16節 奇襲と、魔砲と、王都最後の戦い(1)

 ある所に、少し小柄な少女が居ました。


 金色の美しく長い髪、透き通るような白い肌、吸い込まれそうな蒼い瞳。所々にあどけなさを残してはいるものの、美人と言って差し支えない、そんな少女でした。


 この少女は、可愛らしい笑みを見せる、可愛らしい旅人でした。


 けれども、少女の心には、幾つかの大切な感情、倫理観が欠けていました。


 少女は、恋が分かりませんでした、愛を知らずに暮らしていました、何も好きになる事無く生きてきました。


 そしてこの少女は、人に関心が無く誰が何処でどうなろうとも気にも留めない、例え目の前で人が死のうとも、どうでもいい……そう思ってしまう程、冷酷な一面を持った少女でした。


 しかし、これは少し前の少女の姿。


 少女は旅を重ねるうちに、幾度となく人と言葉を交わし、言い争いをして、大切な親友が出来ました。これは少女にとって、初めてできた掛け替えのない存在でした。


 気が付けば、少女の周りには色々な個性を持った面白い人たちが集まっていました。


 少女の周りに集まる人たち、それは少女を大切に思ってくれる、好きでいてくれる、家族の様に接してくれる人たちでした。


 そして少女も、皆の事がとっても大切で、掛け替えのない存在になっていました。


 この少女は、そんな掛け替えのない人たちの為なら自分の命さえも惜しくは無いと言い、戦う道を選んだ小さくて大きな旅人でした。


 白いワンピースを身に纏い、大切な人から貰ったロングカーディガンを靡かせながら、死地を駆ける様は場違いにも美しく、そして不思議と切なくも見えました。



 これは、何者かによって隠蔽された世界に隠される矛盾を解き明かして、本当の姿を観測する少女の物語、いずれ「改変世界の観測者」と呼ばれる少女の物語、その序章、その最終局面のお話なのです……。





 さて、私たちは休憩をしていた穴からはい出て、周囲を警戒しながら作戦を取り始めました。


「ノヴァさん、作戦なんですけど、提案しても良いですか?」


「あぁ、言ってくれ」


「まず、私とユズ、そしてリンネさんでヒロキさんを抑えます。その間にノヴァさんがライオットからA・Aを奪い取り、仕留める。それまでの応戦は師匠が担当する……こんな感じでどうでしょう?」


「確かに確実な作戦だ。だが、寛貴はお前達だけで相手をするには荷が重いと思うぞ」


「大丈夫だよ!あの色違いノヴァさんはもう瀕死だよ?」


 色違いって……まぁノヴァさんは黒いロングコートに長髪、ヒロキさんは白いロングコートに短髪。確かに相反する見た目をしてますが、その言い方は面白いから止めて欲しいです。


「まぁそこまで自身があるんなら任せるが……リンネ、こいつ等を頼むぞ?マジで」


「心配し過ぎよ。貴方って本当にドライな癖に優しすぎるんだから」


 まぁそんなこんなで作戦を立て終わった私たちは、行動を開始しました。


 ライオットの隠れているであろう位置は、既にノヴァさんが把握してくれています。


「それにしても、旧世界の英雄様は本当にお強いのですね。わたくし達がエルシアの元へ向かった時には、まだ沢山の魔物が残っていたというのに……」


「あの程度は敵じゃないな、ただ数が多くて面倒ではあるが」


「これでもノヴァさんって本気じゃ無いんですよねぇ。世界は理不尽です」


「エルちゃんが世界を語るには、まだちょっと幼い気がするかなぁ」


「うーん。そうは言っても、ノヴァさんもリンネさんも桁違いに強いじゃないですか。あれは努力して何とかなるものじゃ無い気がします、きっと天性の才能なんでしょう……やっぱり理不尽な気がしてきました。まぁ別に力が欲しい訳じゃ無いんで構わないんですけどね」


