第5話

 六月。拗ねた桜子の顔。クラス委員に指名された日のことを思い出す。

 隠れ眠りこけている寝顔。注意しても起きてましたと言い張っていたな。



 運動会での輝いていた笑顔。逃亡者を捕らえた時の捕食者のような眼光。

 桜公園でアリに餌をあげてくれた、昔のままの桜子。

 思い出描くあの日の思い出に取り残されたままの桜子。



 僕から再び打ち明けたら、喜んでくれるだろうか。

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