第16話

 翌日、都内の感染者数も二桁で落ち着きを取り戻しつつある。

 感染者数がしばらくゼロの続いている地域については、外出自粛の解除などを検討する動きも出始めていた。


 海外でもドイツでは五月中にサッカーリーグが無観客ながらも再開するなど、世界的にも地域によって規制の緩和が行われ始めている。


 そんな世界情勢の中、ここ浅見家のリビングでは、ソファ前にあるローテーブルにPCを置いて、ソファに座って真面目にWEBオンライン授業を受講する萌恵奈。

 その萌恵奈の太ももの上には、ソファに横になり膝枕をしてもらっている俺がいた。


 昨日の教訓を生かして、萌恵奈は俺と適度にイチャつきながら授業を受けることになった。結果、俺が萌恵奈に膝枕をしてもらいながら授業を受けるということになった。


 萌恵奈は、俺の頭をポンポンと優しく撫で眠りを誘ってくる。

 俺は最高に夢心地な気分でリラックスしていた。

 

 時々、萌恵奈の様子を窺って顔を上に向けると、萌恵奈がチラっと俺の様子を覗いてきて、ニコっと微笑んでチュっと軽くキスを交わす。

 そして再び、萌恵奈はPCの画面へ視線を戻して、俺は萌恵奈のお腹の方を向いてうとうとと夢心地を見る。


 自宅待機でオンライン授業だからそこ可能で、他人の目を気にすることなくイチャイチャスキンシップを取ることが出来る羨まけしからん、なんとも幸せな究極シチュエーション。


 萌恵奈が前かがみになってノートをとったり、PDFファイルで配布された資料をスクロールする際には、萌恵奈の布地越しに感じるお腹の温かさと、微かに頭上に触れる柔らかな胸元、さらには萌恵奈のいい香りが漂ってきて、俺はトロトロに癒されていく。


 午前中の1コマを終えて、萌恵奈は大きく伸びをした。


「んんっー! やっと終わった」


 俺は意識が朦朧としていてうとうとうたた寝していた。


「おーい柊太。授業終わったよー」

「ん? あっ、授業終わった?」


 俺が首を動かして後頭部を萌恵奈の太ももに置いて目を開くと、チュっと萌恵奈が丁度俺の唇にキスしてきた。

 5秒ほど唇同士を交わして、お互いに顔を離す。


「よいしょっと……昼飯作るか」


 俺も、萌恵奈の膝枕から起き上がって欠伸交じりに大きく伸びをして立ち上がろうとすると、不意に萌恵奈が服の袖を引っ張ってきた。


「ん? どうした?」


 振り向くと、萌恵奈は視線を泳がせつつ、軽く頬を染めていた。


「ねぇ……お昼ご飯は作らなくていいから、一緒に部屋行ってイチャイチャしよ?」


 潤んだ瞳で上目遣いを向けてくる萌恵奈。

 甘えるような仕草に、思わず胸がきゅんと締め付けられてしまう。


「で、でも午後も授業あるだろ?」

「うん。だから、その前に……ダメかな?」

「えっ……」


 縋るような視線に俺は思わず言葉を失ってしまう。

 次の萌恵奈の授業は14時30分から、今の時刻は11時前。

 つまり、萌恵奈は三時間もイチャイチャしようと言ってきている。

 部屋に行ってと言ってる時点で、萌恵奈が何をしたいのかある程度の察しはつく。


「……どうした、今日」


 実を言うと、朝も起きた直後にイチャライズしたばかり。

 本日二回目を萌恵奈は求めてきている。


「だって、柊太の事膝枕してたら可愛くてキュンキュンしてきて……キスしてたら気分が上がって来ちゃったんだもん。それからずっと、お股ムズムズで、もう我慢できないんだもん」

「わかった。それ以上言わなくていいから!」


 手を制して視線を思わず逸らす。

 だって、今の恥じらう萌恵奈の表情は恍惚としていて、俺の理性をこの場で吹っ飛ばすには十分すぎるほどの破壊力があったから。


「ほら、行くぞ……ついてこい」

「う、うん……」


 俺は自室へと向かいリビングを後にして階段を登っていく。

 後から萌恵奈が付いてくる足音も聞こえてきて、ドクンドクンと胸が脈打っているのが聞こえる。


 部屋の扉を開けて、萌恵奈が入って来るのを待つ。

 萌恵奈が恥じらうように身を捩らせつつ部屋に入って来る。

 そして――


「んんっ……!?」


 俺は後ろ手でドアを閉めて、萌恵奈の両肩を掴んでそのまま壁際へと追いやり、強引に唇を奪う。もう限界だった。


 萌恵奈も俺のキスに応えるようにして、強引に萌恵奈の口の中に侵入させた舌を受け入れて濃密なキスを交わす。


「んんっ……レロレロ……チュ……チュパァ……チュ……んんっ……」


 絡み合うキスをしまくった後、俺は萌恵奈の肩を抱いたまま、ベッドの方へと向かって行き、そのまま萌恵奈を押し倒す。

 そして、続くようにして俺もベッドにダイブして、再び萌恵奈の唇を貪る。


 こうして今日も、俺と萌恵奈の同棲生活は、イチャイチャとエッチの連続で日々を過ごしていくのであった。

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