第19話 生徒会御庭番と赤い目の少年

 迷路エリアにある住宅街ゾーンでは、青い目をした少年が、屋根の上から様々な場所にいる生徒会メンバーの観察をしていた。

 だが背後から来る気配を察知し、即座に回避する。


「さすがだな。元は紛争地帯の排除を行っていた国の特殊部隊の隊長。赤宮 血祭ちまつり。こんなところで会えるとは思ってなかったよ」


 生徒会御庭番の筆頭、目良は赤宮のことには詳しい。だがそれは赤宮も同じ。


「まさか逃げ出した兵に会えるとは思ってなかったよ。目良」


 赤宮と目良は互いに睨み合っている。お互いが嫌いで仕方ないからだ。

 目良は不意打ちでペイント銃を取り出すが、赤宮はすぐに察知し、石を投げ、ペイント銃を落とさせる。


「赤宮。貴様の目の色は青だ。なら私の魔法も効くだろう」


 目良が赤宮を凝視する。すると赤宮の動きが止まる。


「衰えたんじゃないか。隊長」


 目良は赤宮の首にペイントナイフを当てる。これで赤宮は脱落。

 目良は任務を果たし、1年生を狩るため、迷路エリアを散策する。


 校舎では、激しい戦いが繰り広げられている。


「雨宮さん。既に2組は全滅。我々5組もこのままでは生徒会に敗北します」


 1年5組は生徒会と、2階と3階の階段の間で、銃撃戦をしていた。1年5組は2階から3階に射撃しているので、少し不利である。

 それに、5組は20人以上の者を相手にしている。


「どういうことだ? なぜ生徒会にこれほどのメンバーが揃っているんだ?」


 生徒会所属は約20名。そして雨宮が戦っている戦場にいる敵は20名。ここでそんなに兵を使うことはありえない。


「雨宮委員長。1年3組が下駄箱での戦いでほぼ全滅。今すぐ援軍に行かなければ、下駄箱を突破され、挟み撃ちにされます」


 生徒会の戦術に、1年生はなす術無く敗北への一途を辿っている。

 雨宮も焦りを隠すことが出来ない。

 1年生は生徒会の強さを思い知った。


「本気を見せる時が来たな」


 雨宮銃凛は結んでいた髪をほどき、右手にマシンガン。左手にナイフを持ち、3階に走る。

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