16「夏のある日、霊魂占術師が森の中で」
半透明の兎が、
「お前も、肉食えよなー」
「森の友達を食べるなんてできないよ」
困ったように眉を下げる青年は、自分の顔と瓜二つの浮遊する人物に反論した。
「世の中は弱肉強食。そんな弱っちいことを言ってるから、いつまでもガリガリなんじゃねーか」
「それはそうだけど……」
青年は、目の前で腕を組んで浮かぶ双子の兄を見る。逞しかった兄は熊から弟を庇い、その時の怪我が原因で命を落とした。
「お前がもっと頑丈になってくれねーと……」
言葉を途切れさせた兄は、瞬時に黒紫の炎を身に
兄の視線を追う。すると半透明のひらひらした何かが、木の間を器用に通り抜けてこちらに近づいてきていた。
三間 いとう縁凛 @15daifuku963
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。三間の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます