第12話 エリー「べ、べつに、にっくねーむがうれしいわけじゃないからねっ!」」

「ほっほ、二人ともうまくいったようじゃな。うんうん。ツンデレ娘もクー子もパートナーになってくれてよかったわい。これから仲間を増やすときもちゃんと信頼関係を築いてからやるんじゃよ。さて、ムスメッセンジャーの黒い画面に触れてみると良いぞ。」


 ツバサが黒い画面に触れると、突然光りだす。

 何回か画面が暗転を繰り返した後、いくつかなボタンが表示された画面が表示される。

 レイジも同様の状態のようだ。


「画面の中にあるムスメイトというボタンを押してごらん。」

「「おお~」」


 ホンダ博士の指示に従い二人が言われたボタンを押すと驚嘆の声を上げる。

 さっきまで反応のなかった黒い板の画面が明るく光る。

 二人は画面を食い入るように見ている。

 その様子に気になったトオルは「レイジ、どうしたの? 僕にも見せて! 見せて!」っと声をかける。

 さっとレイジは画面を見せる。

 レイジの画面には、ツンデレ娘の技が表示されていた。


 NNなし[ツンデレ娘]

 【技】

 たいあたり

 まるくなる


「おおぉ!! 技ってあるよ! このNNなしって何?」


「ムスメにニックネームをつけることが出来るのじゃよ。ムスメネームだと味気ないって人がニックネームをつけた方が、愛情が伝わるとかでつけたりするんじゃよ。あと実利の面で言えば、短い名前の方がバトルに有利って事もあるのぅ。」

「へぇ。」

「そうなんか!? なら、俺はクー子じゃなくて、『くぅ』って呼ぶわ!」

「つばさくん、ありがと。ただ、もうすこしせんすがほしいところね。」


 クー子改め『くぅ』はツバサ君のセンスに呆れながらも了承する。

 博士の話を聞き、レイジもツンデレ娘にニックネームをつけるようだ。


「ツンデレ娘じゃ確かに長いよな。『エリー』ってどうだ?」

「すきによんでもらってかまわないわ。べっ、べつに、にっくねーむがうれしいわけじゃないからねっ!」


 くるくるに巻かれた髪の毛をぴょんぴょんさせて、ツンデレ娘こと、『エリー』は言葉とは裏腹にとても嬉しそうにしていた。


「しっかし、この機械すげーな! いろんな機能がありそうだぞ。 おお、これすげー!!! 見てみろよ、トオル。」

「うん? なになに!?」


 レイジはぱちぱちと画面を弄ったあと、トオルに向ける。

 トオルの視界に【図鑑モード】と表示されていた。


「図鑑モードなんてあるんだ。凄いね!」

「れいじ わたしもみる~!」


 ツンデレ娘も画面をのぞき込む。

 そこには、【ツンデレ娘】の紹介文章と身体的な特徴が書かれていた。

 そこには身長・特徴、そして体重が記載されていた……


 ツンデレ娘は顔を赤くして、レイジに怒る。


「たいじゅう、なんで!? れいじ、それみるのだめ!!! きんし!!!」


 騒ぐエリーの横で、くぅが冷静にツバサに「つばさくんもみちゃだめだよ。わかってるよね?」っと冷笑を浮かべて警告する。


「さて、これで二人とも正式にマスターになった訳じゃが……どうするムスメイトバトルをしてみるかな?」

「「「もちろん!!」」


 レイジ、ツバサが元気よく返事をする。

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