第7話 逃亡の果て
神崎翔は走ってくる岡崎先生に向かって文字を刻む。
「
神崎は、空中に"物体浮遊"と文字を刻んだ。すると岡崎先生の足が少し浮き、岡崎先生は足を踏み外す。そして魔法を解除すると、岡崎先生は見事に転んだ。
「逃げるぞ」
神崎は月島さんの手を掴み、走って体育教師から離れようとした。そして相当遠くまで来た頃、
ピーンポーンパーンポーン
ーー校内放送!?
「迷路エリアにて、神崎翔と月島杠が逃亡中。一学年の教師50名全員で彼らを捕らえろ」
そして放送は終わった。
ーーおいおい。それは無しだろ。
「神崎くん。もう逃げられない。諦めよう」
月島は諦めたムードだった。やはり圧倒的な力の前には、弱者は勝つ術を持たない。
それでも神崎は月島さんの夢は楽しく実現させてあげたい。だから、諦めさせたくない。
「月島さん。デザイナーになりたいって夢。俺は心から応援してるよ。それにさ、こんなところで体育の成績が1になって、夢を諦めなさいって言われて、月島さんは納得できるの?」
月島は無言で首を横に振る。
「ならさ、誰にも文句を言わせないで、それで夢を叶えたほうが幸せじゃん。だから俺は月島さんもどこだろうと護るよ」
神崎に初めて出来た女の友達。だから神崎は月島を大切にしたかった。その熱意が伝わったのか、月島は決心したように口を開く。
「分かったよ。そんなに応援されちゃ、頑張らないわけには行かないだろ」
「月島さん……」
月島はふと耳を澄ませる。
「神崎くん。足音が聴こえない?」
ーーおいおい。まさかもう岡崎先生が来たのか!
「月島さん。絶対に音をたてるなよ」
神崎翔たちは足音がする方を、木造の家に隠れながら覗き見た。その足音の正体は……
「女子生徒か?」
神崎と月島と同じ一年生の女子生徒が周りをキョロキョロしながら歩いてきた。
「月島さん。あの子知ってる?」
「あの子は私たちと同じ1年1組の
ーーへえ。あんな子いたんだ。
すると彼女は衝撃の行動をした。
「
緑色のショートカットを揺らせながら、木原咲良が謎の言葉を呟くと、彼女の手の上に謎の玉が現れた。
ーーまさか……魔法使い!?
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