「……そう言われると、確かにズルい気がしてきたなー」


「ったく。そんなに言うなら技術位はくれてやるよ。面倒なガキ達だな」


「ノヴァ、お母さんの前でそんな事言っちゃ駄目でしょ?」


「いえ、気にしませんわ。それに、この子がこんな性格になってしまったのは、わたくしが幼い頃から面倒を見てあげられなかったのが原因だと思いますし」


「……どんなガキにも親は必要だ。特に母親はな」


「そうですわね、本当に娘には申し訳ない事をしてしまったと思っていますわ」


「いやいや、お母さまはそれ以前に問題がある気がしますが……」


 他愛ない話をしながら、それでいて周囲を警戒して歩いていた私たちですが、先頭を歩いていたノヴァさんが急に立ち止まりました。


「そろそろだ、気ぃ引き締めて行けよ」


「了解。エルちゃん、ユズちゃん、無理はしないでね」


「ノヴァ様、よろしくお願いいたしますわ」


「あぁ、頼むぞ……。お前、名前は何て言うんだ?」


「フィーランジェ・ナスハと申します。気軽にフィーナとでも呼んで下さいまし」


「了解だ、フィーナ。よろしくな」


 さて、全員の覚悟が決まった所で、私たちは直進でライオットが居るであろう場所へ突き進んで行きました。道端にある障害物は、ノヴァさんが蒼月刀で吹き飛ばしてくれているんで快適です。


 そして、その道中、彼は現れました……ヒロキさんです。


「ノヴァさん!師匠!行って下さい!」


「あぁ。三人共、頼んだぞ」


「うい!頼まれた!」


「えぇ、そっちも気を付けてね!」


 ヒロキさんの横を通り過ぎる2人、その2人に気を取られていたヒロキさんに、今度は私からナイフを投げつけてやりました。最初に地上で戦った時にやられた事のお返しです。


 私のナイフはヒロキさんの真横に刺さり、横を向く彼の視界を邪魔しました。


「相手がどれだけ弱くても、余所見をしていると……狩られますよ?」


「……ハッ、最高だなエルシア!まさかさっきの仕返しをしてくるとは!」


「……楽しそうね、ヒロキさん?」


「あぁ!ここにきて一番楽しい思いをした気がするぜ!」


 そう言うと、ヒロキさんはナイフを引き抜き、私の元へ投げ返してくれました。


「さて、俺はテメェ等を皆殺しにするよう、ライオットのクソ野郎から命令されている。だが奴の命令は効きたくねぇ、だからどっか消えてくんねぇか?」


「……こっちも引けません。邪魔をするなら実力行使になるでしょう」


 ドォーン。


 大きな爆発音が響き始めました、恐らくノヴァさんと師匠がライオットに遭遇し、戦闘が始まったのでしょう。


「始めやがったな。さて……そんじゃぁ!」


 私たちはヒロキさんに戦闘態勢を取って構えましたが、ここで事態は最悪な方へと傾き始めました。


「……マズいわね。後ろから大量の魔物が迫って来てるわ、しかも全員大型の魔物がね」


「……エルシアちゃん、どうする?」


「……」


 あぁヤバいヤバいヤバい!何でこんなにも私の運って悪いんでしょう!。


 えーっと、とりあえずリンネさんに魔物の相手をしてもらって、私たちのレールガンでヒロキさんをバラバラになるまで穿ちまくって、それで……。


「今テメェがどんな作戦考えてんのかなんざ知らねぇけどよ、その作戦は却下だぜ」


 ヒロキさんが近付いてきました。……作戦が却下ってどういう事でしょう?。


 気が付くとヒロキさんは、私たちを素通りして魔物たちの前に立ちはだかりました……一体何を?。


「テメェの覚悟、しっかり見させてもらった。散々苦痛を味あわされた俺に勝負を挑んで、それでいて引く気は毛頭ねぇ……。ムカつくがやっぱテメェは最高な奴だよ、エルシア」


