家の猫がポーションとってきた。～どこからとってきた！？(||゜Д゜)と思ったら我が家の庭からだったので、飼い猫と一緒にダンジョン攻略していきます～

第325話

ちなみに今回手に入れた種は１種類のみだ。

どうもドロップする種は敵によって個体されているらしい。

外観はコロリと丸い、どこか栗に似た形状をしている。

おそらくクロが食べた種と太郎が以前食べた種は、こいつとは見た目も違っていたんじゃなかろうか。

それもクロが食べたぐらいだから、美味しそうな外観をしてたんだろう。太郎は割と何でも食いそう。

……改めて手に持つ種をしげしげと眺めてみる。

表面はつるりとしていて少し堅そうだ。実は詰まっていそうなので、結構食いではありそう……ただし体に悪そうな７色の光を発している。

「……これ食うの勇気いるよな」

「だべ？」

脳が、本能が、これは食い物じゃないと拒否している。食い物だと認識するのを拒んでいるのだ。

アメちゃんの蛍光色ケーキより拒否感は強い。

あと中村よ。なんで照れた仕草で鼻の下をこすっているんですかね。

しっかしなあ……これ食うのか。

食えばステータスは上がるしダンジョン攻略するなら必要だとは分かっているけどさ。

……ええいままよ！

「……わりとおいしい」

「ちょっとお高い豆って感じよな」

思い切って口に放りこみ、モグモグと咀嚼すると……思っていたより味は悪くなかった。

中村の言う通り栗よりは豆に近い気がする。火を通してないのにホクホク感があって、ほんのり甘い。

もちろん栗もホクホクしているけど、それとはちょっと違うんだ。

……なんか栗も食べたくなってきたな？　今度和菓子屋でも行こうかな。

ま、それはさておき。

「さてどんだけ上がったかなーっと」

あんだけ食うのに拒否感あるのを食べたんだ、きっと大量にステアップしているはず……ぽちっとな。

【名　前】　島津　康平

【種　族】　　人

【レベル】　２８

【耐　久】　１８６５６（２７９８４）

【Ｍ　Ｐ】　２８０

【ＳＴＲ】　７４６３（１１１９５＋３）

【ＶＩＴ】　７９６３（１１９４５）

【ＡＧＩ】　５２４９（７８７４）

【ＤＥＸ】　５２０３（７８４７）

【スキル】　夜目、不動、障壁、火事場、土蜘蛛、毒付与、衝撃波、治療、威圧、竜化、ブレス、呪殺の視線、滅びの光、龍化

【魔　法】　氷礫、火球

【称　号】　□□神の窮児

「……え、３？　まじ？？」

「びっみょーだなおい」

食べる前に確認したステータスとの違いは、ＳＴＲの項目にある＋３の数字のみ。

つまりこれが種を食べたことによるステータス上昇値ってことになるんだけど、ちょっと少なくないか？

個人的にはせめて二桁は変わって欲しかったんだけどなー。

うーん。

「……野菜にするとどんなもん上がるんだっけ」

「そっちはまだ確認されてなさげなんだよ……普通の種を植えるよりはだいぶ成長早いらしいから、そろそろ情報出てくるとは思うけど」

情報出てないかあ……ドラゴンの肉食べたのと同じぐらい効果あるんだろうかねえ？

そういやあれもステータス上昇値確認してなかったっけ。いつか確認しておかないと。

まあいいや、そっちは後でいいとして……種の仕様によって今後の予定がちょっと変わるなこれ。

今回上がったのＳＴＲだから種によって何が上がるか違うんじゃないかな。

あと１０個までしか効果ないぞ？　って話になると、別に空いた時間で集めりゃいいやーってなるし。

カード優先にするか、それとも色んな階層にいって種も集めるようにするか……とりあえずこちらの取り分は食べてしまうとして……検証するにしても数が足らんのだよね。

「んー……どうしたもんかな。１００個食ってもまだまだ上がる！　とかなら種集めようって気になるけど」

悩ましい。

各ステータスが３００上がれば結構違う気がする。

数％の上昇値だけど、多少はあのワーム倒すのも楽になるだろうし。

「いやそれ集めるまでどんだけ掛かるんだよ……」

「……オークションで買い占める？」

「それこそいくら掛かるんだよって話だわな。実装されたばっかだぞ？　ぜってー高いって」

「だよねー」

１個あたりおいくら万円だろうね。

仮に１００万円だとして、１００個買うと１億円……あれ、意外と買えるな？

浅い階層なら数こなすだろうし、人も多いしで買えそうな予感がする。

……あと気になるのはあれだ。

「ねえ、クロのステータス見せてもらってもいい？　たぶん前に食ったやつの効果出てると思うんだよね」

俺の言葉にペキョッと缶詰を開ける音でかえすクロ。

どうやらご飯タイムだったらしい……てか相変わらず器用だよなクロってば。

「……ＶＩＴ＋５か」

「太郎の上昇量も見た感じ、ドロップする敵……というか階層によって上昇値決まってんじゃねーかな」

猫缶食べる前にステータスは見せてくれた。

ついでに太郎のも見たけれど、そちらの上昇値は全て＋３だった。

上昇値はゲームでよくあるランダムではなく、固定値。そして深い階層であればあるほど上昇値も大きくなるということだろう。

「そっか、浅い階層のはオークションで手に入れるとして……とりあえずは当初の目的通りしばらくはカード集めかな？」

「だな」

深い階層のは地道に集めて浅い階層のはオークション。

たぶん中村もいくつかオークションで買うつもりなんじゃないかな、特に不満そうな様子はなく、それで良いと思ってそうだ。

クロと太郎？

……どっちもご飯食べててほとんど興味なさそうだな！

聞いているかも怪しいぞ。

まあ、そっちは後で説明するとしよう。

たぶんどっちでも良いって答えが返ってきそうな気はするけど。