだした像であったり建物であったりするだけだ。形あるものは失われることもある。そうなれば、目に見える存在を失う。神仏にとって認めてもらうことこそが存在理由だ。ゆえに、信仰が無くなり人々に忘れ去られた自らの存在を無くしかけた者は、自らの存在を形としてあらわそうとする。その一つが貴様のような
「心霊特集みたいなテレビ番組で見た事があるけど、霊を呼び出すとか乗り移らせるとか、胡散臭い感じだったな」
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