第17話 終止符・後

 七海は背中を撃たれ、明らかに動揺している。七海を撃った最後の戦士は……


「初めまして。七海元副生徒会長もとふくせいとかいちょう


「お前は!?」


「はい。生徒会御庭番の一人。月島ゆずりはです。随分と弱くなりましたね。やはり生徒会を辞めてからサバゲーなどという野蛮なゲームにハマってしまったからでしょう」


「おいおい。2年間お前の指導をしてやったのに、私より強くなったとか思ってるのか? 」


「はい」


 月島は少し天然だった。だが七海は死んでいるので脱落。そしてサバゲーが終わった。


 サバゲーの優勝は1年生。

 イベントで優勝したクラスには、その大会の優勝賞品が貰える。今回のサバゲーでの優勝賞品は体育館で発表される。

 1年生は皆、体育館に集められた。


「月島さん。楽しみだね」


「神崎くんも表情に出てるよ」


 月島や神崎だけでなく、1年生全員が賞品に期待をしていた。


 校長が壇の上に立ち、マイクを持って話し始める。


「それでは、1年生の景品を発表します。1年生の景品は、生徒会への挑戦権です」


 神崎は呆れた。正直言って、そんなものはいらなかった。だが校長の言葉には続きがあった。


「さあ皆さん。この不条理な世界を経験してください。世界とは、不条理の連続なのだから。なら生徒会を倒した暁には、成績をオール5にしてあげましょう」


 ーーこれがこの学校のやり方だ。だから面白い。


「かかって来い。生徒会」


 皆はペイント銃を手にし、生徒会に戦争を吹っ掛ける。

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