「……何してるんです?」


「あの魔物共は俺の獲物だ、手出しすんじゃねぇぞ。ま、その間にテメェ等があのクソ野郎ブチのめしても、俺からしたら願ったり叶ったりな訳だがなぁ?」


 ヒロキさん……もしかして彼は最初から私たちを通すつもりだったんじゃ……。


「……二人とも行きましょ?」


「うん……エルシアちゃん?」


「はい、分かってます。……あの!」


「あぁ?」


「えっと……行ってきます」


「……さっさと動け。俺が好きなのは迅速に動いて、やるべき事をしっかりこなす強ぇ奴だ」


「はい!」


 私たちは、ヒロキさんに魔物を任せて、ノヴァさんたちの元へ向かって走りました。



 徐々に爆発音が大きくなっていきます……すぐ近くにライオットが居るという事ですね。


「ユズ、ライオットが見えたら連携技でA・Aを持った腕を撃ち抜きます。準備を」


「あいあい!いつでも良いよ!」


「あたしは先にノヴァと合流するわ」


「分かりました、ただし私たちの存在を悟られてく無いんで、合流は狙撃後でお願いします」


「えぇ、気を付けてね」


「リンネさんも、どうかご無事で」


 リンネさんは、私たちに軽く手を振りながら走って行きました。


 さて、それじゃあ私たちも行動開始です。少し高台になっている場所を探しながらライオットの元へ向かいましょう。


 とは言っても、辺りの建物はノヴァさんたちとライオットの激戦の影響で殆どが吹き飛んでしまっています……何処から狙いましょう?。


「エルシアちゃん、あそことか良くない?あの時計塔の見晴台」


「そうですね……。でも上まで行くのに時間が掛かります」


「エルシアちゃんの魔法で一気に登れない?」


「まぁ出来なくは無いんですが、余り魔力に余裕が無いんですよね」


「そっか……魔力が無くなっちゃうとエルシアちゃん死んじゃうんだよね」


「えぇ。とはいえ、他に良い場所もなさそうですし、やってみましょうか」


「平気なの?」


「多分大丈夫です。それじゃ、準備は良いですか?」


「え?何の準備?というか何でエルシアちゃんは私のお腹に抱き着いてるの?」


「別に抱き着いてる訳じゃ無いです。なるべく狙って投げるんで、頑張って着地して下さいね。私は階段を上がって行くんで、撃てそうなら先に撃っちゃって下さい」


「え?え!?ちょっと待ってエルシアちゃ――」


「そぉぉおおぉおぉおい!!」


 私の背中を叩いて叫ぶユズには耳を貸さず、問答無用で見晴台に彼女を投げ飛ばしました……。ユズは軽いんですが、思ったより綺麗に飛んでいかなかったですね。まぁそれはきっと胸部装甲がデカい所為でしょう……けしからんです。


 見晴台に到着するユズ。しかし体制を崩したまま到着した彼女は、屋根の平面に頭をぶつけながら着地しました。


「いっっっったぁぁぁぁぁぁ!?」


「ユズ!?凄い落ち方しましたけど大丈夫ですか!?」


「だ……大丈夫、多分」


「それなら良かったです。私もそっちに向かいますね!」


「……あーい」


 私は階段を駆け上がってユズの元へ向かいました。


 さっきより爆発音が増えてます、しかも音が近付いてる……?。


「エルシアちゃん!ライオットが見えたよ!」


「そのまま狙い撃ちしちゃって下さい!」


「分かった!ただ、空中を浮遊している物を撃つのは初めてだから、外しても怒らないでね!」


「怒りませんよ!」


 えぇ怒りませんとも。まぁ外した時点で、ライオットは私たちの位置に気付くでしょうし、そうしたらA・Aでの迎撃も飛んでくるでしょう。そうなった場合、逃げ場が無いんで一緒に仲良くあの世行きなだけです。


