21.サンのだけ高すぎだろ。運営に文句言ってやる。
前回までのあらすじ。
ミルフィーユから300万MA、生活用品、食料を貰った。
ゲームセンターを設置した。
◇ ◇ ◇ ◇
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入手 「自然獲得(500DP)」x3
手持ち5,321,490DP→5,322,990DP
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ギャルゲー『FFF(フォルテフォルテッシモ)』を遊びつくした。
FFF(フォルテフォルテッシモ)は音楽記号のタイトルだが、別に音楽が主題のゲームではない。
普通の学園恋愛アドベンチャーゲームだ。
真っ赤な落ち葉が一年中落ちる島、紅葉島で繰り広げられる恋。
というのがゲームコンセプト。
紅葉のように色鮮やかに、強く、強く、それはまるでFFF(フォルテフォルテッシモ)のような恋……。
あまり言うとゲームのネタばれになるので、この辺で話は留めるが。
「「「イーッ!」」」
「お、帰って来たのかお前ら。また何か欲しいのか?」
3人の小人、イチ、ニー、サンが俺の前に現れ、紙を手渡してきた。
ふぅむ?
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ダンジョンタイプ「近未来」の機能について簡易まとめ
・無線送電、発電(侵入者には無効)
・部屋の空気の温度調節(-600℃~10万℃)(約10分で設定温度に達する)
・映像表示、光の支配
・人工魔獣作成
・配下HPMP自然回復
・鑑定機能
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そういえば、『ダンジョンタイプ「近未来」の機能一覧』本を渡していたな。
って待て、-600℃って何だ。絶対零度は-273.15℃だろ。
それより低い温度は存在しないはずだ。
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未来の物理学では、プラスのケルビン温度だけでなくマイナスのケルビン温度を支配する技術も確立されています。
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ちょっと何言ってるのか分かんないです。
日本語でお願いします。
「イーッ!」
ん? イチがもう1つ紙を渡してきた。
「『ダンジョンの機能が使えるのはマスターだけアルから、マスターの協力をお願いするアル』だって?」
「「「イーッ!」」」
小人達はうなずく。
イチは温度を用いて手作りトラップを作りたいらしい。
ニーは光支配を用いて幻覚トラップを作りたいらしい。
サンは人工魔獣作成を用いて、データ上で作った強い人工魔獣を実体化したいらしい。
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イチさんの要望なら10,000DP、ニーさんの要望なら15,000DP、サンさんの要望なら658,000,000DPで実現可能です。
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サンのだけ高すぎだろ。運営に文句言ってやる。
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複雑なフォルムで、強い魔獣を再現すると、高くつくのです。
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サンに、DP的に無理と伝えるとしょんぼりする。
単純フォルムで弱い人工魔獣なら安く作れるから、それで我慢してもらおう。
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ダンジョン機能『温度調節』を使用しました。(10,000DP)
ダンジョンの一部の温度を変更しました。
手持ち5,322,990DP→5,312,990DP
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ダンジョン機能『光の支配』を使用しました。(15,000DP)
ダンジョンの一部に虚像を投影しました。
手持ち5,312,990DP→5,297,990DP
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ダンジョン機能『人工魔獣作成』を使用しました。(200,000DP)
人工魔獣を2体作成し、『スフィア』『キューブ』と名付けました。
手持ち5,297,990DP→5,097,990DP
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球体の人工魔獣『スフィア』と、立方体の人工魔獣『キューブ』
を作ってやった。200,000DPもかかったというのに、あまり強くないな。
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人工魔獣(スフィア) Lv:1
スキル:【初級光子銃】
HP 75/75 MP30/30
力25 頑丈さ60 素早さ45 知識50 魔法力25 器用さ25
ふわふわ浮かぶ球体の疑似魔獣。命が制作。
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人工魔獣(キューブ) Lv:1
スキル:【初級光子銃】
HP 75/75 MP30/30
力25 頑丈さ60 素早さ45 知識50 魔法力25 器用さ25
ふわふわ浮かぶ立方体の疑似魔獣。命が制作。
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2mくらいの機械仕掛けの、立方体と球体が浮かんでいる。
サンは微妙な顔をしたが、使用したDPを伝えると驚き、『そんな無駄遣いさせて申し訳ないっス!』と書いて謝罪した。
「うむ。使用したDP以上にDPが稼げるよう、精進してくれ」
小人達は、スフィアとキューブを伴って俺の部屋を出て、また外に行ったらしい。
あの人工魔獣には、俺だけでなく小人の命令も聞くように設定してある。
彼らなら何か役に立ててくれるだろう。
にしても、今日の俺はダンジョン運営にDPを使い過ぎた。
今後は自重しよう。ゲームが買えなくなる恐れがある。
ゲームといえば、FFF(フォルテフォルテッシモ)が終わったからゲームセンターの様子でも見に行ってみるか。
俺は部屋から出て行き、バッハの横を通り過ぎ、ゲームセンターへと向かった。
◇ ◇ ◇ ◇
今回の成果。
増減前5,321,490DP
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収入1,500DP
支出225,000DP
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現在5,097,990DP
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