根水
藻は海の鉛となって臭い打つ。崖と大樹の掘り出す灰に厚く重なる入道雲は、震える思考に大きく映る。蒸気の進む先に惑う平子は、陸にもいるのだ。綴る盆地に文が垂れる。雪白の山では密に語らう。また松の元へ進む私も、海岸に集った1人の内。
小石は路に色つき、桜が泣いて梅雨はきた。参道の細石は濡れ敷かれて、澱みを道へとつなぎ止める。陽樹の鋭さは、散ると風を作り上げては消えてゆく。堪え難い蒼さの森に透ける心で、私は意味を喪いかけていた。
紙に柔らかな書が滲みた、その反動の大きい日蔭で立ち止まる。鈴が鳴る山の峰からは、遠くの雨がよく見えた。
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