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「
納得のいかなさから、わざとらしく言う
「なかなか結構な挨拶だ。
「え? じゃぁ、ここが目的地ってこと」
きょろきょろと挙動不審に視線をいたるところに走らせる
「何だ、母親でも探しているのか? もう母親が恋しくなったか?」
「そんなことあるわけ無いでしょ。僕はマザコンじゃないですから。ただ、この場所は初めてだから見回しただけです。それより、僕は名乗りましたが貴女はまだ名乗ってない。それに僕はここで何をやるのかも聞いてないままなんですけど」
「母親は何と言っていた?」
「これを渡されて、ただ住み込みで働いて来いとだけ言われただけです」
「そうか。ふむ、まぁ仕方ないか。それではまずは自己紹介をしておいてやろう。私はこの
「
「此処が店の訳があるか。店は他の棟にある。ちなみに、お前が登ってきたこの山全体が私の所有物だ」
「え? まじで。結構でかい山だったような」
「まぁ、確かに敷地だけはある、しかも山だからな、むやみに歩きまわらないほうが良いぞ、遭難しかねん」
「ふぅ、お前は表情に感情が出やすいな」
「え?」
「接客業をしてもらおうと思っているのにそんなに感情が駄々漏れでは支障がある。感情は隠すようにしろ」
「接客、ですか。分かりました気をつけます」
「ふむ、素直なのは良いことだ。
「宿の接客ですか? 僕、接客業はやったこと無いんですけど」
「いや、宿の方は手伝わなくて良い。お前には
「
眉間にしわを寄せ、困惑しているような表情で言ってくる
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