第8話 三大勢力

 神崎と月島は木原咲良の行動を無言でじっと見ていた。すると建物の屋根から屋根に走って飛び移る集団がいた。

 その技は人間離れしていた。


「月島さん。彼らは何者?」


「先輩から聞いたんだけどね、この学校には三大勢力があって…」


 学校三大勢力。それは学校の均衡を保つために創られた三つの巨大組織。


 一つはPTA。PTAは生徒の保護者で創られた集団。いつもこの学校を監視している。


 二つ目は教師会。教師会はこの学校の教師で構成された生徒を監視する組織。


 三つ目は生徒会。生徒会はこの学校の選ばれた生徒だけで構成されたエリート組織。生徒会は常にこの学校を変えている。


「でさ、その勢力と建物を飛び移っている奴らとはどういう関係があるの?」


 神崎は月島にさらに質問をした。月島は先輩から多くのことを聞いているので、神崎の質問にすらすら答えられた。


「生徒会にはPTAにも教師会にも知られていない極秘部隊があるんだ。それが生徒会 御庭番おにわばん。生徒会御庭番は教師会の不審な行動を見張るため、動く組織だ」


「つまり今、教師会が不審な動きをしているってことか!」


「ああ。今は一年生は鬼ごっこ。二年生と三年生は授業中。なら教師会は自然に、そしてあまり怪しまれずに何かを実行できる」


 月島の情報は正しい。だが正確には教師会は教師と犯罪者で構成されている闇組織。

その情報は生徒会長しか知らない事実。


「神崎くん。生徒会御庭番が行った方向に向かってみよ。何かあるかもしれないから」


 月島は木原咲良を差し置いて、生徒会御庭番という謎の組織を追う。


 神崎翔と月島さんは生徒会御庭番が行った場所に向かった。

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