2資格
北海道。日本の最北端に位置し、面積も日本の都道府県の中で最大。有名なのは、札幌時計台、さっぽろラーメン、小樽のガラス、函館の夜景、世界遺産知床、アイヌ民族あたりか。ほかにも、数多くの魅力がある北海道は、近年、日本人をはじめとする多くの人に人気な観光地だ。スキー場や別荘地など、開発も進んでいる。
北海道に住んでいる動物たちにとっては、人間というものはとても脅威な存在であろう。住宅などを作るために森林は伐採され、道路を強制的に敷き、たとえ世界遺産として自然を保護していても、人々は群がる。動物たちは、日々住みかを追われているのだ。しかし、この広大な北海道の大地には、少し不思議な心を持った動物だって生きている。
キツネが腹ごしらえを終えたころ、さっき会話していたシカがものすごい勢いでキツネに近づいてきた。
「ね、ねえ!キツネ君!」
「んーなんだよ俺は今うさぎ食って満腹なんだよーもう、どうした?」
「僕は草食だ!!そんなことより、やばいよ、奴らが来たんだ!」
「奴らって、もしかして人間か?」
「そうだよ!また僕らの森を壊しに来たんだ!逃げなきゃ、君もその足だ、早く動いた方がいいぞ!」
言い終わるのが先か、動いたのが先か、シカはものすごい勢いで森の深くへと行き、群れの中へ溶け込んでいった
「ったく
そう言い残すと、キツネはまたのっそりと動き、大きな音のするほうから離れたかと思うと、すぐに向き直って人間がいる方へと目を向けた。
「やっぱいつみてもすげーな、あの迫力」
キツネは感心していた。キツネのまなざしの先には、人間たちが木を伐採している姿が見えた。
ブルルルルルルル ウワァーン ブルルルルル
男の手にはチェーンソーが握られていて、木の根元に丁寧に切り込みを入れていく。奥の方では、重機がものすごいスピードで木を丸裸にし、幹を束ねていく。
「す、すげえ」
キツネの口からはそれしか漏れなかった。動物にとってあの行動は恐怖でしかないはずなのだが、キツネの目は少年のようにキラキラしていた。
「……俺もやってみてぇー。さ、ぼちぼち逃げるか、新しい家を探さないと。」
そう言い残して、キツネはゆっくり歩きだした。キツネはいつしかあの破壊神ともいえる人間のパワーにあこがれていた。キツネは右の後ろ脚を引きずりながらシカの行った方へと向かう。
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