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「
「そうなのか?」
「うん。君じゃなく、もし自分がそうなっていたら、多分もうこの世にはいないだろうね」
顔に影が差し、無表情だった顔の唇の端が少し持ち上がって笑ったように見え、それはとても冷たく背筋に悪寒が走るような笑顔。
驚き思わずまさか! と笑い半分に飛び出してきそうになった言葉を飲み込んだ
「はぁ、自覚がないって凄いね。それほどのことだってちゃんと理解してくれた?」
喉仏を上下させる
「う、うん……」
「その様子じゃ『しっかり理解』というところまでは行ってないみたいだね。鈍感もここまで行けば中々どうして凄い特技だと思うよ。しっかりと頭に刻み込んでほしいから言うけど、今の辻堂の状態は『まだ死んでいない』ってだけだからね。今時バイクじゃなくって自転車で新聞配達をこなしてしまう、長年培ってきた筋肉と有り余った体力のおかげでかろうじて生きている状態なんだよ」
「かろうじて……。じゃぁ、俺は死んじまうのか?」
「このままいけばね」
「な、なんとかならないのか?」
「君の今の状態を自分がどうにかするのは難しいかな、残念だけど。今、少し楽だろ? 一次的に
「じゃぁ、やっぱり
「相変わらずせっかちで結論が早いね。今言ったのは自分ではどうにも出来ないってことであって、別に手が無いとは言ってないよ。第一手が無ければ自分はここに
「手紙では間に合わないかもしれないし、自分は
そう言って渡された紙には「
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