第16話 終止符・前

 1年生の集団は、3年生の背後からペイント弾を浴びせる。そこで3年生の多くは仮死した。


「てめーら。ここで戦いを終わりにしろ」


 七海委員長の言葉がこの戦場に深くのしかかる。だが3年生は50名から20名程しかいなくなり、1年と同じ数になった。


「最終作戦を使うまでも無いかもな。だが念には念をいれて」


 すると雨宮が謎のスイッチを押す。すると学校のどこかから爆発音が鳴る。


「何をする気だ?」


 この状況になっても、七海は面白そうに聞いた。だが返答は恐ろしい答えだった。


「両者の全滅だよ」


「は!?」


 4階から3階に膨大な量の赤いペイント水が流れてきた。


「まさかまさか!?」


 その場にいた3年生と1年生はそのペイント水をもろに浴び、脱落した。だが、二人の戦士が生きていた。


「雨宮。生きていたんだ!」


「七海先輩。あんたの時代は終わりだよ。サバゲー部の部長の座は、私がもらってあげましょう」


「雨宮。1年のくせに部長。それは部長会が黙ってないぞ」


「ああ。たとえ不条理な世界であろうとも、その世界を変えられなければ、英雄になどなれるわけが無い。何もしない奴に、何もしようとしない奴に、この私が負けるかよ」


 雨宮は背中のスナイパーライフルを取りだし、七海に撃つ。が七海は雨宮のペイント弾を避け、足のポケットに容れてる二丁のペイント銃を取りだし、雨宮に撃つ。雨宮の足にペイント弾が当たる。

 ペイント弾が付着した時点で、死亡は確定する。


「終わりだ。先輩を舐めるな」


「先輩こそ。こちらにはまだ切り札があるということをお忘れ無く」


「ま……まさか!」


 七海の背中にペイント弾が付着する。


 七海。死亡。

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