第7話 新スキル

 冒険者ギルドに入り獲物を精算する。


 森兎フォレストロップ30kg、小鬼ゴブリン60kg、ゴブリンの持ち物計15kgを売却して十万五千円を手に入れた。


 「たった二匹でこんなに稼げるのか……、すげーな!」


 陰鬱な気分は予想外の収入を得たことでふっ飛んでしまった。


 「とりあえず靴を買わないとな!」


 「豪華な品ぞろえになりましたね!」


 ゴブリンの装備を売却したことにより一気に商品が増えた。


 小剣、小鬼の腰巻、小鬼の革靴(見た目は靴ではない)、小鬼の巾着、ジャージ上下(黒)、靴下(白)、ボクサーパンツ(黒)、Tシャツ(白)というラインナップだ。


 一応俺が着ていた物もいつでも買えるようにした。


 ソラによると装備品の素材の変更もできるらしい。森兎を納品したことによりそのなめし皮や毛皮を使えるようになったのだ。


 この世界に四季があるかわからないが、寒くなったら毛皮の靴下やパンツなどいいかもしれない。





 小剣を購入できるようになったが今は必要ないだろう。


 というのも武器スキルは属性魔法と同額の百万円もするのでまだ手が出せない。


 手元には十万しかないのだ。


 とりあえず手持ちの金額でスキルを買うことにした。


 今買えるスキルは一万、五万、十万円台のスキルのみだ。ちなみにこの上は五十万、百万と金額が一気に跳ね上がる。


 一万円台のスキルは存在意義の分からないものが多い。


 「耳掻きとか爪切りって誰が買うんだよ……」


 「ですが彼女さんに膝枕してもらって耳掻きとかしてもらいたくないですか?」


 「それはスキルがなくてもできるだろ、彼女がいればだけど」


 五万円台は日本へ帰った時に有用そうなものが多い。


 暗算、話術、記憶力上昇などである。


 十万円台になってやっと異世界物のお約束のスキルがみられるようになる。


 当初は無属性魔法を習得しようと思っていたがどうしたものか。


 無属性魔法ときいてまず思い浮かべるのは、誰でも使える設定になっている身体強化だろう。


 しかし同じ価格帯に無属性魔法と身体強化があったのだ。


 スキルの身体強化が別にあるということは無属性魔法では同様のことはできないのだろうか。


 もしそうだとしたら無属性魔法とは何なのだろう。ソラに尋ねたところわからないという。


 (属性のない魔力の塊を放出する?でもそれだと物理攻撃と変わらないから石ころ投げるのと同じになるな……)


 つまるところ購入して鑑定してみないことには何もわからない。


 他の習得候補は……身体強化、身体制御、敏捷強化あたりが無難だろうか……


 (ん?衝撃波だと?何この中二心くすぐるスキルは)





 つい勢いで「衝撃波」を購入してしまったので試し打ちをするため表に出る。


衝撃波ディープインパクト!」


 周りには誰もいないので恥ずかしい名前をつけて使ってみた。


 ぱふっ!


 何か出たようだが見えないのでよくわからない。


 次は灌木の茂みに向かって撃ってみる。


 葉っぱがふぁさっと揺れた。


 (……)


 『ま、まあ、レベルが上がるまではこんなものですよ!』


 で〇じろう先生の空気砲といい勝負ができそうだ。


川越入間かわごえいるま、18歳、冒険者

ステータス補正値

 生命力Lv2

 魔力Lv5

 身体能力Lv2

 精神力Lv2

スキル

 「人工知能ソラLv10」

 「時空干渉Lv5」

 「衝撃波Lv2」

 「冒険者ギルドLv―」

 「収納Lv―」

 「鑑定Lv―」

 「地図Lv―」


 


 


 


 


 


 


 

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