第3話 人として終わっている貴方に恋をした
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
『悪ノ王国〜破滅の時を君と〜』
New game
Continue
Option
・
・
・
強くてNew game ←
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
私はリベル・ディクターというキャラクターの、ガチ恋系限界オタクだった。
でも『悪ノ王国』というゲームを手にした瞬間からそうだった訳じゃない。
リベル様の前にプレイした二つのルートでは、諸悪の根源を倒したとエンディングで喜んだりもした。
それなのに、今私がこんなにもリベル様が好きなのは、彼のルートで知ってしまった一つの事実のせい!
リベル・ディクターは『光』属性である。
こんなにも悪逆非道なんだから闇属性だろとか思っていたら、光属性だった!! このギャップにまず頭をガツンと殴られ、この意味を知った時には泣いた。
全ての魔法は精霊によって引き起こされる奇跡である。という設定のこの世界で、光属性になるには光の精霊に好かれ、契約しなければならない。
そして光の精霊が好むのは、清廉で純粋で善良な人間。
つまりリベル様にもそういう時代があったわけでしょう!? 契約できてるんだから。
でも今はその真逆を素で行くような人になっちゃったんでしょう!?
何があったらそこまで歪むんだよエモじゃん!
もうそんな、悪役の裏事情とか教えられたらさ! 幸せになって欲しいとか思っちゃうじゃん!!
本当は優しい人じゃなくて、昔は優しかった人ってのがもう凄い刺さった。
だから、何がどうなっているのか、正直自分でもよく分からないけど、五体満足のリベル様を目にしたこの瞬間私は一つ決意をした。
『リベル様に幸せを』
ゲームの本編ですら救われなかったこの人を、心の底から笑えるようにしたい。
優しさとかは別にいらないから、奴隷落ち以外の生存ルートを模索したい。
シナリオを覆すなんて神をも恐れぬ所業だけど、こんなチャンスを与えてくれたのはしても良いって事でしょう?
私がリベル様を救いたいと思っても良いって事でしょう?
だって、私は——
救いようもないほど歪んでいて、人として終わっている貴方に恋をしたのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます