第10話 ホンダ「うむ。ムスメとマスターが仲良くなるためにはリングを渡す儀式が必要なのじゃ。」
いきなり、レイジがツバサにムスメイトバトルを申し込んだ。
トオルはバトルが始まるのかと期待していたが、二人の間にホンダが割りはいる。
「ほほっ。レイジは気が早いのぅ。バトルの前にまずは……」
博士はポケットに手を入れると何かの道具を取り出した。
「二人とも正式なムスメイトマスターになる事が必要じゃろうて。ほれ、【ムスメイトメッセンジャー】と3つの【ムスメイトリング】を受け取りなさい。」
ホンダより、黒い板と指輪がレイジとツバサ君に渡される。
「おお! これがマスターになるためのアイテムか!!!」
「博士、あんがとー!!!!」
お礼を口にしつつも二人の関心は渡された道具の方に映ってしまったようだ。
しきりに手でいじり、色々な角度から見始めている。
トオルもその機械に触らせてもうが何も反応はない。飽きもせずにかちゃかちゃといじっていると、「機械いじりはそこまで。次は儀式じゃ。」とホンダが口をはさむ。
「「「儀式?」」」
道具に夢中になっていた三人は声を合わせて、疑問を口にした。
「うむ。ムスメとマスターが仲良くなるためにはリングを渡す儀式が必要なのじゃ。」
「よし。分かったぜ。ツンデレ娘。リングをつけてやる!」
レイジはツンデレ娘の腕を掴むと引っ張りあげる。
「ぴゃぁ!?」
びっくりしたツンデレ娘はレイジの手を払いのけてホンダの後ろに隠れてしまった。
「これこれ、レイジ。乱暴に引っ張るんではない。ツンデレ娘が可哀想ではないか! そんな事をしてるとムスメがリングを受け取らなってしまうぞ。」
ホンダはツンデレ娘の頭を優しく撫でながらレイジを叱った。
ツンデレ娘はホンダの背中からレイジの方を半身だけ出してじっと見ている。
レイジは気まずそうな顔をして、頬を掻きながら、小さい声で「――ごめん。」と呟いた。
「素直はいい事じゃ。ほら、ツンデレ娘も許してあげるんじゃぞ。」
ホンダはツンデレ娘の背中を押す。
「あっ」小さい戸惑いを口にして、少しよろめきながらレイジに近寄く。
「かわいそうだから、ゆるしてあげる。つぎはないんだからねっ!」っと言った。
ツンデレ娘の声を聞き、レイジは頭を撫でてツンデレ娘に謝る。
「いや、俺が悪かったよ。さっきは本当にごめん。」
「で、博士、俺らは具体的には何をすればええんか?」
「二人とも先ほど渡したムスメリングをムスメに渡すんじゃ。」
「渡すだけでええんかい!!」
「ただ渡すんじゃないぞ。これはパートナーになる事、つまり伴侶になってもらうための愛の告白のようなものなんじゃ。」
愛の告白と聞いてトオルたちは恥ずかしさのあまり互いに顔を見合わせながら赤面してしまう。
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