02「一期一会 ーいちごいちえー」

 花屋の花さん、保育士の保奈美さん、コンビニ店員の青ちゃん。みんな美人でかわいい。

 本当の名前は知らない。誰を彼女にしようか悩んで、誰にも声をかけられていないから。


 自転車を駐輪場に置いて、駅前のコンビニに入る。

 やっぱり、年齢が近い青ちゃんがいいかな。少し年下なのがいい。


 青ちゃんに話しかけられるにはどうしようかと考えていたら、店内で誰かがこけたらしい。大きな音がした。


『大丈夫ですか』


 耳に届いた綺麗な声に、俺センサーが反応。立ち上がろうとしている老人そっちのけで確認して……にらまれた。


ーーーー


「――っは。夢か……。眼光鋭い美人は恐いな」


 美人ににらまれたくはないから、これからは心を改めよう。



一期一会いちごいちえ:一生に一度しか会う機会がないような縁であること』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る