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2023年8月19日 00:51
ひさしぶりの再読だが、やはりこの第一話の情景描写は素晴らしい。 終始、塔子の五感を通して語られる外界は、冒頭の仄暗い下足場を起点に、対照的に明るく広がる生気に満ちた自然環境、反転してやはり光差し込む校舎内とそれに不可分の女生徒たち、という意味を違えたふたつの光に挟まれて、居場所未だ定まらずの彼女の立ち位置を見事に表している。 袋小路に迷いかける塔子と読者の前に突然現れる、坂本少年のタイミングの良さも心地良い。 成り行きで彼の後を追うことになった塔子に、その躊躇を示すという自然な理由で振り向かせて校舎外観を読者に見せる流れにも舌を巻く。 転換した山道の場面で、坂本少年が駆動させる明るいリズムにも安易に乗ることなく、破局直前まで変調させたところでようやく動き出す塔子自身の面倒臭さが、坂本少年だけでなく僕ら読者にも強く印象付けられる。 一切のト書き的説明無しに必然の積み重ねだけで場面理解を達成させる物語の流れは、作者が単なる素人のレベルではないことを教えてくれる。 前に初めて読んだ際も同じだったが、この第一話だけで、読者にこの先読み読み続けようと決心させる強い力を感じた。 カクヨムでの公開を、結末に挑まんとする作者の強い決意と受け取って、大いに期待しながら再度の通読を進めていこう、と心に決めた。 今後ともよろしくお願いします。
作者からの返信
くじらさん、詳細なご感想をいただきありがとうございます!何度もお読み頂いて、大変恐縮です!できるだけ冒頭に、作品のテイストの紹介&情景描写&関係性の提示&緑の学園の存在感を表していきたかったので、大分詰め込んだ話になったかと思います。でもここが始まりで、そして終わりに向かう場面でもありますので、注意していきたいと思って苦心した内容となりました。ありがたいお言葉を頂いて、本当に嬉しいです。なんとか終わりに向かって頑張っていきたいと思っています。よろしければ引き続きよろしくお願いします!本当にありがとうございます!
ひさしぶりの再読だが、やはりこの第一話の情景描写は素晴らしい。
終始、塔子の五感を通して語られる外界は、冒頭の仄暗い下足場を起点に、対照的に明るく広がる生気に満ちた自然環境、反転してやはり光差し込む校舎内とそれに不可分の女生徒たち、という意味を違えたふたつの光に挟まれて、居場所未だ定まらずの彼女の立ち位置を見事に表している。
袋小路に迷いかける塔子と読者の前に突然現れる、坂本少年のタイミングの良さも心地良い。
成り行きで彼の後を追うことになった塔子に、その躊躇を示すという自然な理由で振り向かせて校舎外観を読者に見せる流れにも舌を巻く。
転換した山道の場面で、坂本少年が駆動させる明るいリズムにも安易に乗ることなく、破局直前まで変調させたところでようやく動き出す塔子自身の面倒臭さが、坂本少年だけでなく僕ら読者にも強く印象付けられる。
一切のト書き的説明無しに必然の積み重ねだけで場面理解を達成させる物語の流れは、作者が単なる素人のレベルではないことを教えてくれる。
前に初めて読んだ際も同じだったが、この第一話だけで、読者にこの先読み読み続けようと決心させる強い力を感じた。
カクヨムでの公開を、結末に挑まんとする作者の強い決意と受け取って、大いに期待しながら再度の通読を進めていこう、と心に決めた。
今後ともよろしくお願いします。
作者からの返信
くじらさん、詳細なご感想をいただきありがとうございます!
何度もお読み頂いて、大変恐縮です!
できるだけ冒頭に、作品のテイストの紹介&情景描写&関係性の提示&緑の学園の存在感を表していきたかったので、大分詰め込んだ話になったかと思います。
でもここが始まりで、そして終わりに向かう場面でもありますので、注意していきたいと思って苦心した内容となりました。
ありがたいお言葉を頂いて、本当に嬉しいです。
なんとか終わりに向かって頑張っていきたいと思っています。
よろしければ引き続きよろしくお願いします!
本当にありがとうございます!