第4話 初めてのアドレス交換

 ーー友達って、女子は男子と違ってはっきりと宣言するんだな!


 神崎は月島を基準に考えてしまったため、少しおかしな方向に向かいつつあった。


「神崎くんの夢ってなに?」


 神崎は少し動揺する。自分の夢を、今まで誰にも話したことは無かったので、小さな声で月島に言った。


「しょ……小説家かな」


 神崎は過去に小説に救われた。それ以来、神崎の夢は小説家になった。


「へえ。じゃあ私応援するね」


「ありがとう」


 神崎は笑顔で月島にお礼を言った。月島も、お礼を言われるのは慣れていないらしく、少しの沈黙があった。 

 神崎は月島に心を開いたのか、月島にも質問する。


「月島さんの夢って何?」


 月島さんは待ってましたと言わんばかりの笑顔になり、話してくれた


「実は私ファッションデザイナーになりたいの」


 どんなデザインなのか気になったので「見せて」と頼んだら、スマホでデザインを見せてくれた。


そのデザインは、細部まで細かく描かれていて、月島さんがどれほどデザイナーに憧れているかすぐに分かった。


「月島さんって、努力家なんだね」


 神崎の言葉に月島は喜んでいた。だが月島には悩みごとがあった。


「デザイナーになりたいって言ったらお母さんとお父さんに反対されたんだ」


 一生懸命頑張っている月島を見て、適当に小説家になろうとしていた自分が恥ずかしくなった。


「ごめんね。こんな話して」


 月島さんは苦く微笑んだ。

悲しみを堪えているような、そんな雰囲気を漂わせている。


「速く親に自分の描いたデザインが、町に出回るところを見せたいんだ」


月島は自分の描いたデザインを見て、感慨深そうにボソッと言った。

神崎は月島を励まそうと、声援を掛ける。


「俺、応援してるから。だから頑張れよ」


 月島さんは神崎の声援で微笑んだ。


「神崎くん。電話番号とメールアドレスを交換しよう。神崎くんには何でも話せる気がするんだ」


 神崎は携帯を取り出し、月島さんと電話番号とメールアドレスを交換した。


その日の学校は終わり、神崎は自分の部屋のベッドに横たわる。

 そして神崎が寝ようとした時、メールが来た。月島さんからだった。


【おやすみ。神崎くんには色々相談できる気がする】


 神崎は女子からの初メールが嬉しくて、メールをお気に入りに登録した。

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