バイターの少年時代2

8年前 ブレスタ王国

「デストラクション、スマッシュ!!」

俺の破壊の拳は、実践練習にて練習相手にしてアルカイド家の重臣、ウェザロスに放たれる。

「ぐっ。この若さでこの威力。さすがです」

「いつかこの能力を極めてやるぜ」

「是非頑張ってください!.......ところでバイター様。『ファイ』という少年をご存知ですか」

「ああ、確か巷で『天才少年騎士』と呼ばれている奴か 」

「はい。彼のは王国学校で常に学力、身体能力トップで、年齢もバイター様と同じでございます。今度、一度手合わせしてはいかがでしょうか。いい練習相手になると思います」

ファイという少年は家が代々ナイト職で、まだ10歳にもかかわらず、もうブラックナイトという攻撃よりのナイト職についているらしい。だが、最強の両親の血を継ぎ、生まれた頃から最高の環境で教育を受けている俺に勝てるとは思わない。普段俺はウェザロスに思い切り攻撃するが、ウェザロスはちゃんと攻撃してこない。もっとちゃんと攻撃してこいと言っても、アルカイド家に仕える私が、バイター様に本気で攻撃できるはずがありませんといって、本気を出そうとしない。だから、確かに実践感覚を磨くには良い機会だ。

「そうだな。では、父さんに許可を取ってくれ」

「かしこまりました。ハイバー様に許可して頂いたら、ファイ殿に申し込みを致しますね」

「ああ、頼む」

「では、私はこれにて」

そういってウェザロスは部屋を出ていった。

翌日

「ウェザロスでございます。ファイ殿との手合わせの件で参りました」

「おう、入っていいぞ」

「失礼致します」

そういってウェザロスが入ってくる。

「早速ですが、ハイバー様から許可を頂き、ファイ殿のご両親に手合わせを申し込んだところ、申し入れが受容され、日程の打ち合わせをして、手合わせは一週間後に決まりました」

「そうか」

「一週間、しっかり稽古をしておきましょう」

「ああ、わかった」

「では、私はこれで。今日は午後6時からセイフォール家と会食がありますので、準備をしておいて下さい」

「分かった。お疲れ 」

ウェザロスは一礼して、部屋を出る。

「よし、次の授業まで寝るか」

そして俺は、授業に遅れてウェザロスに説教されるのだった。

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四世界大戦 Mr.いけこう @ikekouboy

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