17.同じアイテム3つも被らせるなよ! 運営に文句言ってやる!


前回までのあらすじ。

大量にDPを入手した。

11連ガチャ引換券(ゲーム)を2つ購入した。



◇ ◇ ◇ ◇



ミルフィーユの部屋から自分の部屋に帰ってきた。


さっそく11連ガチャ引換券(ゲーム)を1つ使用だ。


よろしく人工音声さん。


ガチャチケットが1枚消え、ガチャ機械のVRがガチャガチャ音を立てて、ガチャポンが出てくる。


パカッ。



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以下のアイテムを入手しました。レア度S、SS、SSSが当たりです。

「2064年お勧めゲーム詰め合わせ(レア度SSS)」

「浮遊ボード(レア度S)」

「アンラッキーアイテム【ダンジョン改造屋】(レア度SSS)」

「アンラッキーアイテム【ダンジョン改造屋】(レア度SSS)」

「アンラッキーアイテム【ダンジョン改造屋】(レア度SSS)」

「トラップ【反重力装置】x10(レア度S)」

「トラップ【培養カプセル】x10(レア度S)」

「スポナー【サイバーBOX型ミミック】(レア度SS)」

「ガチャ限定ゲーム『不思議の永久回廊』(レア度SSS)」

「魔剣グラム(レア度SSS)」

「ボススポナー【人工強欲竜アーチファクト・ファフニール】(レア度SSS)」

――――――――――――――*――――――――――――――


同じアイテム3つも被らせるなよ!

運営に文句言ってやる!


――――――――――――――*――――――――――――――

ガチャ限定ゲームが当ってよかったですね。

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そうだな。それは嬉しい。

ゲームの詰め合わせも当ってうれしい。


とりあえずアイテム確認するか。


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『2064年お勧めゲーム詰め合わせ』x1

【説明】2064年のお勧めゲーム詰め合わせ。

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俺的大当たり。福袋みたいな紙袋だ。

お勧めゲーム詰め合わせってくらいだから楽しみだ。


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『浮遊ボード』x1

【説明】空を飛ぶことが出来るスノーボード。

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へぇ。便利そうだな。次。


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『アンラッキーアイテム【ダンジョン改造屋】』x3

【説明】捨てられない。ダンジョン改造屋は

ダンジョンを勝手に改造する。

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小さな2頭身の人間が3体。小さいながらも服を着ている。

ブラウニーかな?


「イーッ!」「イーッ!」「イーッ!」


こいつらの名前、ショ○カーにしてやろうか。


――――――――――――――*――――――――――――――

著作権的に駄目です。というかアイテムなので、名前を付けても無意味です。

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「お前らの名前は、イチ、ニー、サンな」


「「「イーッ!」」」


何言ってるか分かんない。翻訳機能どうした。


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彼らはあくまでアイテムなので、翻訳対象外なのです。

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「そうなのか。可哀そうに」


「イーッ!」「イーッ?」「イーッ!」


ん? サンがスポナー【サイバーBOX型ミミック】の機械卵を

持っている。


「イーッ!」


――――――――――――――*――――――――――――――

放っておくと、アイテムを勝手に分解しますよ?

大事なアイテムは分解対象外に指定してください。

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よく分からんが、ゲーム関連のアイテムを分解対象外にしておいてくれ。


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ゲーム関連のアイテムを全て分解対象外にしました。

――――――――――――――*――――――――――――――


で、アイテムが分解されると不都合があるのか?


む、スポナー【サイバーBOX型ミミック】が光の玉になり、

サンがニヤリとする。


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1階層に大部屋が設置されました。

ボススポナー【人工強欲竜アーチファクト・ファフニール】が使用されました。

1階層に通路が敷かれました。

トラップ【反重力装置】が設置されました。手持ち10→6

トラップ【培養カプセル】が設置されました。手持ち10→8

1階層のトラップに探知不可が付与されました。

――――――――――――――*――――――――――――――


……は? 俺は何も指定してないぞ?

ダンジョンが勝手に改造された?


――――――――――――――*――――――――――――――

そういうことです。

アイテムを分解することで疑似DPを獲得し、チケットも勝手に使い、ダンジョンを改造するのです。

チケットを隠しても探し当てて使われるため、最悪のアンラッキーアイテムの1つです。

――――――――――――――*――――――――――――――


なるほど。こいつら……




……素晴らしい!


――――――――――――――*――――――――――――――

……はい?

――――――――――――――*――――――――――――――


「要するにダンジョン運営を手伝ってくれるってことだろ?」


「「「イーッ!」」」


「よーし、俺の持ってるゲーム以外のチケットとアイテム全部やるよ!

これで思う存分改造しな!」


「「「イーッ?!」」」


「あと、アイテムスポナーから発生したアイテムがこの10階層に散らばっているから、そいつらも使っていいぞ」


「イーッ?!」「イーッ!」


「で、お前らって意思疎通できるのか?

俺の言ってることが分かるならジャンプしてくれ」


「「「イーッ!」」」


おお、ジャンプした。何だ、言葉通じるじゃん。


「なら日本語分かるか? ってか書けるか?

出来るのなら伏せ」


「「「イーッ!」」」


伏せた。つまり適当に反応してるわけじゃなく、本当に分かるってことだ。


「よしよし、それなら文通で意思疎通が出来そうだ。

何か書く物は……」


「イーッ!」


「ん? 紙と鉛筆? どこにあったんだそんなもの」


「イーッ!」


「そうか、アイテムランダムスポナーが出したアイテムか」


分厚いノートとHB鉛筆だ。

サンは鉛筆の芯を小型ナイフで棒状に削り、それで紙に文字を書いてみせる。


「なになに?『ダンジョンマスターの命先輩、マジ心広いっスね!

自分、感動したっス!』だって?」


「イーッ!」


「どれどれ?『一生ついて行くっス』だって?

そうかそうか。ま、よろしくな」


「「「イーッ!」」」


この時俺は知らなかった。

ダンジョン改造屋を所持しているのは俺だけだということを。


また、俺は後から気付いた。

11連ガチャ引換券(ゲーム)を1枚使い残していて、うっかり彼らに渡してしまったことを。


引換券は疑似DPに還元されてしまっていた。

俺が自分の意思で手渡ししたため、分解対象外の指定が解除されたらしい。

泣きそう。



◇ ◇ ◇ ◇



今回の成果。


増減前5,671,490DP

―――――

収入0DP

支出0DP

―――――

現在5,671,490DP



ダンジョンマップ(1階層)

改造者:サン

入:入口

小:小部屋

大:大部屋

X:行き止まり



X━┓

X ┣┓

┃┃┃

┣┫┃

┃┃┃

農┓X┃

 ┃ ┃

 小1┃

┏━┛

大1X X

┃┣┫

┣┻┛



小1:動く床あり(次階層へ移動可能)

大1:ボス人工強欲竜アーチファクト・ファフニールが居る。

農:サイバーファーム


使用トラップ:全て探知不可が付与済み

【反重力装置】x4

【培養カプセル】x2


【反重力装置】のうち2つは小部屋のすぐ前に設置。

天井に打ち上げられた侵入者はそのまま天井に設置された【培養カプセル】に捕まり、窒息する。


【反重力装置】の残り2つは大部屋に設置。

ボスに気を取られていると足元をすくわれて隙が出来る。



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