 でも私はまだ死にたくないんで、ユズが当ててくれる事を祈ります。


 バシュュン。


 大きな音を立てながら、ユズの発射したレールガンが飛んでいきます。


 私の居る場所からだとライオットは確認できませんが……お願いしますよ、ユズ!。


「あぁちくしょう!」


「言葉使いが悪いですよ、どうしました?」


「エルシアちゃん、早く降りて!」


「……え?」


 やっと最上階に辿り着いた私の手を引いて、ユズが階段を下り始めました。


「え!?どうしたんですかユズ!?」


「レールガン、当たった事は当たったんだけど……」


 ユズの声に被せる様に、大きな爆発が私たちの背後で起こりました。


 さっきまで私たちが居た場所は、最初から何も無かったかの様に、跡形も無く吹き飛んでいました。


「いてて……エルシアちゃん無事!?」


「えぇ大丈夫です。A・Aの破壊力って凄まじいですね。衝撃波で壁に叩き付けられたの初めてですよ」


 先に立ち上がったユズが私に手を差し伸べてきました、私は彼女の手を取り立ち上がると、急いで再び階段を下り始めました。


「で、レールガンは当たったんですよね?」


「うん、でもあのA・Aってヤツ、余りにも硬すぎるよ。傷1つ付かなかった」


「別に壊す事が目的では無いでしょう。……ライオットは手放さなかったんですか?」


「うん。右腕全体をA・Aが包んでるみたいになってた。あれじゃ腕も一緒に落とさない限りA・Aを奪い取るのは難しいかもしれ――」


「――っ!?。ユズ!避けて!!」


 ユズがの話が終わる前、一瞬だけ体全体が震えるような恐怖を感じました。きっとA・Aの2射目が飛んで来る前触れを直感的に感じたんでしょう。私はユズを階段の向こうに無意識の内に突き飛ばしていました。


 次の瞬間、私の視界は真っ白な光に包まれていました。


 最初こそ痛みを感じましたが、今は全く痛くないです、頭も冴えてる気がします……。もしかして、私は死んだんでしょうか?その割にはユズの泣き叫ぶ声が鮮明に響いてきます。


「エルシアちゃん起きてっ!まだ死んじゃ駄目だよっ!」


 うるさいですよ、ユズ。そんなに叫ばなくても聞こえてますって。


「エルシアちゃんはまだやりたい事があるんでしょ!?地層が変になってた原因を探るんでしょ!?王都に集められてる本や資料を見たいんでしょ!?まだ何も出来て無いんだよ!!だから死んじゃ駄目!!」


 そうですね……まだ何も叶えられて無いんですよね。


 何も見えないし痛みも感じませんが、私の顔に何か温かい物が落ちて来てるのが分かります。これはユズの涙でしょうか?。


「お願いだよ……目を覚ましてよ……エルシアちゃん……!」


 そんな悲しそうな声を出さないで下さい、こっちまで悲しくなるじゃないですか。


「エルシアちゃんの心音が弱くなってる……!。どうすれば良いの!?」


 うーん、まぁ放って置いても平気なんじゃないですか?だってホラ……私って魔女ですし。魔女って無駄にしぶとそうだし。と言うか私ってまだ生きてたんですね。


「そ、そうだ!心臓マッサージをすれば!」


 いやいや待ってください。アレって結構難しいんですよ?特に力加減とか。


「エルシアちゃん!お願いだから戻って来てっ!」


 ユズが私の体に体重を掛けて、心臓マッサージを始めました。痛みは無くても感覚は残ってるんで何となく分かるんです。


 と言うか、幾ら心音が弱くなってるとはいえ、まだ動いてる心臓にマッサージなんてしたら逆に止まっちゃうんじゃないんでしたっけ!?。


「おね、がい……。戻って、来てっ!」


 ……ヤバい、ユズにトドメ刺されそうです。ユズの善意で殺される前に、何とかして起き上がらねば。


 そういえば昔、私の故郷に伝わるおとぎ話にも今の私と似たような状況に陥った女の子が出て来たんですよね。あの女の子はどうやって復活したんでしたっけ……?。


 たしか彼女の事を罵倒する幼馴染の男の子が、涙を流しながら殺人鬼の攻撃で死にかけている女の子にいつもの様な罵倒をしたんでしたっけ……なかなか感動する場面だったと記憶しています。


