第14話 トオル「僕も絶対に旅に出るよ!!!」

 二人の対戦が終わり、旅立ちを見送るために、ホンダ宅の玄関の前にはまっていた。


「よし、いい出発ができそうだな。エリー。」

「ねー。」


 レイジとエリーはさっきの戦いの結果を満足しているようだ。


「くっそ~……マジで次は負けへん。」

「つばさくん、つよくなろう。」


 ツバサとくぅも同じ思いを胸に秘めて絆を深めたようだ。


「そうそう。ムスメが歩くのは禁止されてる町もあるから、その場合はムスメッセンジャーの中で過ごしてもらうんじゃぞ。ムスメリングを装備しているムスメを保管できる機能があるからのぅ。ほれ、レイジ、試しにホテルボタンを押すんじゃ。」


 レイジがボタンを押すと装置の中に吸い込まれるようにエリーが消えてしまう。


「おおっ! エリーが消えた!?」

「そっちの画面を見てるのじゃ。」


 ホンダの言葉で視線を画面に移す。

 光る画面の中には手を振るエリーが映し出されていた。

 画面には「れいじ、こっちよ!」のメッセージが吹き出しに書かれていた。


「「「おお!!!!!」」」


 それを見ていたレイジとトオルとツバサの三人は驚嘆の声を上げる。


「技術の力ってすげー!」




「で、爺様、ここからどうやってエリーを外に出すんだ?」

「ほれ、ここのアウトボタンを押すんじゃよ。これで召喚できる。」


 ホンダが慣れた手つきで、ムスメッセンジャーを操作する。

 PON!!っと、大きな音と眩い光と共に、エリーが外の世界に出てきた。


「エリー、次の街まで一緒に歩いて旅するか!」

「しかたないから、いっしょに、あるいてあげる! べっ、べつにれいじが、かわいそうだから、しかたなくなんだからねっ!!」


「よし!!! レイジ、トオル、俺は先に行くでー!!!!! うおおおおおおお!!!! くぅ! いくでーーー!!」

「あっ、つばさくん、まってよ!」


 くぅが皆の方に振り向きぺこりとお辞儀をして、ツバサの後を追いかけていく。

 凄い勢いでツバサは飛び出して行ってしまった。

 ツバサが見えなくなるまで手を振り続けていた。


「それじゃ。爺様、トオル、俺も行くよ。トオルも来いよな! 俺とツバサは先で待ってるぜ!」

「うん!! 僕も絶対、旅にでるから!!! 次は僕とも戦ってよね、レイジ。」

「はっはっは。楽しみにしてるぜ。トオル。まぁ、俺とエリーも、もっと強くなってるからお前じゃ相手になんねーかもしれないけどな。」

「むぅ……」

「ほれほれ、レイジ。人には人の成長があるでな。そう慌てさせるでないぞ。」

「へーい。」

「レイジ、成長して戻ってくるんじゃぞ。」

「爺様もぽっくり逝かないでくれよ。」

「ははは。こりゃ手厳しいのうぅ」


 こうして、レイジはエリーとともに旅立っていった。


「そんじゃ。またな!!!」


 友達が二人旅立っていった。


(寂しくなるなぁなんて感傷にふけっている暇はない。)


「ホンダさん…… 僕も絶対に旅に出るよ!!!」

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