番外編・後編 僕流の《アタマ》の治し方 ~『死ぬ気でやれよ、死なねーから』って言ってる人は嘘つきだと思うんですよね。だって、そいつ生きてんじゃん! 死んでから言えよ!~

 それでは後編でございます(^^)/

まずは【循環】から。



【循環】

 栄養を体の隅々に行きわたらせて、より体の回復を促進させます。循環が良くなれば、体のこりをほぐれて自律神経の調子も整える事ができます。

 ただ、ジョギング等の運動をして血流を促進させられれば良いですが、多くの場合と思います。なので、ここでは軽度の運動、もしくは運動以外の方法を記載していきます。


《姿勢の乱れを直す》

 精神病院に来る患者さんは必ずと言っていいほど猫背です。始めの頃は精神病だから猫背になっていくのかな? と思いましたが、ある時、別のアプローチで考えてみました。

 つまりんじゃないか? と言う考え方です。


 自律神経は喉の辺りにあるため、肩こりや猫背などで首周りの筋肉が凝っていると不調を起こしやすくなります。これをほぐす事で不調を改善したいのですが、首周りの筋肉は繊細ですので素人がマッサージをするとかえって悪化する可能性があります。マッサージなどを求める際はプロの元へ行くように。

 個人で行う場合は肩を回す、動画でヨガを真似てみる、などの簡単なストレッチにとどめ、あとは姿勢を良くすることを心がけてください。姿勢が良くなれば自然と無駄な力が抜けて、凝っていた筋肉もストレッチされます。またスマートフォンの長時間の使用は猫背や首の筋肉への負荷になりますので注意して下さい。

 また、首はあまり回さない方が良い構造になっています。ストレッチの際、首は回さないように! 肩を回しましょう。

 個人的なおすすめはスワイショウと言う太極拳の準備体操です。手をぶらぶらさせるだけの運動です。YOUTUBEに動画が沢山あります。


《スクワット》

 うつ病や自律神経失調症では動くことが困難なレベルのダルさに襲われます。そんな時、少しでも体が動くのであればスクワットを10~30回くらい、ゆっくりと行ってみてください。それだけで腹筋500回分の運動量になるそうです。

 またスクワットで鍛えられる筋肉(大腿四頭筋)に刺激が加わると成長ホルモンが分泌され、ストレスを減らしてくれます。


 ただし、やりすぎないように。

 昨今の筋トレブームの影響もあってか、うつ病の改善に筋トレが有効! なんて話はよく聞きます。

 ただ、あくまでも僕の個人的な見解なんですが、過度なトレーニングはメンタルを悪化させるような気がしてならないのです。筋肉痛や関節痛などの過度な痛みがストレスになる場合があります。食欲が無い場合や、ストレスで胃腸の調子が良くない場合などでは、疲労した体に栄養が行きわたらないリスクもあります。特に精神疾患を患う方は真面目な人が多いので、過度なトレーニングに陥りやすいです。過ぎたるは及ばざるごとし。無理はしないでおきましょう。


 スクワットすら出来る気力がない場合は次の方法へ。



《足湯》

 少し集めのお湯をバケツに入れて、そこに足を入れるだけでOK。アロマオイルでもたらせば、さらにリラックスできるかも(女子か!)。足を温めるだけで体の深部温度は上がり、末梢血管は拡張されて血流と共に酸素や栄養素が循環しやすくなるそうです。

 僕は四十三度から四十五度くらいが好きでした。お試しの際は火傷に気を付けて!



《お灸》

 正直、効き目があったのかよくわかりません。

 が、しかし!

 お灸を据えていると何故か心地よい睡魔に襲われた事が何度もありました。市販のお灸を使っていたので、火傷するような熱さはありません。ネットでツボの位置を探して適当においていました。

 ただし部屋がもぐさ臭くなりますので換気をするように! また、火がついている時に寝てしまうと危険です!


《温冷浴》

 これが一番効き目がありました。今でも疲れが溜まってくると行いますが、ある意味めちゃくちゃ疲れます。が、ものすごくスッキリします。



・概要

 熱いお風呂と、冷水のシャワーを交互に浴びる事で自律神経を刺激し、整えます。即効性があり、早ければ温冷浴をやった当日には寝つきが良くなます。僕の場合、二週間ほど続けたら立ち眩みがかなり改善されました。


・効果

 自律神経を整える。立ちくらみの改善。冷え症・微熱の改善。睡眠の改善。温度変化に対する耐性。気怠さの改善。食欲の増進。


・注意点

①汗をかくので水分補給をこまめに。水を入れたペットボトルを持って行き、常に水分補給が出来るようにすると良いです。

②自律神経等の不調がある場合、立ち眩みが起きやすい状態だと思われます。その場合、湯船から立ち上がる時など、ほぼ確実に立ち眩みや眩暈がおこります。湯船から立ち上がる際には転倒や失神に注意し、ゆっくりと立ち上がってください。また、自律神経が整うにつれて立ち眩みは無くなっていきます。気長に治していきましょう。

③眩暈の軽減の為、湯船に浸かっている時は、頭の上に冷たい水を染み込ませたタオルの乗せる事をお勧めします。

④立ち眩みが酷くなりそうな場合、湯船に浸かる時間を短くしてください。また、気分が悪くなる前に温冷浴を中止してください。

⑤食後には行わないで下さい。血液が胃腸へ集中しているため不調が起きやすくなります。

⑥心臓に不調がある人は絶対に行わないように。


・やり方

①42℃~44℃のお湯で、おおよそ15分ほど半身浴をする。顔から汗が流れるくらい体を温める。

②風呂から上がり、おおよそ1~2分ほど水のシャワーを浴びる。この際、水を体の末端からかけて行く(足、手、体の順。心臓より上は最後に)。頭に水をかけると眩暈が起こりやすいから注意。