 その罵倒に怒りの限界値が超えた女の子は、急に起き上がると幼馴染の胸ぐらを掴んで、殺人鬼目掛けて男の子をぶん投げて殺人鬼を無力化、こうして女の子は死なずに殺人鬼を捕まえて、一躍時の人として褒め称えられ、数年後には女の子と幼馴染の男の子は結婚して、彼女たちの赤ちゃんに愛情を注ぎながら終わる……そんな話だった気がします。……改めて思うんですが、この物語って随分ぶっ飛んだ話だと感じますね。


 まぁ何はともあれ、この女の子の様な状況に今の私を酷似させれば、もしかしたら復活出来るかもしれないです……やってみましょう。


 今回、ユズは私の事を罵倒してくれません、自分で自分を罵倒する事になります。


 ……やーいお胸ぺったんこ!その年でノーブラも平気とか恥ずかしく無いのかよーww。


 ユズと比べてスタイルが良く無いじゃないかー。ボンッ、キュッ、ボンッ、じゃ無くてキュッ、キュッ、キュッ、じゃないかーww。


 お前の脂肪は胸じゃ無くて、お腹に溜まってるんじゃないのかww。


「んなー!うっさいですね!!ぶっ殺しますよ!!!ってか全部胸の事じゃないですか!!!!」


「ふぇええぇえぇ!?何かごめんねエルシアちゃん!?!?」


「ふー、ふー……戻って来れましたか。何かすこぶる気分は悪いんですけど、まぁ良しとしましょう」


「良かった……エルシアちゃんが生き返った……!」


 私の事を全力で抱きしめるユズ、暑苦しいんで引き離そうとしたその時、彼女の体が微かに震えている事が分かりました……本当に心配を掛けたみたいですね。


「ユズ、しっかり貴女の声は聞こえていましたよ。ありがとうございます……ただいま」


「うんっ!良かった……!。おかえりエルシアちゃん!」


 ユズがやっと私から離れてくれました。さて、周りの状況はど応なっていますかね?。


 相変わらずライオット付近では、大きな爆発音が響いています。……リンネさんも参戦したのか、今まで確認できなかった蒼い矢が飛んでいくのが見えます。


 となると、私たちが次に取る行動は、ライオットの腕を引き千切る事でしょうかね。


 ……それにしても体の痛みが殆ど無いです、大丈夫なんでしょうか?。


 私は自分の体を見て愕然としました…服が破け飛んでるのは仕方ないとして、一部風穴が開いてるじゃないですか!幸い急所は外れているし、内臓には大きな損傷は無いみたいですけど、これは応急手当で何とかなるってレベルじゃ無いです……。


 とはいっても、ここまで頑張って後は任せるなんて癪ですよね。もうひと踏ん張りです、やってやりましょう!。


「ユズ、そのロングカーディガン貸してもらえませんか?いくら崩壊していて殆ど人が居ないとはいえ、流石に下着姿のまま外に居たくないんで……」


「あはは、そうだよね。エルシアちゃんってそーゆーとこ本当に乙女だもんね。はいどうぞ」


「ありがとうございます。それと乙女じゃ無くても下着のまま外を出歩くのは抵抗があると思いますが」


「そう?私は故郷で全裸のまま庭に出てたりしたけど」


「……ユズの庭の周り、男性が集ってたんじゃないですか?」


「確かにお兄ちゃんの友達とか、よく庭の方に来てたかな。……私の事が珍しかったのか、すっごい凝視されてたけど」


「それ、貴女の胸とか股とかお尻とかを見られてたんですよ……」


「……マジか!」


 ……まぁその話は追々するとして、とりあえず行動を開始しましょうか。


 私はユズから借りたロングカーディガンを着ると、ライオットが居るであろう場所に向かって全速力で走り始めるのでした……。

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