私だけが知っている冒険者パーティの秘密。

果汁

私だけが知っている

 私は、ある冒険者パーティの五人の内の一人だ。主に、妨害、援護、射撃をこなすダークエルフの弓使い。


 そんな私は、パーティ内のメンバーの秘密を知っている。


 まず、接近戦とパーティの盾役の戦士のゴッズだ。彼は、元はゴロツキだったが、リーダーが拳で語り合い、最初に仲間になったらしい。

 らしいと言うのは、私が最後の仲間だからだ。

 彼の性格は、とにかく熱血で大雑把だ。本当に暑苦しいほど本当に......

 脳が筋肉で出来てるのか何も考えてない。気持ちと拳一つでなんでも出来ると思っているパーティのムードメーカーだ。

 いつも「ガハガハ」言いながら笑ってる。

 今も「ガハハ、見ろ俺の筋肉」と言いながら腹筋を何故か布で磨いている。何故?


 そんな彼の秘密は......














   『 お化けが怖いことだ。』


 本当に、笑えて来る程の秘密だ。敵がアンデッドやゴースト系だとただの置き物に成程のビビりだ。


 そして、何故か今まで仲間にバレていない。彼のスキルなのかアンデッドやゴースト系は、吸い寄せられるように彼に集まり仲間がその間に倒すからだ。何故、気付かれない?




 次は、遠距離、火力担当の魔法使いの

『 ツンデレ』キリアだ。彼女は、ある魔族に占拠された街の捕虜の中に混じっていたそうだ。


 そんな彼女の性格は、声がデカい、態度がデカい、プライドが高い、声がデカいのツンデレだ。......本当にうるさい。

 ことある事に「なんだからねっ!」と言ってる気がする。まあ、誰に向けてデレてるかは、わかりやすいけど。

 ほら、今もある人物に向けてツンデレを七対三で放っている。ちなみに喋ってる内容は、「別にあんたの為にブロッコリーを食べてあげる訳じゃないんだからねっ! 私にブロッコリーが食べて欲しいって言ってるから食べるんだからねっ!」


 うん、意味が分からない。


 そんな彼女の秘密は......










   ある国の『王女』だと言うことだ。


 彼女は、隠してるつもりかもしれないが彼女の指にはめている指輪は、とある王家の紋章が刻んである。これが、王族である証あると二人でお酒を飲んでいる時にこぼしていた。

 そんな事をペラペラ喋っていいのだろうか。まあ、私が冒険者を続けている間は、黙っておこう。





 次は、回復、サポート担当の僧侶の

『巨乳』ソフィーだ。もう一度言おう。巨乳担当のソフィーだ。ハッキリ言ってデカい。メロンを二つぶら下げているのではないかと、思う程デカい。

 私は、種族柄、胸に脂肪が付きにくいのに...... もげればいいのに。それか、私に寄越せ。......はぁ。

 彼女は、ある小さな集落のシスターだったらしい。そして、ドジっ娘だ。巨乳ドジっ子だ。

 ......もげれ。


 そんな彼女の秘密は......










   『 胸が更にデカくなった事だ』


 えっ、まだ大きくなるの? そして、何で垂れないの? こうなったら、私が密かに開発した『 チチハジケーレ』で......




 最後は、このパーティのリーダー、ジョンだ。なんでもそつ無くこなし、料理、洗濯、家事から、鍛治、調合、錬金までこなす苦手な事がない、二つ名『主夫』のジョンだ。


 性格、明るく真面目、特に面白味がない男だ。弄る要素が余りない。ちなみに、魔法使いのキリアが好きなのは彼である。


 そんな彼のとっておきの秘密は......











   『異世界から来たって事だ』


 私は、種族柄、耳がいい為たまたま彼が呟いた言葉を聞いた事がある。初めは耳を疑った。異世界なんて存在するなんて思わなかったからだ。

 この事を主に伝えたらどうなるのだろうか?

















 「これがSランクパーティ『ジョンと愉快な仲間たち』の秘密です」


 「ご苦労様です。これは、魔王様にちゃんと伝えときます」


 「はい」


 私は、上司の魔王秘書様に報告し、そこを後にする。


 私は、諜報部隊、妨害、援護、隠密担当のダークエルフだ。名前は、誰も知らない。

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