③再び湯船に入り、今度は首までお湯に浸かる(約5分、体が温まったなら、もっと短くてもよい)。この際にも眩暈が起きるのでゆっくり湯船に浸かる事。

④風呂から上がり、②と同じ要領で1~2分ほど水のシャワーを浴びる。

⑤③と④を3セット繰り返す。

⑥温冷浴が終わったら最後に水シャワーを浴びて体を冷やしてください。最後に冷やすのが重要だったりします。

注・時間や温度、セット数は目安です。体と相談して、その都度決めていってください。絶対に無理しない事!


・追記

 ポイントは温冷浴を終える際、最後に水シャワーを浴びて体を冷やす事。そうすると、直に体の芯からホカホカと温まって来て睡眠に入りやすい状態になります。

 また温冷浴は入浴による血行の促進や、手足の毛細血管の伸縮により血流の循環を良くする効果があります。発汗によるデトックス作用はもちろん、十分な栄養を取っておけば体中に栄養素を運ぶ事が出来ますので疲労の回復が早くなります。

 温冷浴直後は非常に疲れが出ますので、終わった後はゆっくり休んでください。

 なお、体調が悪くて上記の温冷浴が難しいなら、手足(毛細血管が密集した場所)を水シャワーで冷やすだけでも効果があります。



【休息】

《睡眠》

 休息については眠るのが一番効果的です。不眠症などに陥っていると眠る事も簡単ではありませんが、上に記載した温冷浴などをした後なら、かなり眠りやすくなっているはずです。

 ここが意外と見落としがちな大切なところで、休もう眠ろう休もう眠ろうと思ってもなかなか休めない眠れないのは、体が休む眠る準備ができていないからだったりします。

 つまり、起きている時に行ったことが、眠りを決めます。


《瞑想》

 昨今ではマインドフルネスなんて言葉もありますね。他にも座禅、歩行禅、ヴィパッサナー瞑想など世の中には興味深い物から怪しいものまで数多くの瞑想方法があります。

 今回僕が脳の休息のためにお勧めするのは、そんな瞑想のではなくです。

 脳は常に動いています。物事を言語的にとらえ、論理的に組み立て、常に試行錯誤し続けています。眠っている最中ですら悪い夢を見て飛び起きるようじゃ、本当に脳が休んでいる瞬間なんてどこにもありません。

 まぁ、そのおかげで人間は進化したわけですが、意識的にちょっと脳を休ませてみませんか。と言うのが僕の目的。


 具体的な瞑想の方法はネットでも沢山ありますので何を参考にしても良いと思います(相変わらず筆者は筋金入りの適当精神の持ち主である)。座禅を組んでも良いし(座禅を組む時はお尻の下に二つに畳んだ座布団を敷いてね。腰痛の原因になっちゃうから)、椅子に座っても良いし、横になってても良いし。

 そして深い呼吸をゆっくり行いながら。思考を放棄して、数分でいいから脳をニュートラルにするよう試みます。

 オーバーヒートしかけたエンジンを完全に切って、少しでも冷ませてあげるような物ですね。


 一つ注意点があります。

 瞑想に夢中になって悟りを開こうとしない事。目的が変わっています。早く帰ってきて!




【その他・体調の崩れるタイミングを知ろう】

 季節の変わり目、台風が近づいて来る時期、雪の降る時期、などは体調が悪化しやすくなります。気圧の変化が体に悪影響を与えるので、そう言った天気の場合には特に体調管理に気を付けましょう。

 それに仮に体調を崩しても「天気が悪いせいだから」と軽く考えると気が楽になるかもしれません。


 色々と書きましたが、確実に治る方法があるわけではないので色々な人のアドバイスを聞いて、自分に合った治し方を見つけるのが完治への一番の近道かもしれません。自分の体調を毎日メモしていくと変化にすぐ気づけると思います。


 さて今回のサブタイトルでも出ている『死ぬ気でやれよ、死なねーから』って言葉、本当に嫌いなんですよね。

 けれど、覚悟を決める(体力と頭脳が回復している事が前提)事が大切なのは事実です。自分の体を治そうと思いつめると悪化しますが、治そうと思わなければいつまでたっても治りません。にはどんな問題も乗り越えられる力があると思います。


 ただし、その人の死ぬほどの覚悟は、その人だけのもの。決して他者に強要されてはならない。なので僕は『死ぬ気でやってみろ……』と言う言葉(言われるのが)が嫌いです。

 そして何かしら覚悟を決める前に必要なのが調なのです。野菜を植える前に畑を耕すように、具合の悪い人は起き上がる前にちゃんと眠ってください。


 それともう一つ。語弊の生まれそうな言い方ですが、完治できる! なんて思わない方が良いかもしれません。

 それよりも、この症状と一緒に生きて行くためにはどうしたら良いか? と考えていった方が早く体は楽になりかもしれません。不思議と、こういった心持に切り替えてから完治に向かう症状も増えて行きました。


 ちなみに今回記載した方法はA社を退職してから何年もかけて見つけた物です。なのでA社に居た間~数年間は、ずっと精神疾患を抱えたままでした。とほほ。


 それでは番外編はこの辺で。


 次回からブラック企業へ復帰編がスタートです。

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