5.蘇生費用高すぎ! 運営に文句言ってやる。
前回までのあらすじ。
ゴブリンが来たので、メカコアトルさんにやっつけてもらった。
大食い猫又が仲間になった。
◇ ◇ ◇ ◇
疲れたので、テトリスを終えて、非常食(カロリーメ○トもどき)をかじる。
時刻は夜だ。
そういえば水を飲んでないけど、俺の体は平気なのだがどうなってるんだろう。
ふと、部屋の隅に積み上げられた(主に非常食だが)アイテムに目を向ける。
アイテム置きっぱなしだと、さっきのゴブリンみたいなのに持っていかれるなぁ。
4次元ポ○ットみたいな、無限に収納できるアイテムはないのか?
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検索対象「収納 無限」結果1,000,000件以上
1.安物無限収納袋(1,000DP)
2.アダマンタイト製無限収納箱(100,000,000DP)
3.ミミック(500DP)
……
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うーん、安物無限収納袋は1000DPか。
ミミックは魔獣だろうし、倒されたらアウトだから駄目だな。
しばらくはアイテムは放置か。
アイテムといえば、アイテムスポナー【完全ランダム】を持っていたな。
ひょっとすると、便利なアイテムが現れるかもしれない。
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アイテムスポナー【完全ランダム】は、階層数10以上なければ使用できません。
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む、面倒な仕様だな。
というか、階層を増やす方法って何だ?
階層と階層の間は何を設置するんだ?
階段? はしご? 穴?
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ダンジョンタイプが「近未来」の場合、階層間に動く床、またはテレポーターを設置することで階層を増やすことができます。
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階層は地下の一番下が最深部ってことでいいのか?
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地上部分を上に伸ばして、最上層をダンジョンの最深部とする型もあります。好みの問題です。
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なるほど。
ちなみに動く床、テレポーターの値段は?
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検索対象「動く床、テレポーター」結果1,000,000件以上
1.安物の動く床(1,000DP)
2.安物のテレポーター(1,000DP)
3.演出過多の動く床(2,000DP)
……
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安物って、壊れやすいってことか?
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オブジェクト破壊は、過去にやりすぎな冒険者やダンジョンマスターが存在したため、破壊無効となりました。
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やりすぎって何だよ。
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例えば、階段を崩して次の階層に移動できないようにしたりなど。
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……それってアリなのか。
ダンジョンクリアできないじゃん。
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各階層のボスを無視してダンジョンの床をひたすら掘って最下層へ行ったりなど。
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セコッ! セコすぎるだろ!
いや、それがOKなルールなら俺だってそうするだろうが。
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納得いただけましたか?
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つまり、マナーの悪い人のせいで、ダンジョンが強固になったってことか。
安物の動く床を設置したとして、壊れる心配もないわけだ。
「にゃ!(ダンジョンマスターさん!
ボクまだ食べ足りないから、外出かけてもいい?)」
白い猫又が俺の部屋にやってきた。
ゴブリン6匹食ったのか。
早すぎだろ。ってかまだ足りないのかよ。
「出かけてもいいけど、外出ても大丈夫なのか?」
「にゃ?(大丈夫って何が?)」
「いや、メカティラノみたいに勝手にどっか行ったりしないのかってことだよ。
ちゃんと帰ってくるのか?」
「にゃ!(モンスターには帰省本能があるから、メカティラノさんとやらもそのうち帰ってくるよきっと!)」
「そのうちじゃ駄目だろ、ちゃんとすぐに帰ってこいよ」
「にゃ!(そんなに心配なら、名前を付ければいいよ)」
「名前?」
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名前付きモンスターの名付け親は、その魔獣が離れていても、指示を出すことが出来ます。
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「え、じゃあティラノにも名前をつけなきゃ」
「にゃ(名付け親と名付けられる者同士が了解してないと出来ないよ)」
「ということは、ティラノが近くにいない今は無理か」
そうか。
ダンジョン内だと、俺のモンスターは俺に絶対服従。
しかし、ダンジョン外で現れたティラノは、俺の言うことを聞くとは限らない。
だからスポナーはダンジョン内に置くんだな。
そしてダンジョンで名前を付ければダンジョンの外でも自分のモンスターを使うことが出来る、と。
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その認識で正解です。
さらに名付けられた魔獣が死亡した場合、レベルx50DPで同一個体を蘇生する権利が得られます。
蘇生させる場所はスポナーやエッグで召喚した元の場所か、ダンジョンマスターの|傍(そば)です。
ボスの蘇生は1日1回までです。
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高いな蘇生ペナルティ。
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……過去はレベルx1000DPだったのですが、ダンジョンマスター達が高すぎると文句を言ったので、現在の価格設定になって
います。
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蘇生費用高すぎ! 運営に文句言ってやる。
って人が大勢いたんだな。
今の値段は、一応は安くなっているわけだ。
「にゃん(で、どうする? ボクに名前付ける?)」
「そうだな。『食い倒れ』ってのはどうだ?」
「にゃー!(何だよその最悪なネーミングセンスは!
まだ『シロ』とか『タマ』とか安直な名前の方がマシだよ!)」
「それじゃ『バッハ』で」
「ふしゃー!(もっと可愛い名前はないの?!)」
俺のネーミングセンスに文句があるのか。
生意気な奴め。
「なら自分で決めろよ」
「にゃ!(『ホイップ』でよろしく!)」
「お菓子系が好きなのか。よし『ミルフィーユ』だ」
「にゃー!(ボクに決めさせてくれるって言ったくせに!
でもマシだからそれでオッケーだよ!)」
というわけで、猫又の名前は『ミルフィーユ』に決定した。
「ついでにケッツァコアトル、お前は『バッハ』な」
「グォオオオオオオ!」
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大食い猫又を『ミルフィーユ』と名付けました。
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「にゃー!(とばっちりで階層ボスに変な名前がー?!)」
「変な名前とは失礼な、世界中のバッハさんに謝れ。
ほれ。名前付けてやったんだから行って来い」
「にゃ(ま、まあ本人が納得してるならいいか……)」
猫又は俺の部屋から出て行った。
「朝までには帰ってくるんだぞー」
もう聞こえない距離だろうが、感覚的に俺の指示は届いた気がした。
◇ ◇ ◇ ◇
今回の成果。
増減前60DP
―――――
収入0DP
支出0DP
―――――
現在60DP
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