異世界でダンジョン運営任されたけど知るか。それよりゲームするわ

１８．（エクストラ）ダンジョン改造屋の１日

前回までのあらすじ。

１１連ガチャ引換券（ゲーム）を１つ回した。

◇　◇　◇　◇

・ダンジョン改造屋の視点

「イーッ！（俺が残りの１個のボススポナーを貰うアル！）」

イチが主張する。語尾にアルが付いているが中国製ではない。

「イーッ！（いいえ！　わたくしでペコ！）」

ニーが主張する。語尾にペコが付いているのはなんとなく。

「イーッ！（自分も欲しいっス）」

サンが主張する。チャラい後輩口調だが、特に理由はない。

「「イーッ！（お前１階層にボススポナー使っただろペコアル！）」」

「イーッ！（うーん、階層ごとに１体ボスが欲しいっス）」

３人の小人は、命からもらったアイテムを分配していた。

３で割り切れないアイテムはじゃんけんで勝った者がもらっていた。

だが、このボススポナー【人工蜘蛛神（アーチファクト・アトラクナクア）】はとても貴重品。

そう簡単には決められない。

「イーッ！（なら、命先輩に決めてもらえばいいっス！）」

「イーッ！（それだアル！）」

「イーッ！（それは公平だペコ！）」

命はといえば、すぐそばでゲームしている。

2064年お勧めゲーム詰め合わせに入っていたゲームの１つ、ＦＦＦ(フォルテフォルテッシモ)という１８禁ギャルゲーをしていた。

「イーッ！」

イチが命の服を引っ張る。

「ん？　どうかしたか？」

イチは紙に、「このボススポナーがイチとニーのどちらにふさわしいか決めて欲しいアル！」と書く。

「済まんが、お前らの能力、何も知らないんだ。

客観的な判定は無理だな」

「イーッ！（そこをなんとかペコ！）」

「ボススポナーがあればいいんだな？

人工音声さん、ボススポナーってどのくらいするんだ？

……高ッ！　今の俺でもちょっとしか買えないぞ？！」

それはそうだ。スポナーは基本的にボスも雑魚も５００体分の値段する。

普通のダンジョンマスターはボスエッグを購入して、ボスを配置している。

ボススポナー持ちはよほどDPに余裕があるか、よほどの幸運持ちがガチャで当てるしかない。

ひょっとして命はそのことを知らないのではないだろうか？

そう思ったイチは、「買ってくれるならボスエッグでもいいアル」と書く。

「なるほど、ボスを配置するだけなら、

普通に単品購入でもいいわけか」

普通はボスを配置するなら、ボスエッグ単品購入だ。

そして、よく倒されるor気にいった奴を特別にスポナーで配置するのだが、命はその辺の感覚が分かっていない。

「そういやボスエッグのガチャとかある？

人工音声さん。……あるんだな、よしじゃあ１１連ガチャ引換券（ボスエッグ）を購入だ」

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購入 １１連ガチャ引換券（ボスエッグ）(50,000DP)

手持ち5,671,490DP→5,621,490DP

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ダンジョン改造屋は、ガチャ引換券を買うことも使うことも出来ない。

それはダンジョンマスターのみの特権なのだ。

だが、それを買うように頼むなど、恐れ多いことだ。

なにせ自分達は、嫌われ者のアンラッキーアイテム。

ダンジョンマスター同士で押し付け合う、不遇の象徴。

なのに。

命はためらいもせずDPを使ってくれた。

３体のダンジョン改造屋には命が神様のように思えた。

命からしたら、ダンジョン運営に必要らしいし、まあ買っておいてやるか。

という軽い気持ちだったのだが。

「さっそく使用っと」

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以下のアイテムを入手しました。レア度S、SS、SSSが当たりです。

「ボスエッグ【人工骨（アーチファクト・スケルトン）】(レア度S)」

「ボスエッグ【人工黄金鳥（アーチファクト・ガルーダ）】(レア度SSS)」

「ボススポナー【人工殺人赤帽子（アーチファクト・レッドコーム）】(レア度SSS)」

「ボスエッグ【人工小鬼長（アーチファクト・ゴブリンリーダー）】(レア度S)」

「ボスエッグ【人工悪魔蜂長（アーチファクト・イビルホーネットリーダー）】(レア度S)」

「ボスエッグ【人工河馬（アーチファクト・ヒポポタマス）】(レア度S)」

「ボスエッグ【人工合成竜（アーチファクト・ムシュフシュ）】(レア度SSS)」

「ボスエッグ【人工巨大魚（アーチファクト・バハムート）】(レア度SSS)」

「ガチャ限定エッグ【人工盲目蛇（アーチファクト・オピーオン）】(レア度SSS)」

「ボスエッグ【人工三首邪竜（アーチファクト・アジダハーカ）】(レア度SSS)」

「ボスエッグ【人工不死王（アーチファクト・リッチー）】(レア度SS)」

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「おい。ゲームガチャではゲームの当る確率少なかったのに、ボスエッグはどうしてたくさん当るんだ。運営に文句言ってやる」

命は女神パチモへ苦情メールを送っていたが、そんなことを３体は知る由もない。

「で、ボスエッグは１０個、スポナー１個当たったから、えっと……ボスエッグ【人工骨（アーチファクト・スケルトン）】は俺が預かるよ。これなら３人で分けられるだろ？」

「イーッ！（ダンジョンマスターのガチャ運すげーアル！）」

「イーッ！（スポナー当てるとかマジかペコ……）」

「イーッ！（これはダンジョン改造が捗るっス！）」

「ほれ。仲良く分けろよ」

３体の喧嘩はいったん収まったかのように見えたが……

「イーッ！（ガチャ限定エッグは俺がもらうアル！）」

「イーッ！（いいや、わたくしペコ！）」

「イーッ！（自分も欲しいっス！）」

「だから仲良くしろよ……」

イーイーうるさい中で、命はゲームを続けることにした。

が、ゲームの邪魔になるので、命はサイコロを貸してとっとと分け前を決めさせた。

◇　◇　◇　◇

今回の成果。

増減前5,671,490DP

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収入0DP

支出50,000DP

―――――

現在5,621,490DP

・分け前

イチ：２、５、８階層担当

ボススポナー【人工蜘蛛神（アーチファクト・アトラクナクア）】

ボスエッグ【人工黄金鳥（アーチファクト・ガルーダ）】

ボスエッグ【人工小鬼長（アーチファクト・ゴブリンリーダー）】

ボスエッグ【人工三首邪竜（アーチファクト・アジダハーカ）】

ニー：３、６、９階層担当

ボススポナー【人工殺人赤帽子（アーチファクト・レッドコーム）】

ガチャ限定エッグ【人工盲目蛇（アーチファクト・オピーオン）】

ボスエッグ【人工悪魔蜂長（アーチファクト・イビルホーネットリーダー）】

ボスエッグ【人工合成竜（アーチファクト・ムシュフシュ）】

サン：１、４、７階層担当

ボスエッグ【人工不死王（アーチファクト・リッチー）】

ボスエッグ【人工河馬（アーチファクト・ヒポポタマス）】

ボスエッグ【人工巨大魚（アーチファクト・バハムート）】