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「久しぶりだな
「いや、気にすることないよ。来ることは分かっていたし。それにこっちこそごめんね」
「え?」
「自分は怒っているわけでも機嫌が悪いわけでもないんだ。気遣いさせてごめんね、なんというか自分はこんなだから明るい人付き合いってしない方で、喋らないのも表情があまりないのも意図的にしているわけじゃないんだ。この顔が標準仕様になっちゃっているんだよ。だからね、喋らないのや表情が無いのを気にしないでほしい。特に笑顔なんて期待しないでね」
無表情の言葉は何処かその声色に優しさを感じ、いつの間にか緊張もほぐれ
身体の緊張がほぐれたせいか、この部屋に来て初めて空間に漂うほのかな香りに気が付く。
甘いけれどもどこか苦みのある香りを感じれば感じるほど疲れ切って重たかった自分の体が軽くなっていくようだった。
何度か大きく鼻から吸い込んで吐き出すと言う呼吸をしていると
「それで、今日は自分に何か用事があって来たんでしょ」
貰った手土産を開封しながら
「その話は断った方が賢明だと思うよ。お金が欲しいっていうなら受けても構わないけど。ただそれは君自身が君で無くなってもいいならっていう条件が付くけどね」
「それってやっぱり仕事内容が連中の話していた通りで、新聞配達の引き抜きとかじゃなく、しかも普通じゃないってことだよな」
「うん、当然。
「
「そりゃね、お金だけは有るところだから。実際凄い金額を積まれたでしょ。いろんな意味で
「あんまり想像したくないな、でもそうか、良く分かったよ。相談してよかった、ありがとう。ただ疲れやすいと言うか体調があまりよくないっていうのは事実なんだ。特に
肩に手を置き、首を回していう
そして考え込む様に視線を床に移して黙り込んでしまい、
その緊張の中にはあまり深く考えてはいなかったが自分は何だか深刻な状況なのでは? という気持ちも生まれてくる。
随分長い沈黙に喉が渇いて行く気がして出されたペットボトルの蓋をあけ口を付けた時、小さく息を吐き出す音が聞こえて再び
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