16「ラウカ」

 城塞都市。それは外敵から身を守るすべ。魔物が蔓延はびこる世界の中で唯一、人の命が保証される場所――。


 ディアーボ大陸。それは果てしなく続く大地。海も山も、川も野原もある。広大な陸地には、七十二の大小様々な国があった。各国は民を守るため、各々おのおのが城塞都市を築いた。高い壁、深い堀、断崖絶壁……人工物やしぜんぶつを使い、『外』と『内』を区別する。


 大陸の中央に位置する、ラウカ。交易の中心でありながら、難攻不落の都市として君臨していた。

 交易都市らしく、東西南北に大きな門がある。そこを閉じれば高い壁が侵入者を拒むだろう。しかしそれだけだ。壁は高くとも時間をかけたり、道具を使用すれば攻略できてしまう。空からの襲撃者には対応できていないように思える。


 門を抜ければ様々な商売人と、冒険者と、ラウカで生まれ育つ者がいる。

 人々は言う。ラウカは地上の楽園だ、と。

 果たして、本当にそうなのか。難攻不落たる、その理由は――。


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マクミク いとう縁凛 @15daifuku963

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