07「せっかち」

 少しだけ開いたカーテンの隙間から、星空が見えている。

 右側のカーテンの角と掛布団の角が、ひもで繋がれているのはなぜだろう。

 ――あぁ、そうか。朝カーテンを開ける……開けられると同時に、掛布団をめくり上げるのかもしれない。


 翌朝の準備だろうか。ベッドから扉にかけて一列に並べられているものがある。

 起きて足を置くであろう場所には、かかと部分まで丸められている靴下。

 靴下をき終えた際の勢いが考慮された位置には、足を入れて引き上げるだけの状態になっている、プリーツ付きの紺のスカート。

 その少し前にはふんわりと広げられたブラウス。

 そこから腕を伸ばしたぐらいにあるのは、リボンのタイ。

 スクールバッグのすぐ横にはロボット掃除機があった。きっと、かばんを取るためにかがんだついでに起動させるのだろう。

 そして扉には、チェーンに通された指輪が掛けられていた。


 ――ここはきっと、【せっかちな女子高生】の部屋。

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